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東武ダイヤ改正の衝撃〜〜利用者ニーズの把握は?
迷月赤城山 2006年 1月11日
ご論説、興味深く拝読しました。私は足利市在住で、東武通勤者です。勤務先は太田−伊勢崎間某駅最寄りで、自宅、勤務先ともに駅から近いので、クルマを使わずに東武で通勤しています。また、私用や出張でよく東京へ東武で出かけます。
今度のダイヤ改正は私も衝撃を持って受け止めました。TAKA様がおっしゃるように、北関東各都市−首都圏間の利用者を特急に誘導する策ではあると思いますが、北関東各都市間の地域輸送についてはまったく改善されておりません。私の身近も含め当地では、何らかの事情でクルマが使えない人が、公務などで高崎・前橋−太田・館林間を鉄道を使って往来する人が結構おります。これらの都市の人口規模を考えますと、潜在的にはもっといるでしょうし、これから高齢化が進んでいくことを考えると、公共交通のニーズは案外多いように思います。ところが、現状の東武のダイヤでは、使いたくても使えない人が多いというのが実情だと思います。
では、対首都圏輸送が便利になるかといえば、これまたTAKA様がご指摘の通り、今の特急「りょうもう」のサービス水準は、1800系急行時代に比べれば、全車 200系になっていくぶん改善されましたが、その 200系電車にしても、定員重視で窮屈な座席、遅いスピード、早い最終便設定(浅草発21時45分)で、正直言って「疲れる」電車です。しかも、利用者の多くは、ビジネスや用務でしょっちゅう東京と当地を往復するという人びとなのに、特急回数券の設定すらありません。こういう状況を改善しないまま久喜での準急分断、および「りょうもう」の久喜停車を行いますと、これもTAKA様がおっしゃるように、今以上にJRに利用者が流れて行ってしまいます。特に湘南新宿ラインの増発以降はそうです。浅草というターミナルの立地を考えますと、列車の高速化についても考えていかないと、東武が重点を置いている対東京輸送についても、かなり厳しい将来展開が予想されます。
ですから、そもそも、東武は利用者のニーズを正確に把握されていないのではないかという疑いをいつも感じます。東武が本当に久喜・南栗橋以北で利用者を増やしたいなら、一度、北関東で本格的に市場調査をなさって、利用者のニーズを正確に把握されるとともに、現在クルマを利用している人びとに対しても、どのようにすれば東武鉄道を利用してくれるか、潜在的ニーズを調べて経営努力なさるべきだと思います。それをしないまま、無策のまま突如サービス打ち切りを宣告するのは、私もTAKA様と同様違和感を感じています。一度クルマ依存の都市構造になってしまってからの積極策には事業リスクが伴うことは重々承知していますが、公共交通が地域振興や都市の求心力に対して果たしている役割を考えますと、簡単に鉄道サービスを廃止してしまうことには疑問を生じますね。
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