このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

 

 

ここにも見える「枯れ尾花」の影

 

和寒  2005年 3月27日

 

 

 せっかくお褒め頂いて恐縮ですが、「通過線だけ立体交差化案」は実は私のオリジナルではありません。他人の手柄を横取りするわけにはいきませんから、敢えて正直に記しておきます。

 

 それから、御呈示あった参考資料を一読して、以下の視点の存在を指摘しておきます。

 「車庫線・引上線との関係を検討」

 という部分が、実は本質というか、この問題の本質的な解決がごく難しいことを端無くも示しています。エル・アルコン様から既に指摘があるとおり、竹ノ塚の車両基地は東京メトロの保有です。つまり、出入庫線をも立体交差化する場合には、それに要する費用をどのように分担するかという、「逆椅子とりゲーム」的な要素が控えているわけです。

 当然ながら、東京メトロは「自社に一切の責任なし」としてあらゆる費用負担を拒むでしょう。しかし、東武と東京都は、東京メトロにも多少なりとも費用負担してもらわなければ、対外的にも対内的にも説明に窮してしまい、おおいに困ってしまうのです。さらにいえば、実は「多少なりとも」どころではなく、車両基地の配線変更には膨大なコストを要することが、問題の解決をより難しくしているのです。

 通過線のみ高架化する案は、車両基地をほとんどいじらなくてすみ、関連する当事者数を減ずるという観点からは、有効な案といえます。しかしながら、踏切を解消できないというデメリットも存在しています。

 とはいえ、無策のまま放置できないことは確かです。今は踏切閉鎖を厳格に行っていますが、それで事故は防げても、沿線住民の不満とストレスがたまります。最も極端な対策としては、車道を永久に閉鎖して(迂回可能な道路はいちおう存在する)、歩行者・自転車用の地下道をつくるという方策もあるでしょう。しかしそれは、都政がメトロに屈する形であり、メトロの有力出資者が東京都であることを考えれば、本末転倒といわざるをえません。
※通過線のみ高架化という案も、実は似たような道義的・倫理的問題を抱えている。
 多数の住民の利益を代表する大株主が、子会社ごときの顔色をうかがう状況は、極めて異常と指摘せざるをえない。

 ひょっとすると、西新井の工場跡地が更地化されつつある今だけが、唯一にして最大のチャンスなのかもしれません。車両基地の西新井移転などの選択肢(ただしこれは環七の逆立体交差化+6車線化を含む相当な大事業となる)まで含め、複々線区間から踏切を根絶したいものです。

 

 

 

 

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