このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

 

 

竹ノ塚の配線面から見た問題と改善

 

エル・アルコン  2005年 3月27日

 

 

 原則は原則とはいえ、それを杓子定規に守れない、また原則通りにやっていけない現状にどう適用させていくかという、単純な原則論ではない結論が必要なケースであり、原則を守っているかどうかに議論を帰結させるというのは、正論のように見えて議論の入り口にも立っていないといえます。

 まあ笑点の「山田君」の如きとは毒舌が過ぎるきらいがありますが、とまれそういう結論でよしとしてしまうことは、困難な現実への対応から逃避しているともいえるだけに、世にその種のコメントが散見されるのはいかがなものかとは思います。

 

●「信頼の原則」に関して

 別スレで述べた通りですが、TAKAさんがおっしゃったとおり、常識とはいえそれが不要なまでに信じられていた左右確認を再認識するくらいに信用性を下げたことはボディブローのように効いてくるでしょう。

 信頼してきた分野で信じられなくなったらどうなるか。実は以前、家の近所の交差点で青信号で進行中なのに信号無視の暴走族に突っ込まれて、自車は中破で軽い怪我を負ったことがあります。

 それ以降そこでは青信号でもつい減速してしまう癖が付いてしまったのですが、考えてみれば後車にとっては迷惑な話ですし、交差点ごとに信号が青でも減速したり一時停止して確認を始めたら円滑な交通どころの話ではなくなるわけです。今回の事故も、もし原則論が解決策であるのなら同じような結論が見えるわけで、交通が「信頼」により成り立っている部分が大きいことがわかります。

 

●竹ノ塚の配線問題

 複々線の終点に車庫を配するというケースは京阪の萱島などの例もあり、確かに東京メトロの車庫を他社線内に置くという点は珍しいですが、それ以外ではポピュラーな例といえます。ただ、竹ノ塚の西新井寄りに車庫があるのに、草加方に一回引き上げて、緩行下り、急行下りと平面交差して入庫という経路取りをしたこと自体に問題はなかったのか。

 竹ノ塚折り返しは現在同様草加方の引上線経由で良いとして、車庫への入出庫は西新井方からダイレクトに入れられなかったのか。おそらく緩行下り線を長時間支障しないで入庫できるように、緩行下りと急行下りの間にタイミングを待つため(?)の側線があり、それはそれで考えられてはいますが、北側の大踏切の場合、ダイレクトに入る配線であればまったく支障しない電車が2回通ることによる問題まで考えての配線だったのでしょうか。

 

●急行線のみの立体化

 これが現実的な対応でしょう。入出庫者と急行下り線の平面交差もなくなるわけで、事業者側にとってもメリットが大きいです。問題はおそらくこのやり方が「連続立体化」の要件を満たさず、事業者側の単独事業になってしまうことでしょう。

 もちろん国などの資金援助を頼るような話ではなく、自社単独事業で対応すべき話ということも出来ますし、私自身は最近の国や自治体の補助がないと駅や線路といったインフラ部分の整備に対し非常に消極的な鉄道各社の姿勢にたいしては批判的です。

 今回、もし急行線のみ立体化した場合、地平線区間は残るので例の大踏切の除去にはなりませんが、支障時間が相当減少することになります。

 こうした、完全な除去ではないが、相当な効果が望める事例も、連続立体化に準じた制度を用意できれば、用地取得などの問題で手詰まりになっている線増も、直上高架による上下2層の複々線化で可能になるやもしれず、結果的に立体化や線増へのインセンティブとして働くことが期待できます。

 

 

 

 

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