このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

 

 

効果と工期を重視した新たなモデルの構築を

 

エル・アルコン  2005年 3月29日

 

 

 竹ノ塚の問題については答えが見えてきました。

 緩急全線の立体化についてはメトロ竹ノ塚車庫の扱いが問題になります。車庫用地は現在の場所で、かつ輸送量の関係から竹ノ塚までの本数を確保するという命題を両立させるためには、阪神石屋川車庫のような立体化を行い、かつ高架線上で急行下り線との平面交差と言うコストの割に使い勝手の悪さだけが残る結果になります。

車庫は地平、線路は緩急とも高架だと、谷塚方に引き上げた後、地上に下ろして車庫に入る車庫線が平面に残り、踏切も残りますが、高架と地上の渡り線をどこに置くかと言う問題が生じます。

 そう考えると、踏切支障時間の解消という意味では全面高架化に劣りますが、それ以外の問題点への解としては急行線のみの立体化とは捨てたものではない案といえます。

 

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 TAKAさんが例示した東横線元住吉や京王線調布の方策、さらに京急線蒲田における環八との先行立体化もそうでしょう。連立化の場合は踏切を完全に除去する、とか、連立化のような都市計画の場合、壮大な計画が完成してはじめて効果が出る、というような「完璧主義」から現実は転換しています。

 考えようによっては二重投資になりますし、対症療法的な対応という見方も出来ますが、百年河清を地で行くような計画の実現を待つのではなく、まず出来るところから、出来る形で実施するということへの変換。計画の完成まで10年20年と待つのであれば、当座の対応でも少なくとも10年以上の間そのメリットを享受出来るわけです。

 車庫の持ち主がメトロという点がややこしいと言えばややこしいですが、ここは都が音頭を取ってきちんと調整して欲しいものですし、昨今、そして今後交通行政に期待されるのは、規制や監督よりも、こうした調整能力だからです。

 早い解決によるメリットの享受は「二重投資」のコストを補って余りありますし、例えば地平線を一部残すような計画にすることで得られる「中庸な」効果も、竣工までの時間短縮とのあわせ技でこれも多大なメリットをもたらします。

 そう考えた時、竹ノ塚の「改良」において、完全なる改良を待つこと、またそれを理由とした不作為よりも効果的な対応に柔軟に取り組むべきであり、そのモデルケースとなってはじめて、今回の痛ましい事故を克服できたといえるでしょう。

 

 

 

 

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