このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

 

 

正解は複数あるが

 

とも  2005年 4月15日

 

 

■急行線単独高架化の意義

 駅舎の改築問題はありますが、妥協案としては一つの方策です。駅舎改築に合わせ、駅舎との高さ調整をして桁下を人道がくぐれれば問題はないでしょう。

 ただ、仰るとおり、根本的な解決にはつながりませんし、効果は限定的です。

 

■道路単独立体の可能性

 これも一つの可能性としては高く、根本的な解決につながるものです。ですが、この道路は駅前商店街の道路ですから道路の立体化による地域分断という違う問題を生みます。

 商店街前の道路を立体化するとして、写真で見る限りの幅員では側道を確保しての2車線の立体化は困難でしょう。とすれば側道なしの立体化か拡幅ですが、駅前商店街でこの二つを対策として取るのはなかなか難しいものです。

 一つの解決策として地元が受け入れるのであれば可能でしょうが、無理にやると反対で事業の停滞すらも懸念されます。

 

■鉄道完全立体化はできないか

 東京メトロの車庫線が絡んでいるため困難なのは誰の目にも明らかです。

 行政としても事業者の協力というか積極的な関与が得られなければなりませんが、メトロからすれば車庫線の立体化を図ることにメリットがそれほどあるわけではなく、積極的な関与は期待できません。また、連立事業制度を活用するとしても「事業者の受益分を負担する」という主旨で考えればメトロの負担は小さくなり、通常よりも多くかかるであろう事業費の東武負担割合増加の可能性すらもあり得ます。

 となると、立体化はそうそう簡単に出来るものではなく、行政のリーダーシップという次元を超えた問題といえます。

 

■解決策の提案

 理想的なのは商店街の再開発などを含めての立体化で鉄道側を立体化にするのが理想的でしょう。しかし、これは夢のまた夢。現実的な解決策ではありません。

 現実的な妥協案としては、人間と歩行者のみが通れるエレベーター・エスカレーター付きの横断歩行者橋を整備し、自動車は当面は迂回することを暫定的な対応策とし、恒久的には伊勢崎線のフォーメーション(編集子注:路盤の基面をさす)を変更し、現在の平面から若干のかさ上げ(2m程度)を行い、道路側を2m〜3m程度の盤下げを行うことで立体化空間を確保します。鉄道との交差をできるだけ薄いボックスカルバートなどで対処し、トンネル内に高さ制限(3m程度で充分)をかければ大きな問題はありません。

 道路側が現地盤から2〜3m程度のマイナスならば、すり付け勾配延長はおよそ15m(緩和勾配 8mで 4%勾配を導入)で済み、沿道店舗の連鎖型建て替えなどを行って道路の高さに入口を下げることで商店街5軒ずつ程度の建て替えを促す程度の影響で抑えることが出来ますし、50cm程度であればステップの設置や歩道と車道の勾配変化で対応できます。

 鉄道側は 2mのかさ上げとして20‰勾配で 100m、10‰で 200m手前からの上り勾配となりますが、前後が高架区間であることなどを考えればそれほど難しいことではありません。特に駅側は竹ノ塚駅北側踏切の先から上り勾配となっており、北側踏切も同様の方法で処理することが出来ますから、鉄道側の問題は駅舎建て替えとホームのかさ上げに集約されます。駅舎は地下とすれば改築前からの仮設にも支障が少なく理想的です。

 一方、南側はのメトロ車庫への分岐については、かさ上げしているところに分岐を入れ、そこから下げることはそれほど難しいことではありません。線路支障の問題は同時に下り急行線の高架化を実施するなどすればよく、その程度であれば事業費は規模が小さく、東武の負担も小さくなります。

 

 このような事業手法は踏切道改善事業で意識されていないものですが、主旨を外しているわけではなく、補助事業適用の条件はクリアできています。

 国の補助を受けることが可能であり、なおかつ行政・東武鉄道ともに持ち出しはありますが、その負担を小さくできますし、竹ノ塚駅の改修もバリアフリー化と合わせれば事業費負担軽減が可能です。

 このような妥協案も一つの解決策ではないかと考えます。

 

 

 

 

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