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北摂ぶらり旅
エル・アルコン 2004年10月 3日
朝方雨が残った土曜日、北摂をふらりと神姫バスで回ってきました。主目的は「三ノ宮へのダイレクトアクセスに新路線」と銘打って10月1日から運行を開始した三ノ宮−吉川(よかわ)線。それを絡めての三ノ宮−三田−吉川−三ノ宮の三角コースを辿りました。
●まずは北摂特急
4月の改正で朝の三ノ宮行き10分ヘッドと大きく育った北摂特急でスタート。11時半発のフルーツ・フラワーパーク、三田駅経由つつじヶ丘行き。45人乗りの高速車に20人ほどを乗せて発車しました。
朝方雨が残って外出しづらかった天候を考えると、郊外方向でこの乗車は立派です。新神戸トンネルを抜け、箕谷から阪高北神戸線に入りますが、一般レーンで料金を払っている間にETCレーンの連続通過を食らいました。
柳谷から六甲北有料に入り、山陽道の神戸北ICを過ぎると対面通行。そして大沢(おおぞう)の本線料金所を通るところを、フルーツ・フラワーパークに寄るため出口へ向かいました。
翌10月 3日が神戸観光の日と銘打って市内の観光施設のほとんどが無料開放され、ここも無料になるんですが、それに合わせて大沢料金所の出口側が無料開放されます、といっても普通車で 100円ですが。
フルーツ・フラワーパークで 8人下車。降車停留所は園外、乗車は園内となっています。再び六甲北有料に戻り、中国道の神戸三田ICを過ぎると有料道路は終わり、右に曲がると北摂ニュータウン内の幹線道路です。そのまま進めばフラワータウンですが、住宅街の周回道路に入り、弥生が丘、狭間が丘を回ってフラワータウンへ。三ノ宮−新神戸駅を除き区間利用も出来るため、フラワータウンでは 2名の降車のほか乗車もありました。
そして神鉄に沿って走る県道を進み、三田駅へ。三田駅では 5名の降車を数えており、神鉄とのガチンコ勝負になっています。
●北摂特急あれこれ
実はこの週末、秋の味覚を尋ねて丹波篠山へ家族で出掛ける予定で、今回は秋の味覚で一杯と思い、北摂特急の一員である三ノ宮から篠山への特急バスを志しました。
ところが神姫バスのサイトで時刻を見ようとしたら、何と10月 1日の改正で篠山行きは運転休止、三田駅で北摂特急から普通便に乗り換えとなってしまいました。結局クルマにすることにして、それが雨で流れての単独行という因縁ですが、バス車内や停留所に三ノ宮−丹波篠山線運転休止の告知が大きく出ていました。
ただ、三ノ宮の案内所で乗り継ぎダイヤを書いたビラで案内されていた乗客がいましたし、三田駅の篠山方面乗り場には乗り継ぎダイヤが大書きされているなど、そこそこ利用はあったのでは?と言わざるを得ない感じを受けました。
篠山急行以来の伝統ある路線で、これで丹波方面はかつての柏原急行の廃止と合わせて長距離便が消滅した格好ですが、三田以北はR176を延々と行くというのも芸が無く、氷上の関西墓苑に行く便のように、北摂ニュータウンに停まった後、三田西ICから舞鶴若狭道に入り、丹南篠山口ICまでワープすれば利便性がアップしていたのにと悔やまれます。
あと、弥生が丘から神戸三田IC方面へ曲がるところで三ノ宮行きとすれ違いましたが、高速車は40人程度の入りと盛況。その後ろを前後扉の急行タイプ(西脇急行によく使われるタイプとは違う)が回送表示でついてきて、この交差点で特急便と分かれてそのまま三田方面に向かったんですが、乗車口に「特急・三ノ宮」というサボがあり、ひょっとしたら弥生が丘などの乗客数によっては急遽続行便になるための回送だったのかもしれません。
ちなみに三田駅で見たこの次の三ノ宮行きになる便は、始発?の三田駅で 8人乗車となかなかのものです。メインのフラワータウンや弥生が丘の乗車を考えると、北摂特急の定着、そして鉄道と堂々と張り合っている(三田−三ノ宮だと神鉄よりJRがライバルといえる)ことが見て取れます。
●美奈木台直通バス
さて、ここから吉川への移動ですが、神姫バスのサイト掲載の路線図を見ると不思議な路線が見えます。
三田駅を出て、市立図書館、フラワータウンに停まるとあとは無停車で吉川町にある美奈木台(みなぎだい)までノンストップという路線。三田から少し離れており、だいたい三田市域にはまだ余裕がある北摂ニュータウンがあるのに、直通バスを必要とするニュータウンが吉川町になぜ?と疑問が広がります。
三田駅の停留所は、市内各方面は駅前正面、ペデから直接下りる乗り場ですが、三ノ宮行き特急やこの美奈木台行きは左手の路上停留所です。
美奈木台行きは毎時 1本、午後に入ると毎時 2本で、日中はフラワータウン経由。最終は22時台ですから通勤需要もあるのでしょうが、終バスを逃したら結構な距離があるだけに、通勤需要の中身も気になります。
そしてやってきたのは側面に「公園都市宣言」と入った美奈木台の宣伝が描かれた専用車。前後扉の急行タイプですが、西脇急行とは形式が違い、先に北摂特急の続行便か?と見えた車両に似ています。車内は正座席37、補助席7で座席数はそこそこありますが、料金表が今時珍しい幕式でした。側面の幕に「中国自動車道経由」とあり更にびっくり。だからノンストップなのかと得心しましたが、ずいぶん手厚い対応です。
13時 6分発は、結局三田駅で 2人、図書館で 1人、フラワータウンで 2人と 5人乗車でしたが、高校生が多かったです。
神戸三田ICから中国道に入りますが、座席ベルトはありますが、吊り革付きの車両が高速自動車国道を行くというのも違和感があります。三田駅には定員制の注記はなく、法令で立席不可のはずですが、どう運用しているのでしょうか。同じ急行車でも西脇急行タイプの力強さが無く、規制速度を割り込む70km程度で巡航。そして吉川ICで下ります。
吉川ICは他の中国道のICでも見られる、出口、入口の料金所ブースの間隔をあけ、その中間に高速バスの折り返し線と停留所を設けたタイプ。待ち人がいましたが、中国高速線が停まり、意外と便利です。
淡河(おうご)を経て神戸に向かうR428の西隣に並行する形の道に入り、美奈木台へ。北側に向かって下がる斜面に拓けた一戸建てが並ぶニュータウンで、上の方は空き地も目立ちます。ところどころボンエルフ工法の発想が見えますが、徹底しておらず、設計の感じとしては彩都に似ています。
そして三田から30分あまり、ニュータウンのてっぺんにあるバス待機場が美奈木台終点。西脇急行タイプの専用車もいましたが、このバスは何でもない道でハンドルを取られるような蛇行を繰り返しており、何か癖があるのでしょうか。
●吉川庁舎へ
三ノ宮行きの始発、吉川庁舎前に戻るのですが、実は美奈木台行きの車内広告にもあったように、このバスは美奈木台を通ります。ただ、 1時間以上待つのも辛い環境で、吉川庁舎に戻ることにしましたが、バスの時刻が合いません。結局 3kmほど歩き切りましたが、美奈木台から新三田や三田に行く一般道経由のバスは少なく、この直通バスだけと言って良い環境です。
こうなるとますます、吉川町にありながら、近くの町役場に行くよりも遠くの三田に出るバスが圧倒的に多いという交通事情が気になります。
美奈木台の入口に当たる美奈木台1丁目バス停そばにはバス利用者用駐車場がありましたが、美奈木台の住民が使うわけも無い反面、駐車しているクルマがあるわけで、吉川町中心部等から来るのでしょうか。
そして11系統、準急のLEDを輝かせた神姫バスとすれ違い。一般車が準急なら三ノ宮行きは何を名乗るのか。すっかり晴れた中、汗をかきながら吉川庁舎に辿り着き、時間があるので隣りの吉川温泉「よかたん」で一風呂浴びて時を待ちました。
●あっと驚く三ノ宮線
三ノ宮行きの発車は15時ちょうど。 5分前くらいにバス停に戻ると、庁舎敷地内にあるバス待機場に「三ノ宮」のLEDを出した神姫バスがいます。しかし、それは既存「ダイレクトアクセス」同様ではと想像していた高速車や急行車ではなく、一般車。しかも、中型、いや、小型に近い短尺車です。種別はなく、ということは11系統の準急よりも「格下」ということでしょうか。
結局終点まで私だけという淋しい状態でしたが、運行 2日目ゆえまだ分かりません。美奈木台まで三田直通便と違い全停留所に停車。さらに淡河までもちょこちょこ停車し、そこから小橋を経て三ノ宮へ直行ですから、ぜひ準急あたりを名乗って欲しかったです。ちなみに吉川IC前では中国高速線の乗り換え案内が流れました。
美奈木台から総合中央活動センターを経てR428に入り、吉川、神戸市境を過ぎるとバス停に「このバス停は10月 1日から使用します」とあり、三ノ宮線が初めてのエリアです。このあたり、既存系統のバス停から三ノ宮へという他の「ダイレクトアクセス」と全く異なり、一から開拓ですが、途中の商店の店先に集まった中年女性の集団が、こちらを見て呆気に取られており、バス路線開設が今後の流動や行動を変える可能性はあります。
淡河町域は既に神戸市北区。ただ、三ノ宮へは山を二つ越えるという地勢では、なぜここまで神戸市が来ているのかとしか言い様がなく、「ミナト神戸」とも、裏六甲のニュータウンとも違う「神戸」が展開しています。
三田から三木への県道と交差するのが淡河本町。ただ、三ノ宮線は交差点を挟んで淡河本町北、淡河本町南を名乗っており、なぜこうなったのか。なお、冬季は淡河−箕谷間の急勾配を勘案して、淡河本町から御坂経由での運行となり、 7分遅くなります。その際は淡河本町南は通過になるのですが、R428から分かれた旧道上にあるのはなぜでしょうね。
ここからの峠越えはなかなかのもの。あっという間に後続の車列が伸びるほどのバスには辛い急勾配で、積雪はないにしろ、路面凍結にはお手上げになりそうなカーブと勾配です。この間停留所の設置が全くありませんが、大半の区間で民家を見ず状態なので仕方が無いのでしょうが、ハイキング帰りの行列を見掛けており、登山口あたりに設置したら需要があるかも。
そして峠を越えたところで反対車線でまさかのねずみ取り。そして遠く向かいの丘陵や山腹に鈴蘭台や神戸北町の街並みを見て坂を駆け下り、御坂からの県道に合流しました。
後は新神戸トンネルに入るだけですが、そのすぐ手前に小橋停留所。ここはかつてグリーンピア三木への普通便があったときの停留所の復活ですが、すぐ料金所への角を曲がると急行64系統用の箕谷バス停があるのですが、共用しません。
そして新神戸トンネルを駆け抜け、三ノ宮に55分で到着しましたが、このサイズのバスがコミバスでなく神戸の街中を走っているのには違和感があり過ぎでした。
結局この三ノ宮−吉川線ですが、他の「ダイレクトアクセス」のように対神鉄の「刺客」ではなく、吉川や淡河という量は望めないが地理的に三ノ宮へのアクセスが欲しいエリアの需要を瀬踏みするような開設ではないでしょうか。
もっとも、美奈木台のような長距離通勤を前提にしたようなエリアを通り、神戸への通勤対応も可能な便設定( 7時台に三ノ宮着。もっとも 1日 3往復では通勤も何もあったもんじゃないですが)もあるわけで、将来的には郊外の住宅とのダイレクトアクセスということで、山陽バスの三宮−垂水線と性格が似ています。
ちなみにこのあたりは、三ノ宮駅南側、震災で倒壊した神戸新聞会館跡地にターミナルビルを建てる計画が具体化しており、それによる発着枠容量拡大を織り込んだ対応にも見えます。
●近日改正か
神姫バス三ノ宮ターミナルには、近郊各路線の料金表があります。そこに近日の改正を確信させる物があります。
それは恵比須快速でして、恵比須駅までの料金表ではなく、その先を紙で隠しています。そこに透けて見えるのは三木営業所までの料金、どうも三木営業所まで延長するようですが、こうなると三木中心街までの本数が倍増ちかいことになります(夕夜間は毎時 4本)。こうなると、安い、速い、本数多いとなってしまうので、ますます神鉄ピンチというところでしょうね。
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