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関空アクセス、改善への一里塚と課題
エル・アルコン 2005年 2月 2日
低迷する関空の利用てこ入れの一環として、連絡橋(スカイゲートブリッジ)料金割引の社会実験が続いていますが、 2月 1日からは往路に限り、ETC車は関空道もしくは阪神高速(大阪南区間)と連絡橋の料金を合計 500円(関空道もしくは阪高は 300円、連絡橋は 200円)さらに割り引かれます。同時に連絡橋の料金所にもETC専用レーンがお目見えするため、関空会社が10番目のノンストップ事業者になります。
これで本来大阪市内から阪神高速(大阪東区間、南区間経由)で関空まで往復すると4130円だったのが、ここまでの社会実験が3500円、そして2/1からは3000円となります。ただ、道路公団の各種割引との重複適用は無いとあり(社会実験割引の 300円と比較して安くなる方を適用)、また、ETC車限定で阪高の通行料が5%割り引かれていますが、これとの重複適用についての記載が無いのは問題です。
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関空の不人気の原因は一にも二にもアクセスなんですが、少なくともクルマに関しては大阪市内から片道1500円(阪高のETC割引が重複適用なら1440円)と、まあ悪くは無い数字になりました。
今回の割引については、関空道や阪高の料金所通過から連絡橋の料金所通過までの時間差を 6時間まで認めているのが特徴で、関空会社のサイトを見ると、一般道に下りてりんくうタウンに立ち寄ってもOKとあり、アウトレットなどに立ち寄ったついでの関空見学も狙っているようです。関空での駐車料金 1時間無料のサービスと合わせると、実質 +600円で関空見学が出来るわけで、それならちょっと行ってみるかと言う需要もありそうです。
とはいっても「関空は高い」のは印象だけではまだまだ済まないのも事実で、駐車料金も 1時間は無料ですが、それ以上はかかりますし、展望プラザへもクルマで行けるようになったことは大きな前進ですが(従前はターミナルの駐車場に停めて有料バス利用)、そこでは別途駐車料金が20分あたり 100円かかるわけで、その施設ならそうそう長居はしないのでコスト的にはたいしたことは無いのですが、ターミナルで取られ、展望で取られ、では印象が悪すぎます。
りんくうタウンのアウトレットとの関連でいうと、あっちの駐車場の方が安い( 1時間 300円)上に、3000円以上の買い物で 3時間無料です。さらに、関空との間では無料シャトルバスこそなくなりましたが、片道 100円のシャトルバスが毎時 2本(平日は 1本)あるわけで、アウトレットに駐車してバスで関空見学の方が気が利いています。
その意味では、今回の社会実験は一歩前進ではありますが、まだまだ勉強が足りないと言えます。
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関空の利用促進のため、さまざまな対策を官民あげて取り組んでいることは前にも述べましたが、目下最大のライバルである伊丹と比較した時、その取り組みが果たして意味があるのか、という思いに駆られることも事実です。
壮麗豪華な関空に対し、伊丹はこれがかつては国際線まで発着していたことが信じられないような質素な作りです。ターミナルビルもウナギの寝床のような構造で、かつテナントもお世辞にも垢抜けているとは言えないばかりか、レトロ的なイメージすら受ける店も見られます。だいたい、ビルそのものが相当くたびれており、南北のターミナルを結ぶテナント街は「昭和時代の名店街ビル」の趣です。
また雨ざらしの駐車場から屋根も無い通路で、バスやクルマの通路を横断歩道で超えてターミナルビルまで歩くシチュエーションは不便ですし、駐車場のキャパもそう大きくはありません。
これでは、日に数本しか便が無いいまどきの地方空港の方がよほど立派であり、設備が充実しています。にもかかわらず利用者は関空にノーを突き付け、伊丹を選ぶのです。
それだけ「地の利」は何物にも代え難いメリットです。しかし、大阪市内や神戸市内からのアクセスタイム「だけ」で比較すると、伊丹と関空への所要時間差が無茶苦茶違うと言うわけでも無いことは事実です。
私自身、伊丹の運用時間規制のせいで東京からの帰りはもっぱら関空便なんですが、三宮までのリムジンの所要時間は約 1時間。伊丹からの所要と比較しても20分程度の差ですから、「遠い」と言い切るにはあたりません。
では、その違いは何か、というと、やはりそのコストと、アクセス手段のフリークェンシーです。時間的には20分程度までの差なのに、料金は倍ほど違う。これが最大のネックです。そしてアクセスの本数が少なく、搭乗前に、また、到着後に(特に遅延した時に)発生するロスタイムが、実乗車時間での健闘を帳消しにしています。
フリークェンシーと言う意味では最強の立場にあるクルマについては、今回の社会実験はその最大の泣き所である通行料金の問題を相当軽減しましたが、リムジンやJR、南海がその批判と期待に応える動きは見えません。
関空がやらねばならないことははっきりしています。しかし、それに応える姿勢がまだごく一部しか見えない状態では、伊丹(や神戸)の規制をいくら行っても、ザルのように利用者は他の交通機関に逸走するだけです。
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