このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

 

 

イベントから見た六甲山を巡る交通

 

エル・アルコン  2005年 2月13日

 

 

 「震災10年、神戸からの発信」事業の一つとして、この三連休、六甲ガーデンテラスにて「六甲山 氷の祭典」が開催されました。日本氷彫協会の西日本コンテストですが、ガーデンテラスの西側駐車場に氷像30基あまりを展示し、プラスチックのそりで滑る氷の滑り台なども置かれました。

   六甲山 氷の祭典

 そこへ初日の11日に行ってきました。通常六甲ケーブル往復が1000円、山上駅〜ガーデンテラスの山上バスが片道250円で、バス自由乗降の1300円のクーポンがありますが、500円の入場券を付けて1500円の前売券を阪神電車の各駅長室などで売っていたので購入。ちなみに当日券は同内容で1700円、ケーブル下駅のみで発売してました。

 家族連れなのでバスも始発の方が良かろうと阪神御影に降り立つと、六甲ケーブル下行きの16系統が座席がほぼ埋まった状態で出ていきました。これはいかに、と次発に座ると、結局座席が相当埋まって発車。どうも六甲山に向かう人が多いようで、イベント目当ての客が多いようです。

 バスはJR六甲道、阪急六甲を経ますが、JR六甲道の乗車が多く、阪急六甲では続行便が待機中と事態は甘くないようです。もっとも、高羽町から鶴甲にかけての住宅街で降りる人も多く、終点で立ってたのは10人くらいでした。

 ちなみに神戸市交通局ではエコファミリーという制度を実施中で、市バス(含む交通振興バス山手線)、地下鉄(含む北神急行)を土休に利用した場合、大人1人に対して小学生2人までが無料になっており、その恩恵を受けました。

   神戸市交通局

 バスが10分ヘッド、ケーブルは20分ヘッドですが、ちょうど目の前でケーブルが上がっていきました。20分待ちは痛いですが、おかげで先頭に近いところで待てたのでケーブルで立つことは無さそうです。と、構内放送が流れ、山上道路渋滞のため山上バスのダイヤが乱れており、30〜40分の遅れだそうで、もはや引くに引けない状況、腹を括って待ちました。

 バスを2本受けた形になったケーブルカーは立客が10人程度。山上駅に着き、山上バス乗り場へ急ぐと、行列が駅舎内にまで伸びています。10分ほど待って着いたバスはすし詰めで、程なく下りケーブルが出るという案内に、乗客は小雪が舞う中を走ってました。

 降車が済むとこっちの乗車の番ですが、我々が乗る番になるとステップに足をかければ乗れるという微妙な位置、次を待てば最先頭なので 100%座れるので待とうと言ったら家内に却下され、ステップ付近で親子4人が固まりました。

 渋滞を案じての提案でしたが、ケーブル山上駅からオリエンタルホテルを経由するサンライズドライブウェイは空いており、高山植物園で県道(サンセットドライブウェイ)に合流するまで順調。しかし県道が混んでおり、結局人工スキー場分岐の先、ガーデンテラスの分岐手前で誘導員が反対車線を規制して、そのまま反対車線をガーデンテラスに入りました。

 雪が舞うというか、吹雪く中を見物し、やがて日が落ちライトアップされた氷像が輝く頃にちょうど雪雲が晴れ、眼下に煌く1000万ドルの夜景まで見れて、来たかいがありました。

 帰路のバスも立たされ、混み合うケーブルカーで降りると16系統のバスが心配でしたが、JR六甲道行きの臨時が先に出たため座って御影まで帰れました。まあどうしようもなければ、 300mほど下ると鶴甲団地からのバスに乗れるのですが、助かりました。

 

***

 六甲山上、尾根線を行く県道と裏六甲ドライブウェイが分岐する記念碑台から高山植物園の上までは2つのルートがあるんですが、今回、ケーブル経由の道はウソみたいに空いてました。ひょっとしたら記念碑台あたりで規制していたのかもしれませんが、おかげでバスも思ったほど遅れませんでしたが、記念碑台経由で運行する定期便はドツボにはまってました。こうなるとクーポンの山上バス自由周遊も意味がないわけです。山上道路の規制も、公共交通のルートが限定される(夕刻以降は有馬に下りることも出来なくなる)のでは、サンライズドライブウェイを規制するのが精一杯でしょう。

 あとはもう少しバスを増やせないものか。山上バス、市バスともにケーブル1本にバス2台程度ではキャパが足りません(ケーブルは2連で最大 200人乗り)。惜しむらくは12月で休止したロープウェイの存在。駅の位置が微妙にずれてはいますが、あればケーブル山上駅から六甲山頂カンツリーまで行き、渋滞知らずのアクセスでした。今回の「氷の祭典」のパンフにも休止の旨が書かれてましたし、山上各所にロープウェイは山頂〜有馬に短縮されていますという表示がありました。諸施設アクセスに使いづらいのは事実ですが、無くなって見ると惜しいです。

 今回はわずか3日間、特にライトアップが楽しめるのは初日二日目だけとあってどうしても観客が集中する構造になっていました。六甲山でこういう集中型のイベントは珍しいのですが、今回から得られた教訓があるとしたら、バスの続行便をもう少しフレキシブルに出すことと、もう少し大胆に一般道を規制(バスが走る時間帯だけ車道を全面的に封鎖する)しても良かったのではと言うことでしょうか。また、催し物の内容によっては、厳冬期の山上に、しかも日没後に結構な人を集められるという結果も出しており、今後の観光の仕掛にも参考になるでしょう。

 ちなみにこの区間、実は縦走路が県道に合流する前の「みよし観音」からガーデンテラスまでを結んでおり、 1kmほどかかる車道と違い 300m程度です。登山道として考えると味気ないですが、冬場でも歩けるようにこの区間だけでも舗装路と階段にするなど整備しておけば、サンライズドライブウェイと縦走路で県道と分離出来るんですが……

 

 

 

 

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