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マイレージと前割は最悪な関係でスタート
エル・アルコン 2005年 3月16日
JHのマイレージの受付が開始されましたが、前払割引との関係については最悪の結果になっています。
マイレージ登録者はJH利用においては前割からの支払ではなく、後払マイレージになるというような、期間限定割引の時のような前払と後払の併用になるのかと思いきや、前割残高がある利用者は前割から払い出すので、登録しても前割残高を使いきるまでマイレージの対象外になるそうです。
一方でマイレージを利用するために前割を停止した場合、今度はマイレージに加盟していないJH以外の総ての前割対象道路での割引が無くなるわけで、首都高速、阪神高速や名古屋高速のような都市高速に本四公団、さらには神戸市などの地方公社の利用があるユーザーにとっては、マイレージのポイントが期間限定で2倍になっても間尺に合わないでしょう。
さて、JHの高速自動車国道における通勤や深夜などの各種割引のうち、通勤割引が朝夕1回ずつと言う回数制限が付いているのに対し、ETCカードを複数枚所有して差し替えることで、本来 100kmまでの利用に限られる通勤割引を 100km未満ごとに乗り直し、差し替えることで複数回受けることが一部で流行っているようです。
今回のマイレージのルールを踏まえて、JHとそれ以外の前割対象路線で所定の割引を受けるためには、JH用とそれ以外のカードを複数枚所有するしかなくなるわけです。 実際、
では、前割とマイレージでのカードの使い分けを前提にしており、事実上JHでの割引制度における「脱法行為」の前提となる複数枚所持を推奨することになるほか、走行中などのカード差し替えと言うような危険行為の奨励にもなってしまいます。
走行中のカード差し替えについては、例えばマイレージ利用で東名東京本線を通過したクルマがそのまま首都高に行く場合、用賀本線を通過するまでの間に差し替えないと首都高の割引を受けられないことになるように、当たり前に発生します。
さらに問題なのは、名神豊中、一宮、中国道西宮山口、第二神明須磨のような併合授受、また本四や播但道、仙台南部道路といった総ての連続走行のように、JHとマイレージ不参加の公社公団の併合授受を行うケースの場合、マイレージ参加者はJHでないほうの道路の割引が全く受けられなくなります。当面はJHも前割に残るとは言え、併合授受や連続走行における取り扱いに重大な問題がある今回の制度は非常に問題です。
なお、今夏を目処に首都高や阪高も独自の後払割引制度を採用すると発表しており、マイレージとの整合が気になるところですが、
では、マイレージ還元ポイントで阪高と本四、さらに連続走行もしくは併合授受対象の各公社の利用は出来るとあり、さらに注記で「阪神高速道路公団及び本州四国連絡橋公団は、当面、ポイント発行を行いません。」とあることから、少なくとも阪高と本四はマイレージに参加することは確実です。
ただ、地方公社を含め、JHのマイレージとポイント積算が共通化するかと言う最大の問題点はまだ不明で、それ次第では「大幅値上げ」に直結するだけに予断は許しません。加えて、還元ポイントでは首都高(各高速、有料と直結)と名高速(名神一宮は併合、東名阪関係や名神小牧、伊勢湾岸道名古屋南は直結してるのだが……)利用すら出来ないとあるわけで、ポイントの共通化どころかマイレージ制度そのものとの共通化すら無い可能性が出ていることは非常に遺憾です。
これでは1枚のカードで各事業者の割引を受けられると言う現状維持はおろか、事業者別にカードを使い分け、しかも運転中に差し替えないといけないという話にならない事態を標準化しようとしているわけです。利便性や経済的メリットどころか、安全性にもかかわる話であり、少なくともマイレージは実施を見送り、ETC参加の全事業者を交えて再検討すべきです。
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