このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

 

 

高速料金のブラックボックスが明かされて……

 

エル・アルコン  2005年 4月20日

 

 

 高速道路での走行に関して、複数の経路を取り得るが、途中に検札が無い等の理由で実際の走行距離と料金計算の距離が異なるケースがあります。また、検札があっても実際には最短距離で計算されているケースもありますが、ではどんなに大回りをしても最短距離で計算するのか否か、これまでJHのサイトでは明確にそれを知る事は出来ませんでした。

 ところが今般の通勤割引、早朝夜間割引に伴い、これらの割引が 100km以内の走行に関して適用されるという条件の充足が、上記の料金計算との間で不一致を起こすケースが発生しました。

 具体的にいうと、東海環状道を介した東名、中央、名神、伊勢湾岸などの各高速道路相互間の利用です。東海環状道は一般有料道路に分類されますが、愛知万博のアクセス道路であることや、各高速道路の短絡路線としての性格に鑑み、現在の所は各種割引に関しては高速自動車国道と同等の割引を行うことになっており、かつ各JCTには本線料金所が無いため、東海環状道経由と各高速道路経由の識別が出来ません。

 このとき、例えば東名岡崎から中央道中津川まで利用した場合、豊田JCT〜土岐JCT間を東海環状道経由で利用するのが最短(90km)ですが、実は通勤割引の適用はありません。なぜならば、東海環状道の料金体系が異なるため、東名〜中央を小牧JCT経由で利用したと仮定して計算したほうが料金が安いため、料金計算上は 102.4kmの走行となるからです。

   JH中部支社

 これを示したJH中部支社のサイトの説明を読むと、これまで謎だった部分が明文化されています。つまり、実際の走行距離が最短経路の2倍を超えない限り、最短距離で計算するということ。さらに、この「最短経路」は料金計算上もっとも安くなる「最安経路」とは異なることもわかります。

 問題の 100kmルールですが、「最短経路」ではなく「最安経路」で計算されることになるということであり、この時点で充足条件を満たしていたら所定の割引を行うということになります。つまり、割引後の料金を比較して「最安経路」で計算するのではないということです。

 ちなみに、さらにややこしくしているのは、車種による料金区分の内容により、同じ区間でも車種によって「最安経路」が異なるケースがあることです。これは現在のところ東海環状道の可児御嵩ICが絡む数例だけのようですが、なんともややこしいです。

 このあたりは、JRの「運賃計算上の経路」などを彷彿とさせます。実はJRも、運賃計算と料金計算ではルールが微妙に異なるというような問題があるわけで、決して単純ではないのですが、少なくとも時刻表などにはその基本的な考え方は提示してあります。その意味で、今回中部支社が提示するまで、この「最短経路」「最安経路」や「2倍ルール」に関する事項は料金所などでも知る由が無く、事実上ブラックボックス化していたわけです。

 このあたりはその複雑な制度そのものの単純化を図るべきではありますが、百歩譲ってこういう制度を必要とするのであれば、その制度の周知をもっと簡便な方法で図るべきでしょう。特に消費者契約法などで契約条件の不告知を問われている現状でこうした実態を放置する事は問題であり、早急な改善が望まれます。

 

 

 

 

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