このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

 

 

無為愚策

 

エル・アルコン  2005年 5月11日

 

 

  5月 9日から関東大手私鉄各社で女性専用車の設定が一斉に始まった訳ですが、これに伴い東京都と警視庁、各事業者が共同で「痴漢・盗撮撲滅統一キャンペーン」を同日から20日まで始めました。

   「緊急治安対策本部」キャンペーンHP

 これは気合いが入っているな、と一瞬思うところですが、よく考えると、こうした統一キャンペーンや対策を今回初めて打つと言うのはどういうことでしょうか。関係各署の対策がどうしてもうまく行かないがゆえの緊急避難としての「女性専用車」という認識だからこそ、これにより直接のデメリットを被る男性利用者の多くがこの理不尽な「男性差別」を甘受しているはずです。

 しかし、実態は、自治体も警察も事業者もバラバラな行動は取ってはきていても、今回のような本腰を入れた対策、しかも警官警乗など「王道」の対策をこれまでしてこなかったことが白日の元に晒されたわけで、女性専用車設定の必然性を根本から疑わせることになります。

 これでは今回の性急な導入は、本来まず取るべき対応を怠って来た関係各署が、そのツケを男性利用者に回した以外の何物でもなく、治安維持機能(皮肉にも上記のリリースは都の「緊急治安対策本部」のものです)の欠落の責任を性差別まで伴う形で市民に転嫁したという二重の問題ということを指摘したいです。

 

 

 

 

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