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案内は流れを重視して



エル・アルコン  2006年 8月22日





 そもそも国道は指定される時に番号順でしたから、1982年の指定までは重複区間があってもそれなりに考慮されており、起終点で被ることがあっても基本的に番号が途中で消えるようなことはありませんでした。ところが1993年の指定では、既存国道の延長や付け替えが行われたため、若い番号の国道が後から先任である老けた番号の国道を襲うケースが多発しました。

 Tomさんが指摘されているケースの大半はこのときに発生しており、例えばR121は栃木県今市市(現日光市)から福島県会津若松市を経て山形県米沢市に至ってましたが、途中の福島県下郷町から会津若松市までの区間につき、これまで茨城県水戸市から福島県須賀川市を経て郡山市に至っていたR118が須賀川から峠を越えて下郷に至り、会津若松までと指定されています。(同時にR121は今市から栃木県益子町まで延長されている)

 この時、R121にとっては真ん中の下郷町から会津若松市までの区間が重複となりましたが、当初は重複表示をしなかったため、長年R121だった会津鉄道に並行する区間が一夜にしてR118になったのです。さすがに会津西街道=R121として定着してきたルートの変更は気が咎めたのか、R118を示す「おにぎり」の下に「旧121号」の補助標識を付けてましたが、重複表示になって解消したようです。

 なお起終点付近での重複は表示不要と言うのは同感です。重複は基本的には前後に独立区間があるケースに限定したいです。

 あと、国道の表示に関して望むことがいくつかあります。



●「国道」にこだわった案内も見直しては

 歴史的経緯からか、国道に指定されているルートが必ずしもメインルートではないケースも多いです。ご指摘の白山通りもそうですし、都心から第二京浜(R1)に向かうとき、桜田門から赤羽橋、慶應義塾を経て白金までトレースするルートをR1とする意味があるのでしょうか。神戸市内のR2も、春日野道駅付近からメリケン波止場付近までの間、浜側の大通り(浜手幹線)でも、三宮駅前からまっすぐ浜手に下るフラワーロードでもなく、ポートライナーの高架下の裏通りが指定されていますが、そういうルートに杓子定規に国道表記を付けずに、本来通るべき大通りに国道表記を補助的に付けたほうがいいでしょう。

 また、状況に応じた指定の変更もすべきであり、「酷道」マニアには有名なR418の岐阜県恵那市内の区間のように、半ば廃道と化している区間を後生大事に指定しているのはその典型です。地図の中には図上で国道になっていればそのまま何も考えずに転記しているものもあるわけですし。



●都道府県道との重複も考えたい

 もともと国道は都道府県道からの格上げというケースが多いのですが、1982年や1993年の指定では、都道府県道名や番号がある程度定着した段階での「格上げ」になっています。この時、国道と重複区間を持つ都道府県道の中には、相当区間が国道と重複するため、あたかも分断されたような格好になっているケースも多いです。重複区間がもともと国道に指定されたルートのほうが重要であれば弊害も無いのですが、どちらかというと分断された都道府県道側のほうがメインルートと言うケースも多々あるわけです。しかし、こういうケースでは今でも国道との重複区間は国道としての表記になっており、「お馴染みの」都道府県道の番号は消えるのです。

 こうした例としては、千葉県道57号線(千葉市美浜区〜習志野市〜船橋市〜鎌ヶ谷市〜松戸市)で、鎌ヶ谷市初富から椚山までのR464重複区間や、同じく千葉県道8号線(船橋市〜鎌ヶ谷市〜柏市沼南町〜我孫子市)とR464の鎌ヶ谷市内での重複区間。また広島県道25号線(三原市〜世羅町〜府中市上下町〜神石高原町〜庄原市東城町)とR432の重複区間などがあります。

 これらのケースは、千葉の場合はそもそも、高規格道の北千葉道路として整備される予定のR464の松戸市〜鎌ヶ谷市の未整備区間につき、無理やり既存道路をつないだことで、そのルートを借用した県道57号線、8号線が「乗っ取られた」ものであり(県道57号線から県道8号線に「乗り換える」区間では右折禁止の交差点を経由するためR464として連続走行が出来ない)、また広島の場合も、既存県道を辿って島根県松江市から広島県庄原市を経て竹原市までの陰陽連絡ルートとして指定した際に、県道25号線を「乗っ取った」ものです。特にこのケースは府中市上下町から世羅町甲山まで約20kmにわたって「三原東城線」が消滅しています。

 どちらも国道のルートを「一つの街道」とするには無理があるうえに、県道側のほうが「一つの街道」として認識されていただけに、県道側を利用する人への配慮としても都道府県道との重複表示と言うものを考えてもらいたいです。





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