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ピタパの見えない制約





 エル・アルコン 2006年11月24日




2006年7月1日から山陽電車、神戸高速、神戸新交通でもピタパの利用が始まりました。
チャージが不要なポストペイ方式とはいえ、クレジットカードの審査が必要と言うことで、当初利用が伸び悩んでいましたが、ここに来て利用エリアの拡大やピタパ定期券のスタートなど、利便性が向上するにつれて、駅の自動改札で「ポストペイ」の表示を目にしたり、独特の低めのチャイムを耳にする機会が確実に増えています。

さて、7月に始まった山陽電車の各駅に気になる掲示が出ています。
ピタパ(およびイコカ)と磁気乗車券類の併用は出来ないという、これはどのIC乗車券類とも共通する注意とともに、山陽電車各駅から神戸高速、阪急電鉄を経由して、天神橋筋六丁目から大阪市営地下鉄、もしくは川西能勢口から能勢電鉄との間でピタパで乗車した場合、ピタパでの精算は出来ず、現金で払ってもらう旨の注意です。

山陽電車の掲示


このケース、中間改札が無いためそのまま乗車できるケースなのですが、神戸高速を介して阪急、阪神までの3社には対応しても、4社目には対応できないと言うことです。
磁気カードでも4社は無理なようで、特殊な利用ではありますがかつて神戸市内で神戸高速、神戸電鉄、北神急行、神戸市交通局と乗ったら受け付けてもらえなかったことがあります。

ちなみに関東のパスネットでは4社まではOKという話ですが、これは通常考えうるケースでは、都営地下鉄もしくは東京メトロを介しての中間改札抜きでの連絡は4社におさまる(北総〜京成〜都営〜京急。埼玉高速〜東京メトロ〜東急〜MM線など)ため、よほど特殊な乗り方をしない限りおさまるようです。

では関西のピタパ、というかスルッとKANSAIエリアはどうでしょうか。
神戸高速を介する山陽、神鉄、阪急、阪神の3社連絡、もしくは北神谷上を経由する神戸市交〜北神〜神鉄といった3社連絡はありえます。
理論上は神戸市交〜北神〜神鉄〜神戸高速〜阪急〜大阪市交〜近鉄(ゆめはんな)の7社連絡が最大ですが、神戸市内でループするこんな経路を辿ることは通常では九分九厘ありえません。

ですから山陽各駅に掲示されている4社連絡も非常識な乗り方、というと、これは状況を異にします。
大阪市交への直通は、梅田から乗らずにわざわざ淡路を回ってということは考えにくいものの、堺筋線各駅に行く場合、乗り換えが増えるケースが多く、十三、淡路の乗り換えだけを選択するケースは非常識とはいえません。

さらに能勢電鉄への直通ですが、山陽沿線から能勢妙見山観光、また能勢沿線から須磨や明石、姫路観光が無いとは言い切れないわけです。
また、4社連絡という意味では、今秋も発売されている「有馬ジョイフルチケット」や「有馬温泉 太閤の湯クーポン」のように、能勢電鉄〜阪急電鉄〜神戸高速〜神戸電鉄の中間改札が無い4社連絡を前提にした企画券が発売されています。(新開地経由指定)

神戸電鉄は来年度にピタパ利用が可能になりますが、4社連絡は利用不可ということであれば、企画券を出して誘致している利用パターンの否定です。現在利用できない山陽電車との間の場合も、能勢電鉄沿線から有馬温泉まで十三、新開地経由で迂回する(本当なら宝塚から阪急バスが早い)よりは、よほど素直な利用パターンでしょう。

この制約はスルッとKANSAI、山陽電車、能勢電鉄のいずれのサイトでも案内されておらず、その点でも不親切なんですが、まずあり得ないレアケースとも言い切れない4社連絡については、利用可能にすべきかと考えます。







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