このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください





北千住リムジン試乗記



エル・アルコン  2008年 2月19日





■日曜夕刻に試してみる

 私も北千住リムジンを試してみました 先日、所用で上京する機会を得ましたが、時間等の関係で神戸−羽田の空路を選択しました。ちょうど東京東郊での所用だったので、帰りの航空機へのアクセスは和寒さんが継続的に試されている北千住リムジンを少し回り道になるが利用してみました。

 和寒さんの利用パターンを記事から拝見すると、早朝の羽田行き、夜更けの羽田発に偏重しているようですが、神戸空港に戻る私が利用したのは北千住17時40分発。実はもう少し遅くてもいいんですが、これが「最終便」ですから仕方がありません。

 結論からいうと乗客は私を入れて 8人。私も航空利用客ですが、本来ならほかのリムジンか交通手段を使うので有目的利用客とはいえないでしょうね。微妙な数字ですが、まあ一部を除いて主要地方空港への最終便に間に合う時刻ですからそこそこという見方ができる反面、日曜日の最終便(近くの便)でおそらく居所に戻る起点が北千住近辺もしくはそこからの沿線という流動が 7人もいるというのは予想外ともいえます。

 面白いのは10分少し前に入線した際には 2人しか乗ってなく、あとは発車間際に続々と現れたこと。リムジンは意外と時間に余裕をもって待つことが多いように見受けられる中、都心の電車を利用するように発車時刻をにらんでの乗車が目立ったのは、勝手知ったる「お馴染みさん」が多いということでしょうか。中には下宿先に帰ると思しき青年が父親と別れる様子もあり、地味なリムジンにもドラマがあるようです。

 バスは京急車。12列で補助席込み60人乗りと輸送力主義。ドアはスイングドアではなく折戸で、横浜駅行きあたりとの共用でしょうか。Pasmo、Suicaが使えるのは目新しかったですが、大半は現金乗車。回数券乗車もいました。

 定刻にバスは発車するとR4に出て、隅田川を千住大橋で渡り、しばし進んで入谷から首都高へ。この時点で17時51分。専用レーンに誤侵入しているのを目ざとく見つけて兼用レーンに回り込み、上野通過が52分、秋葉原を53分、江戸橋を55分と順調に進みます。浜崎橋通過は59分、渋滞がなく、レインボーブリッジからは薄暮の摩天楼が輝く様がきれいでした。湾岸線に入ったのは18時 3分。特に飛ばしているでもなく、第Ⅱターミナルに着いたのは18時11分で 6人下車。そのまま第1ターミナルへ、と思ったら、一回地平階に下りて一周する形で第Ⅰターミナルに向かうため、到着は16分とかかりましたが、それでも36分、15分近い早着です。

 定時でも50分、走れば30分台と言うのでは確かに鉄道の出る幕はありません。鉄道との価格差もコーヒー代程度ですし、まさに時間と快適さを買うという感覚です。乗客数は和寒さんのルポと合わせて考えても、葛西リムジンのように満席お断りということはない微妙な乗り具合ですが、それがため却って「まず乗れる」という安心感を利用者に与えているようで、それが北千住での発車間際の乗車につながっているのでしょう。

 ドル箱とはいえないのかもしれませんが、事業者的に採算は取れているのであれば、信頼性が高い、かつ顧客満足度の高い路線として良い存在になれる路線かと思います。





■平日夕刻に試してみると

 またまた上京する機会があり、しかも前回同様東京東郊が目的地だったため、これ幸いと北千住リムジンの「羽田行き最終便」に再度チャレンジしてみました。今回は平日。前回が日曜日ですから良い比較にもなる、と考えて北千住に降り立ったのは17時半前。バス乗場に移動すると、そこそこの列が見えますが、どうも花畑団地行きの行列。前回はこの時間帯にはすでに据え付けられていたわけですが、今回は影も形もなし。

 やがて定刻の17時40分になるのですがバスは来ず、乗り場を共用する路線バスが発着していきます。ようやくバスが現れたのが18時少し前。10人強の乗客が降り立ったバスに乗り込むと、「時間がかかりますが大丈夫でしょうか」と運転手に聞かれました。夜の神戸行きなので、 1時間以上遅れない限りまず大丈夫なので大丈夫と答えましたが、聞くと銀座付近がかなり渋滞しているようです。羽田発のダイヤを見ると到着は17時20分ですから、約40分の遅延。所要時間は95分ですから、実質の所要を考えると小一時間遅れた感じです。

 私を含めて 2名を乗せて18時に出発。前回とうってかわってR4へのアプローチも混み合い、R4に入ってからも下り線ほどではないにしろ混んでおり、入谷入口まで14分かかっています。下り線は特に大関横丁を先頭に入谷出口付近まで激しく混んでおり、このあたりも首都高と並んでの不安要因でしょう。

 首都高に入ると順調。渋滞表示は新富町→三宅坂8km45分の表示。おそらく汐留で3車線になるまでの辛抱ですから、運転手が言うほどのことはなさそうです。江戸橋通過は18分、内回りは箱崎方面を先頭に動いておらず、渋滞の最後尾は汐留付近。渋滞の中に北千住行がいましたが北千住18時半着の便でしょうか。ここから通常でも20分程度かかるわけで、江戸橋までと大関横丁を考えたら、所要65分はどこまで膨らむのか想像が付きません。

 銀座の入路付近から渋滞につかまりましたが、ノロノロながら進んでおり、汐留で車線が増えると流れ出し、浜崎橋は26分の通過です。芝浦JCT上りは毎度の渋滞ですが、羽田線の右車線はかろうじて流れており、羽田発が大井連絡線経由で羽田線にスイッチする効用は高いようです。

 台場線に入ると湾岸線関係の情報も出てきましたが、中環千住新橋で事故のようで、その渋滞が湾岸線の臨海副都心(旧13号地)まで伸びています。こうなると都心環状線も向島線経由で伸びてきた渋滞かも知れず、湾岸線から台場線下りにでも伸びてきた日には、一つの事故でリムジンの上下線ともが影響を受けてしまうことになるようです。

  2人とも降車が第Ⅰターミナルであることを確認すると、第Ⅱターミナルは出発階に入らずそのまま地平からダイレクトに第Ⅰターミナルに向かいました。第Ⅰターミナル到着は40分。定刻からは 5分遅れになっており上出来です。

 とはいえ平日夕刻の都心縦貫はかなりリスキーであることも事実です。下手をしたら 2時間コースというのはトイレなし車両とあいまって信頼性を大きく下げます。今回北千住で20分遅れというのも辛かったのですが、始発ターミナルでありながら情報がないため、いつまで待つか、見切るかの判断もつかないのは困惑や不安を誘うだけです。バスは無線で情報のやり取りをしてますが、それを停留所にフィードバックできる体制が望まれます。





※ブラウザの「戻る」ボタンでお戻りください





このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください