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運転士の収入試算



タクドラ  2007年 5月21日





 TAKAさま、いつも楽しく拝見させてもらっています。ここは交通に特化した問題提起を取り上げているのが、面白いと思います。

 さて、タクシードライバーの年収の件ですが、東洋経済社の40歳時の年収データですが、タクシーという職業は都会ほど年収が上がり、田舎ほど年収が落ちるという傾向が非常に強い産業です。私は東京の隣の神奈川のドライバーですが、年収300万円には及びません(これでも営業所ではトップクラスの成績です)。どこのタクシー会社も、歩合給で大体売り上げの半分が運転手への支給になります。そこで、次のことから、色んなことが分かってきます。

  1.タクシーは、昼間一時間当たりの進める距離は、殆ど一般車と同じで、都心だと約20kmくらいである(信号待ちなど色々勘案した私の経験です)。
  2.この条件を考えると、ワンメーター客(2km)を送っていって、帰ってくると4kmで、その予想所要時間は約12分である。
  3.駅にお客が並んでいる状態で、すぐにお客さんを乗せられる状態だと、とりあえず全てのお客さんがワンメーターだとすると、五回/時間ということがいえる。

 計算:660×5=3300円。ここから消費税を引いて、その半分が考えられる予想時給となる。

 よくタクシー運転手は「近いお客さんを嫌がる」という傾向がありますが、駅に客が並んでいる状態だと効率MAXに近く、嫌がる運転手はいないと思います。そして、効率MAXに近い状態でも時給1500円程度の仕事だということが分かります(現行歩合給制だと)。

 これらを全て踏まえると、東洋経済社の「タクシー運転手 → (時給)1521円 (年収)368万円}が、怪しいデータだと思えないでしょうか? 更に、私は先ほど歩合給は半分くらいだといいましたが、ノルマに行かないと三割くらいになることを考え、また車庫に戻ってから、洗車と帳簿〆をしなければならなくて、当然売り上げ無しで一時間以上かかるわけで、これらを換算すると、時給1500円には行かないのだと思います。現に事務所に労基署から電話が来て、「○○さん最低時給にいってないので払うようにして下さい」との電話がありました。

 ちなみに私の会社はタイムカードがありません。何故だかはご想像にお任せしますが、現況はこんな感じです。以上、現役タクシー運転手から見たものですが、皆様のお役に立てれば幸いです。





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