このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

 

 

桶川市べにばなGO!探訪記

 

とも  2004年 9月13日

 

 

 先日、ふと思い立って?埼玉県桶川市に行ってきました。桶川に何しに?というところですが桶川市のコミュニティバスがなかなかの好事例と聞いていたので、そりゃどんなんだろう……と思い、行ってみたということです。

 赤羽から快速に乗ること30分。改良工事真っ最中の桶川駅に着きます。改札横にバスの時刻表。おっと早速ながらも良いアイデア。こりゃ迷いません。でも、その時刻表を見ると……ん??この本数は……。

 やや疑いつつ、駅東口のバスプールへ。マニアには有名らしい朝日バスのターンテーブルの奥に、3台のバスが止まっておりました。その姿を見て、「あら?ただの田舎向け市内循環バスじゃん……」というさらなる疑念が。ルート図は複雑。市内循環バスにありがちなクネクネルートなのが見て取れます。

 

 ところが、そんな疑念を抱きながら、東循環のクセニッツに乗ってみて、率直に驚きました。その工夫には降参です。見事です。
    桶川市HP

 このコミュニティバス。基本的には市内循環路線ですので当然市内外縁をただぐるぐる……と思いきや、ルートの工夫がされています。桶川駅を起点に市の外縁(市域)を回るルートと内側(市街化区域)を回るルートを設定。それぞれのルートを半分ずつ重ねた循環の3パターン(つまり途中で外から内にスライドするような系統がある)を設定。これにより駅アクセスとしての機能を確立しています。

 さらに、これらのバスを桶川駅をターミナルにしてタイムドトランスファー(同時間帯に路線を集約させる)と乗り継ぎ制度を実施し、長くても15分程度で乗換が可能です。東西を連絡する通路は跨線橋ですが、その労は必要なく、循環便が東西を結ぶように走っており、これも乗り継ぎ券で乗れます。

 各路線1時間1便という低頻度ながらも、高崎線の乗り継ぎに配慮したダイヤ、あるいは乗ってしまえばそれなりに動けるダイヤとすることで実質的な待ち時間を軽減するなどの工夫はなかなかです。

 

 参考文献(※)によると、既存バス事業者(朝日・東武)と揉めたようですが、それを逆手にとって公共施設の目の前まで上手く回るようにすることでラップを少なくし、さらに意味のない迂回も少なくすることが出来ており、なかなか感心できます。
   ※桶川市内循環バス「べにばなGO」発車(桶川市)交通工学2001.9

 さすが、ムーバスを参考に視察したものの「ムーバスは特殊例」と割り切って検討しただけのことはあります。桶川の地域の実情にマッチしたバス路線網です。団地や新興住宅地〜駅間は高頻度というのもなかなか興味深い戦略です。

 

 バス事業者の持っている、あるいは学んでいるノウハウを強く出している点も興味深く、足立と武蔵野の中間といわれる点が納得できました。

 桶川の場合には市が委託する路線ではあるのですが、市ではルート、バス停位置を決めてプロポーザルを行い、応募事業者に運行形態の提案の競争をさせて契約者を決めるというやり方をしたようで、路線などの公共マターで決めておく方が無難な点を行政が、サービスなどを民間がという方式はなかなか興味深いものです。

 なお詳細については、手前味噌ながら 「交通とまちづくりのレシピ集」 を御参照ください。

 

 

 

 

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