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バスの評価をどう捉えるかで答は変わる



とも  2005年12月19日





 私は未だにTXに乗ってないので、語るべからずなのかもしれませんが……。



○想定外か想定内か

 TX開業以前のつくば線で主たる乗降のポイントはつくばセンターではなく、並木周辺です。守谷線は南守谷と新守谷です。ですから、TX利用の場合フィーダーの必要な場所ということになります。これら地域の現状の流れを勘案するとTXに向かうメリットは小さくなり、ある一定量の転移しか生じないと考えていました。

 では、開業後はどうか。確かにTX開業後にフィーダーバス路線の再編や関鉄のダイヤ改正が若干行われていますが、それだけではちょっと説明が難しいです。つまり、想定外の事象が何か起きているということになります。



○引導を渡したのはTXではない?

 高速バスに対して引導を渡したのはTXと考えるのは簡単ですが、本当にTXが全てなのかという点に疑問が残ります。先の事例通り、並木や南守谷周辺の利用者がTX駅に出てというのはあり得る行動ですが、直行・快適な高速バスがそこまで衰退するにしては、そのストーリー展開に若干の疑問が残ります。TX1路線で利便性の高い高速バスが一気に衰退するとはちょっと考えにくい。なにかもう一つぐらいの要因が無いと、利便性の天秤でバランスが取れません。

 そこで考えられる存在が「常磐線」です。特快を柱とする速達化。これこそが高速バスに引導を渡したものとも言えなくはありません。言い換えれば「相乗効果」です。関東鉄道の快速取手行きも、取手ならば普通はTXではなく本数も多い常磐線でしょうから、あえてTX誘導ダイヤを南側にする意味はありません。むしろ、常磐線のスピードアップにより、常磐線へのアクセス短縮も必要となり、フィーダー鉄道である関鉄としては取手の強化もプラスになると言う経営判断があったと考えることも出来ます。

 つくばに関しても、バス路線再編において、JR駅を見捨てるのではなく両駅を結ぶ路線に変化させている例も見られます。ということは、引導を渡したのはTXと常磐線の改善という考え方も出来ます。



○かといってバスは玉砕ではない

 1便あたり15〜20人というと採算ラインはクリアしている状態です。高速バスの採算ラインは一般的に12〜15人程度と言われ、激安便でも18〜20人程度で採算が取れます。つくば線は運賃は決して割安ではなく(むしろ今までが割高)、決して激安便ではないですから採算は確保されていると言えます。バスは減便こそしているものの、まだ採算に乗っているラインであるといえます。

 ですから、玉砕したというレベルではなく、縮小均衡という次元かも知れません。とすると、考え方によっては3者が上手くバランスを取って存在しているといえます。また、バスなりの特色を活かし、埼玉つくば線の開設なども行われています。

 バスをどう評価するかですべてが変わってくるともいえるだけに、難しいところではありますが、もうしばらく、評価としてはあと半年は状況見ないとならないと考えます。





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