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バスにおける定時性の不安



かまにし  2007年 4月12日





 和寒様と赤い砂兎様から問題提起のあった「空港アクセスバスが空港アクセスの主流にならない理由」ですが、おそらく既にお二人からご指摘があったかと認識しておりますが、私も「フリークエンシー」と「定時性」の2点に尽きると思います。そして1つ付け加えるならば、この「フリークエンシー」と「定時性」という2つの要素について、他の地方空港と羽田空港とでは大きく状況が異なることを指摘できると思います。

 羽田空港は航空機発着回数は約28.5万回(2004年度)、航空旅客数は約6,229万人(17.1万人/日・2004年)にものぼる日本随一の空港で、この発着規模は世界でも4番目(2006年)となっております。羽田以外の世界トップ5の空港が、いずれも国内線と国際線双方が乗り入れるハブ空港となっていることから考えると、基本的に国内線のみの羽田空港が世界トップ5に入るということは極めて異例であることが伺えます。

 一方で航空機という乗り物は、新幹線をはじめとした鉄道と比べると、定時性が良いとはいえない点が挙げられます。実際に航空機では、上空の気流の方向や強弱によって所要時間が5〜10分は簡単に前後してしまいます。ひどいときは30分くらいの延着もあるわけです。これに加えて着陸してからも、空港ターミナルにおけるゲートの位置が変更されることも多く、特に羽田空港のような巨大な空港では、どのゲートになるかによって降機から外に出るまでの所要時間も大きく変わります。

 もちろん上で指摘した2点は、他の地方空港においても状況は変わりません。しかし地方空港では仮に飛行機が5〜10分早着・あるいは遅延したとしても、空港アクセスバスはこれらの便の到着を待って発車する等、柔軟な対応が可能ですし、実際にほとんどの地方空港の空港アクセスバスではこれをやっていると思います。しかし羽田空港では膨大な便数の飛行機をさばいているがゆえに、これができないわけです。

 空港アクセスバスの場合、仮に1便バスを乗り過ごしてしまうと、1時間くらい待たなければならないことはざらです。特に夜間に羽田空港に到着する便を使う場合、「羽田でさらに1時間も待つくらいなら、モノレールか京急でさっさと帰ろう」と思うのではないでしょうか。しかし逆に言えば、空港アクセスバスでも例えば羽田空港〜横浜線のように、10分間隔でひっきりなしに運行されているケースというのは、やはり鉄道に対して強いアドバンテージを有しているのだと思います。

 上記の場合は、基本的に首都圏からの復路を想定したものですが、往路の場合はやはり都心部を経由することによる定時性への不安を挙げることができると思います。しかし通常、早朝などは都心といえども比較的空いているので、復路よりは競争力が高いのではないかと考えます。





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