このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

 

 

サービス充実はいいけれど……

 

KAZ  2005年 6月 6日

 

 

 先日仕事の関係で神戸市バス・地下鉄を乗り継いで利用することになったのだが、その際に乗り継ぎ制度やカード乗車券類を調べ、その数と複雑さを改めて認識した。いくらサービスを充実させるためとはいえ、これは複雑すぎはしないだろうか。

 

<カード乗車券類>

 ●市バス地下鉄共通NewUラインカード

   ・利用路線 : 神戸市営交通全線
   ・プレミア : 有(2000円以上のカードで約6.3〜7.4%・1000円券は対象外)
   ・乗り継ぎ : 割引あり(市バス〜地下鉄間で20円引き・バス〜バスは適用外)

 ●スルッとKANSAIこうべカード

   ・利用路線 : スルッとKANSAI加入各社局線
   ・プレミア : なし
   ・乗り継ぎ : 割引なし

 ●市バス専用カード

   ・利用路線 : 神戸市営バス全線・明石市営バス
   ・プレミア : 有(約10%)
   ・乗り継ぎ : 割引なし

 ●市バス昼間専用カード

   ・利用路線 : 神戸市営バス全線・明石市営バス
   ・プレミア : 有(約30%)・4000円カードは神戸市バス普通区(垂水区内を除く200円均一区間)専用
   ・乗り継ぎ : 割引なし

 ●市バス乗継専用カード

   ・利用路線 : 神戸市営バス全線
   ・プレミア : なし
   ・乗り継ぎ : 割引あり(市バス〜市バス乗り継ぎに限り100円・市バス〜地下鉄は適用外)

 

 この他にも「市バス専用1日乗車券」「市バス専用2日乗車券」「市バス地下鉄共通1日乗車券」「地下鉄専用1日乗車券」「市バス地下鉄共通ノーマイカーデーフリーチケット」があり、カード型乗車券を合計すると10種類、それぞれ目的が細分化されている。フリー券類はともかくとして、一般的なプリペイドカード類が 5種類もあり、それぞれ役目(利用制限?)があるというのは「やり過ぎ」ではないだろうか。

 また 乗継割引制度 があるのはいいのだが、実際には市バス〜地下鉄は「市バス地下鉄共通NewUラインカード」のみ、バス〜バスは「バス乗継専用カード」と、それぞれ専用カードが必要となるのも煩雑・不親切で、この制度の定着を本気で考えているのか、いぶかしんでしまう。

 これに対し、同じ関西エリアでスルッとKANSAI加入の大阪市交通局では、乗継は支払方法に関係なく適用され、カード類も普通乗車券相当の「レインボーカード(スルッとKANSAI)」・回数券相当の「回数カード(1割のプレミアあり)」ともに乗継割引対象なので非常に分かりやすく、カードも汎用性の高い2枚を用意するだけで済む(バス専用昼間割引回数券は紙式)。

 京都市交通局は、券種こそ神戸市並に多いが、トラフィカ京カードがあればバス〜地下鉄・バス〜バスともに乗継割引が適用され、3000円券であれば1割相当のプレミアも付くので、市域外との共通利用を考えないでいい場合は「万能カード」として非常に分かりやすい位置付けになっている。これらと比べても神戸市の煩雑さと分かりにくさは突出しており、改善の必要性を強く覚えた。

 神戸市として様々な利用促進策を練り、実行することは良いことだと思うのだが、全体として見て利便性より煩雑さが目立ってしまえば逆効果にもなり得るはず。また大阪・京都と違って市域内に複数の事業者が乗り入れ、また生活圏の異なる西神・北神地域を抱えていることなど調整箇所は多くあろうかと思うが、もう少しスマートにできないものだろうか。

 

 

 

 

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