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果たす役割は大きいのだけど……
KAZ 2006年 4月12日
早朝から深夜まで、都市間だけではなく行楽地への足として、また片道100キロを超える中距離輸送もこなす「万能列車」として高い利便性を持ち、JR西日本のイメージリーダーとしても大活躍する「新快速」ですが、その「役割」について思うことをつらつらと……。
○行楽客と通勤客の輻輳
私が通勤に使っている時間帯は、大阪駅着が 9時前後となる上り列車で、そのまま進むと京都に 9時半〜10時前、滋賀県内のほぼ全域に昼前までに着ける形となっており、通勤ラッシュの終盤と行楽客の出だしが重なる時間帯になっています。実際に各駅では、普段鉄道に乗りなれていないと思われる行楽客がスシ詰めの車内を見て辟易したり、ラッシュ時間帯の利用方法に慣れていないせいもあり車内流動を阻害することとなってしまっていたり、通勤利用者も行楽利用者もお互いに「気まずい」雰囲気になっていたりします。
夕ラッシュの時間帯でも、滋賀県内を16時台前半に出た列車が大阪・神戸に着く頃には夕ラッシュに差し掛かっており、滋賀県内では余裕のあった車内に安心して盛り上がっていた行楽利用者が、突然の通勤ラッシュに戸惑っていたり、通勤利用者も雰囲気の違う利用者に面食らったりしています。
○終日にわたる混雑
日中となれば大抵の路線では利用も落ち着き、着席定員程度の混雑率が当然となっている関西圏において、新快速だけは「別格」の利用率を誇り、京阪神間では着席どころか通路にまで人が入り込む乗車率になることも珍しくありません。この時間帯では遠方からの観光客や出張などで来訪したと思しき利用者もあり、大きな荷物の取り回しに気遣っている場面も見受けられます。本来なら快速列車も含めた列車選択ができれば良いのですが、快速と新快速で速度差が大きく、快速へ分散する動きは見られません。また快速も末端部での輸送量を勘案したのか短編成 (6両)での運行も見られ、新快速以上に混雑することもあるため「混雑回避列車」としては期待できない、という事情もあります。
上記のような状況は、行楽期や新年度といった特定時期だけではなく通年にわたって見受けられる状況だけに、気になっています。
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上記の問題は、気軽に乗れる高速列車が高頻度で運行される、という「非常に高度なサービス」を支える土俵ともなっていることは否めず、安易な非難・否定はできないと思います。しかし、不都合が生じていることも事実であり、何らかの回避策を検討することは必要なのではないかと思われます。
◇行楽・ビジネスユースの特急・新幹線誘導
在来線を走る優等列車としては北陸方面への特急がありますが、列車設定の基礎となる北陸方面への利用者が多くあり、都市圏利用者を取り込めるだけの余裕はなさそう。西方面へは京都〜姫路(上郡)間で鳥取方面への特急がありますが設定本数が少なく( 2時間に 1本程度)、また列車設定時間が京阪神都市圏輸送には使いにくい時間なので誘導は難しそうです。
新幹線は、大阪・神戸・明石の駅位置が市街地から乖離しているため使いにくく、対京都においては東海道新幹線の混雑もあって誘導は難しい様子。
◇座席提供サービス車両の設定
首都圏で行われている普通列車へのグリーン車連結や、JR東海が行っている座席定員制のライナー列車の運行などもありますが、新快速と快速で使用車両を共用していたり、ラッシュ時の増結車の連結位置を揃えにくいことからグリーン車の連結には支障も多く、慎重な検討が行われているようです。ライナー列車の運行についても、車両を転用できる特急列車等の設定自体が少ないため特急車使用のライナー列車は現在は行われておらず、また専用車両を用いる形での設定も、費用対効果を考えると厳しいと判断しているのか、現在は行われていません。
などと色々考えてはみるものの、突き詰めて考えれば好調な行楽・ビジネス利用を支えるものが新快速の持つ上記の「利便性」なのであれば、いくら回避策を用意しても利用されない事態も考えられ、頭の中で堂々巡りをしてしまいます。
高度な都市圏輸送サービス列車として、また観光・中距離輸送も兼ねる「カテゴリーキラー」をどう評価すべきなのか、皆様のコメントなどが頂ければ幸いです。
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