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武蔵小杉関連……果たして意義があるのか
Philippe-Alexandre de Rosenbourg 2005年 4月15日
JR横須賀線の西大井〜新川崎間に「武蔵小杉」駅の設置が決定したようです。また、川崎縦貫鉄道についても、新百合ヶ丘〜元住吉という計画を改め、東急東横線との接続駅を武蔵小杉に変更する方向で検討が進められているようです。
実は僕は学生時代、武蔵小杉から程近い日吉に住んでいました。当時はまだ目黒線が無く、当然南北線・三田線との直通も無かった(目蒲線として目黒〜蒲田間で運転)こともあり、目の前を通過する横須賀線を恨めしく見て「横須賀線の駅があればなあ」と思っていたことを覚えています。そういう意味で、横須賀線に武蔵小杉駅が設置されることには、個人的には嬉しさを感じていることは事実です。
また、川崎縦貫鉄道についても「(朝晩の急行は別にして)普通列車しか停まらない元住吉より、特急停車駅の武蔵小杉で東横線に接続すれば良いのに」とも感じておりました。まして横須賀線が武蔵小杉に停車するようになれば、この武蔵小杉での接続というのはそれなりに合理性も伴うだろうと感じています。
しかし、当時であればともかく、果たして現在において横須賀線の武蔵小杉駅に意味はあるのか、また川崎縦貫鉄道を武蔵小杉に持ってくることについて意味はあるのか、疑問無しとは致しません。
まず、横須賀線について。現在、武蔵小杉から東急線を使うと、南北線〜三田線直通列車で三田・大手町駅に行くことができますし、また将来は東横線も渋谷から東京地下鉄13号線に直通して新宿三丁目・池袋まで直通するようにもなります。当然、下り列車で横浜にも行くことが可能です。
武蔵小杉から横須賀線で行ける場所はどこか。品川・東京駅、また湘南新宿ライン列車であれば渋谷・新宿・池袋駅、下り列車ならば横浜駅……。これらは全て東急線でも行ける(ようになる)場所ばかりです。確かに武蔵小杉駅南部地区の開発が都市計画決定されてマンション・商業施設などの建設が予定されており、現在よりも需要が増えることは間違いありませんが、それでも東急線のほかにもう1本の路線を設けるほど、需要が増えるのでしょうか。
東急線がほぼ並行しているというのに、少なくとも現在の横須賀線・湘南新宿ラインの列車本数ではほとんど意味が無いのではないか、と感じてしまいます。増発すれば使いやすくはなるでしょうし、駅が少ないJR横須賀線にはそれなりに意味があるかもしれませんが、それでも東急とほぼ並行することになる横須賀線の武蔵小杉駅設置については、どのような意義があるのかぴんと来ないというのが正直なところです。
一方の川崎縦貫鉄道について。こちらは、武蔵小杉接続自体は決して悪くないと思います。先にも申しましたとおり、元住吉には普通列車しか停まりませんから、特急停車駅の武蔵小杉に接続したほうが乗り継ぎなどは便利でしょう。横須賀線・南武線との乗り換えも便利です。元住吉駅の利用もかなり多く無視できないレベルとは聞いておりますが、武蔵小杉から一駅ですから、東急線に乗換えてもらうことでの解決も可能でしょう。
しかし、川崎縦貫鉄道自体の計画を考えると、武蔵小杉接続というのはやはり疑問が残ります。ここから川崎までさらに延伸し、ゆくゆくは羽田空港アクセスの役割をも担うとすると、武蔵小杉〜川崎間で南武線とほぼ並行してしまいます。南武線に直通してしまえば話は別ですが、仮に川崎まで延伸するとすれば武蔵小杉以南が二重投資になってしまいかねません。そういう意味では川崎縦貫鉄道の本来の目的と武蔵小杉接続というのには齟齬があるのではないか……と感じてしまいます。
武蔵小杉駅に関わる横須賀線と川崎縦貫鉄道、奇しくも両方とも武蔵小杉駅に関わってくるわけですが、両者とも二重投資の疑いが感じられなくもありません。横須賀線・武蔵小杉駅の設置費用は全額川崎市の負担、川崎縦貫鉄道も川崎市営で整備される以上は当然川崎市の負担が大部分になるのでしょうが、川崎市にとってもあるいは首都圏の交通全体から見ても、果たしてこれらのプロジェクトには、投資に見合うだけの意味があるのでしょうか。
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