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両論を読んでの感想
TAKA 2004年10月17日
□競争のミクロ的側面について 〜041017を読んで〜
先ずは041017の意見ですが正直言って良く分かります。
私がよく行く会社先は小田急線成城と京王線千歳烏山と両方からバスでほぼ等距離の所にあり、基本的には小田急線を選ぶのですが(新宿〜成城急行 6本/時の魅力)、その会社→新宿だと「京王線は早い」と言う先入観念から以外に京王線を選びます(バスの来た駅のほうへ行くというのは有りますが……。その時にはバスの待ち時間が問題になり、私の場合両駅対新宿は以外に京王の方が早いイメージが有るので京王利用に抵抗が無い)。
私は定期を持たない“パスネットオンリー”の乗客なので、どちらを選択するのに、金銭的理由は有りません。やはり混雑やスピードや利便性が選択要素になります。
成城・千歳烏山両急行停車駅間で比較して、両駅利用可能者に取り以外に京王有利と言う状況ですから小田急の各駅しか止まらない駅では、小田急・京王線間に居住の住民が尚更京王に逸走するのは有る意味当然です。なんせ経堂では通過待避があり、成城or下北乗換を強要されますから……。
今回のダイヤ改正の区間準急・急行経堂停車はこの間接競合区間で意外に利用客の多い祖師ヶ谷大蔵・千歳船橋・経堂利用客への対京王対策の利便性向上策という側面も有るでしょう。後は普通毎時 8本を少しでも抵抗無く減便すると言う側面も有ります。
世田谷区・狛江市に広がる小田急線と京王線に挟まれた地域は、駅勢圏が重なり合う地域(希望が丘団地・上祖師谷・神代団地等)では、実質的に競合しています。これらの地域では駅へのバスアクセスでは小田急線が勝る物の、実質的には成城駅勢圏を除きかなり京王線利用客が多いです。
どちらも成城・千歳烏山以外は主戦力が普通でどちらも便利でない状況に有るにも関わらず、意外に京王が優勢であるというのは、041017で指摘されている改善策が功を奏していると言えるのかもしれません。
競争と言う面から考えると、京王ルートへは八幡山への新バス路線開設及び快速停車・小田急では区間準急と経堂急行停車による接続改善で千歳船橋の利便性が向上した希望が丘団地の乗客が如何に流れるか?と言う側面は興味深い点で有るのではないか?と思います(でも今回の改正でも新百合・成城での緩急接続に頼る狛江と鶴川は劇的改善は期待できないでしょう。小田急線で“利用客が多いのに救われない”両巨頭駅ですから……)
又西武新宿線に関しても、中央線を何故利用するかはこれ又良く分かります。私は西武池袋線沿線住民ですけれども、山手線から遠くない練馬地域でも、意外に“バスを利用して中央線へ”と言う流れは存在します。それには中央線各駅自体に魅力が有るし、東京等の都心へも直結していると言うのは大きなアドバンテージだと思います。池袋線沿線にも以外にその様な流れが有る以上、新宿線沿線にはそれ以上に強い流れがあって当然であると思います(練馬周辺では、西武新宿線野方を越えた豊玉南・中野北郵便局周辺のバス停からも、高円寺へ結構利用しています。それだけ中央線の勢力は強大です)。
これは“利便性が高い”というよりかも、中央線がサービス的に問題あっても、駅がバス利用で遠くてもそれを補って余りある魅力が有るということだと思います。それも又競争の一部であると考えますが、只単純な利便性向上だけでは説明できない一面も有ることを示していると思います。
□競争のマクロ的側面について 〜041016を読んで〜
続いて041016ですが、私が“感覚的側面”で述べた事を、理論立てして頂き申す言葉もありません。
私も鉄道が装置産業で有る以上、固定費が莫大に掛かる産業であることは間違いありません。インフラ投資には巨額の費用が掛かりますし、固定資産を持つことで莫大な減価償却費がかかります。それらは固定的原価であり、残念ながら簡単に減らせる物ではありません。
そうなると“如何にして収入を増やすか?”と言う事が経営的には命題になります。その時に“地道に利便性向上で乗客を呼んでくるか”or“競争を仕掛けて乗客を奪うか”と言う事を必然的に考えることになりますし、詰まるところどちらでも、利便性を向上させて乗客に乗って貰い収入を増やす事が鉄道会社の経営に取り重要な命題になります。
しかし今までの高度経済成長時代は“右肩上がりの需要増”に対し、“如何に追いつくだけの輸送力を付けるか”が主眼であり“乗客と収入は自然増する”位の考えであった事は否定できません。
だが多くの民鉄では“輸送力増強が完成したら乗客が減ってきた”と言う悲しい状況が現在では現出しています。輸送力増強が完成しても、その固定資産償却で原価が増えるのは輸送力増強供用開始後です。その時に乗客が減ってくると、経営的には収入減・原価増という装置産業の宿命的なダブルパンチが襲ってきます。
その時に周りに競争でパイを奪う相手が居れば“競争を仕掛けて乗客を奪う”と言う選択が必然として発生する事になると思います。経営的には地道な利便性向上でパイを創出するより、同じ利便性向上でも競争してパイを持つ相手から奪うのが一番手っ取り早い方策です。
しかし、どちらにしても利便性を向上させるにしても、競争の相手が居る分“敵”(この表現が正しいかは別にして)を打倒する“必死性”が存在する分、「競争が存在する方が利便性向上により寄与する」と言えると思います。(競争の敵の存在が04101でいう「利便性向上促進の触媒」だと私は思いますが、如何でしょうか?)
同じ様に複々線完成・都心乗入完成と言うインフラ改善を行った東武・西武・小田急の3社で“勝ち組・負け組”が明白になったのは、沿線地域のポテンシャルと競争の有無ではないかと思います。
小田急沿線には人口的にもブランド的にも東武・西武よりポテンシャルが有る事は事実ですし、輸送力不足による混雑・速度低下等で直接・間接競合路線(京王・東急・相鉄等)に流れていた乗客を奪う競争を仕掛ける事ができた分(多摩急行や湘南急行−−今回の快速急行格上げを含め−−が競争でライバルから乗客を奪う事に主眼が有る事は事実)勝ち組の末席に入れた要素では無いかと考えます。
しかし幾らインフラ改善をしても、インフラが限られている以上そのしわ寄せが及ぶ所もありますし、又個人の志向的には、「ハード」「ソフト」何れの何が作用しているかも未だ分かりずらい側面も有ります。そのあたりを解析するのも又難しい物であると考えます。
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