このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください





静岡空港建設予定地を訪問して

〜羽田とセントレアの中間に有る空港の存在意義〜



TAKA  2005年 7月19日


 今回偶々7月2日の土曜日に静岡県内で仕事があり、荷物を運ぶ為に車で移動しており午前中で仕事が終わったので、「何処か静岡県内で交通関係の見る所はないかな?」と思い、時間と車の存在と東京へ帰る利便性を考え、今まで乗った事の無い静岡鉄道訪問と、車でないと行く事の出来ない平成20年度開港予定の静岡空港建設予定地を訪問する事にしました。今回はその中で静岡空港について触れたいと思います。
 静岡空港は「東京・名古屋・大阪」の三大都市への路線が無い空港で、「第二の佐賀空港か?」とその存立が危ぶまれている空港であり、 激しい反対活動 が行われいる空港です。その様な状況の空港なので現状については非常に興味が有り、その為に今回は敢て静岡空港見学を行う事にしました。

(1)静岡空港の概要

 先ずは建設中の静岡空港の概要についてです。概要に関しては色々な資料が有ります。
  「静岡空港公式サイト」    「同サイト 静岡空港概要」   「同サイト 静岡空港需要予測」   「平面図」   「ターミナル施設配置図」
 又土地収用法に基づく 静岡空港事業説明会の時の資料 も公表されており、かなり詳しい内容になっています。それ以外に現地訪問の展望台訪問時に静岡空港の概要を示す航空写真と地図が有りパンフレット等も有りましたが、パソコンに取り込める物としてデジカメで写真を撮ってきました。

 [1]静岡空港計画概要地図                       [2]静岡空港計画概要航空写真
 
    
 
 空港としては2500m滑走路1本・旅客及び貨物ターミナル・エプロンが5箇所で「普通の地方空港」の規模です。

 しかし普通の地方空港規模ですが、工事は元々平地の少なく既に利用されてしまっている静岡県東部・中部の地理的理由から空港が牧の原台地の上に作られてしまった為、大規模な造成が行われて工事のボリューム的にはかなりの量になっていますし(大規模造成用の道路自走不可能な超大型重機も現地に有りました)、それに加えて上記航空写真を見ると既に造成の段階で滑走路の3000m以上への延長が考慮されその分の造成工事が既に行われている感じです。(但し公式には何も発表は無い)その為かも知れませんが只ですら大規模な造成工事がより大きな規模の工事に見えます。


(2)静岡空港建設予定地を訪問して

 7月2日上記の様に静岡鉄道訪問の後、静岡空港建設予定地を訪ねてきました。静岡鉄道訪問は新静岡駅近くの駐車場に車を置いて清水を往復してきたので、新静岡駅近くの駐車場で車を取ってから静岡空港建設予定地に向って出発です。
 新静岡からは国道1号線→東名静岡IC→東名吉田IC→県道34号線→アクセス道路を経由して空港建設地に向います。この経路は多分開港後の静岡から空港へのリムジンバスの運行経路になるルートで有ると思います。当日は新静岡を15:50頃出発で空港展望台には16:30頃に到着しました。多少静岡市街地内で車の流れは悪かった物の、所要時間は約40分ですが、乗用車で高速では100km/h+αで走っていた事を考えると実際のリムジンバスではもう少し掛かるのかもしれません。
 
 本当なら空港に入る手前に空港関連の紹介施設として 「静岡空港ビジターセンター」 が有りますが、閉館時間が16:00と早く間に合わなかったので(HPを見る限り内容も乏しそうだったので)残念ながら今回はパスし展望台に直行します。県道34号線からは各所に空港展望台への案内の看板が出ています。県道から脇道を通った後建設地内の建設中のアクセス道路を通り展望台に登ります。
 空港展望台は建設中の空港全体が見渡せる場所には有ります。展望台はプレハブの施設が有るだけですが、私の行った時間は説明員は居ませんでしたが土日祝日は10:00〜15:00は説明員が常駐しています。又説明員は不在でも展示資料やパンフレット等は一式揃っていて説明員が居なくても支障の無い状況です。 (静岡空港展望台概要) 私の居る間に地元に人らしい見学客が他に2組6名来ていましたので、土日祝日に関してはそれなりの見学客は居る様です。

 [3]建設中の静岡空港アクセス道路(吉田ICルート)           [4]静岡空港展望台
 
    
 
 早速展望台に入って全景を見てみます。静岡空港は牧の原台地の丘の上に作られている為に前述のように大規模な造成工事が行われています。既に造成工事はかなり進んでいて建設予定地の造成が完了していて、これから滑走路・ターミナルビル等の建設工事に入る丁度折り返し点位まで到達した感じです。( 実際の出来高は工事全体の予算執行で77%・本体工事予算執行で74%
 訪問日が土曜日だったからか工事は殆ど行われていません。(見かけたのは入り口のガードマンと展望台手前ですれ違った散水車のみ)見た通り丁度造成工事が終わり滑走路工事・ターミナルビル建設工事へ切り替わる時期なのかも知れません。せっかく「久しぶりの大規模造成工事が見れる」と思っていましたがその点は残念でした。

 [5]建設中の静岡空港(滑走路建設予定地付近)            [6]建設中の静岡空港(ターミナルビル方面)
 
    
 
 今の空港は騒音問題等が有るから人家から遠い所に「海上埋め立て」もしくは「山を切り開く」等の大規模土木工事をしないと建設場所を確保できなくなっています。「騒音問題の無い所=都会から離れた所」ですからアクセスの面では好ましい事とはいえませんが、騒音問題を考えればこういう僻地に空港を造るしか方策は無いのかな?と感じました。


 (3)静岡空港建設予定地の周辺をみて 〜新幹線新駅建設予定地は?〜

 空港展望台を訪問した後、ビジターセンターが閉まった後だったので空港の周りを一周してみます。空港建設予定地は台地になっており周囲は山林ですが、東側の谷に降りると吉田〜金谷間を結ぶ県道の周囲が集落と茶畑になっています。その集落以外は殆ど人が住んでいない状況です。此れだけ周囲に人口が少なければ騒音問題も起きないでしょう。

 建設予定地東側に下りると茶畑の中を東海道新幹線が貫いており、空港建設予定地の下を東西にトンネルで抜けていて500系や700系のぞみが頻繁に猛スピードで駆け抜けていきます。

 [7]空港東側を走る新幹線(空港滑走路は丘の上)         [8]空港西側を走る新幹線(空港ターミナルビルは丘の上)
 
    
 
 静岡空港では空港予定地直下に新幹線が走っているのを利用して、新幹線の新駅を建設し神奈川県西部〜静岡県遠州地域から空港へのアクセスに利用しようとしています。 現在直下駅案A(写真のトンネル内に駅を作る)と地上駅案B1(写真[7]の所)・B2(もっと東側)の3案の中から、A案に決まりJR東海と交渉 しています。
 新幹線の駅を作る場合、周囲には島田・金谷等の町もあり大井川の対岸には工場も立地しており空港利用客以外の需要も見込め、空港アクセスを兼ねた新駅設置は需要の面からも十分理に適い勝算有りだと言えます。
 又空港建設予定地がJR東海道本線島田駅や東名高速吉田ICから微妙に離れており、高速経由リムジンバスでも島田からのシャトルバスでも静岡空港の需要地である静岡市や浜松市から40分〜50分かかる状態ではアクセスで時間を食われ、東と西に控える大空港羽田とセントレアに客を食われてしまいます。その様なことから考えると全静岡県に空港のメリットを行き渡らせるには、空港と全静岡県内を1時間未満で結ぶ新幹線新駅は静岡空港に必要不可欠で有ると言えます。

 しかし問題はJRの東海の姿勢と建設位置です。今まで新幹線には「低速で通過列車が走る地下駅」は有れども「トンネル内の駅」は有りません。この区間をのぞみが高速で走る事を考えると、新駅建設には現行トンネルの左右に待避専用トンネルを2本別に建設しその中に新駅を造らなければなりません。(270km/hで走る列車の有る所でのトンネルの拡幅工事は非常に困難)そうなるとA案新駅の建設費は地上駅のB1案に比べて爆発的に増えます。
 今更ですがもし滑走路がもう少し東西寄りに傾いていて北側にターミナルビルが建設できていればB1案でも良かったでしょう(そうすると飛行機が吉田の市街地の上を通ってしまう)。しかし現実としては今はB1案では空港滑走路下に新駅〜ターミナルビル間のアクセス手段が必要になってしまいます。そう考えると建設費が嵩むA案しかないとも言えます。  又JR東海は静岡〜掛川間の静岡空港直下に新駅を作ると、 駅間距離の不適正さからダイヤ構成に制約を受ける と言う事で新駅は造らないと言っています。この様な状況では未だ「新幹線新駅建設は白紙である」としか言う事が出来ません。
 何故空港建設とワンセットで東海道新幹線新駅建設を決めておかなかったのでしょうか?少なくともこの立地を見れば最初に「アクセス手段に新幹線を使おう」と考えるのは普通でしょう。それを織り込まず建設を進めたと言う点において静岡空港計画で基本の段階で失敗した物があると言えるでしょう。


 (4)果たして静岡空港は成功するのか? 〜羽田とセントレアの中間に有る空港の生き方は?〜

 この様に静岡空港建設予定地とその周辺を見てきましたが、今回静岡に行ったからと言うことも有りますが何故静岡空港建設予定地を見に行ったかと言えば「 色々な建設阻止の訴訟がおき 、土地収用が行われるほどの反対が有り 開港が2年遅れる予定 」「需要が有るかで成功が危ぶまれている空港」「空港と新幹線駅が直結する構想が有る」と言う話題が有ったので、この機会に一度は見てみないと思い今回訪問しました。
 実際に 反対の住民活動(空港は要らない静岡県民の会) も活発であり、空港建設用地取得に土地収用法が適用( 現在は事業認定の段階 )されようとするのは成田空港以来(収用委員会委員全員辞任等もめて最後は適用できなかった筈)ではないでしょうか?
 この様な「県民の執拗な反対あり」「(アクセス)計画に不備あり」の状況の中で建設される静岡空港ですが、果たして成功するのでしょうか?その点について結論代わりに考えて見たいと思います。

 「1」静岡空港に需要は有るのか?

 先ずは根本の空港需要に関しての問題です。果たして静岡空港には需要は有るのでしょうか? 静岡県自体は 人口が約380万人 あり、その上ヤマハ・ヤマハ発動機・スズキ等の大企業が特に遠州地域には集中しており、工場も東海道ベルト地帯の真ん中だけあって 企業立地も非常に多く 、空港利用の根本になる基礎的な需要の点では空港建設に十分な物が有ると言えます。
 しかし問題は静岡空港は大需要地の関東・関西地域へ1本も国内線が飛ばない空港です。これは有る意味当然です。静岡県は東海道新幹線が貫いていますから県内大部分の地域から東京・大阪へ2時間以内で到着できます。その上に東名高速まであるから、自動車で移動してもそんなに掛からないで関東〜関西地域に着く事が出来ます。ですから航空路線の主要運行先は新千歳・福岡の両地域になります。この様な大需要地に航空機が飛ばない空港の需要に不安ありと言うのは有る意味当然です。
 静岡空港の場合、県の需要予測では羽田・伊丹便が無くても 空港開設初年度に106万人の利用客が有る と予測しています。しかし反対団体はこの 需要予測に問題あり と言っています。私も静岡空港の需要予測には問題が有ると思います。特に県東部(富士川以東)の三島〜富士地域と遠州浜松以西の地域では静岡空港は利用されないのではないか?と感じます。
 何故ならこれが「羽田とセントレアと言う大空港に挟まれた悲劇」と言うことであると思います。例えば 静岡空港へのアクセス時間は(新幹線新駅が無い場合)新富士〜静岡空港77分・浜松〜静岡空港53分を予想しています 。それに対して(状況により違うが) 新富士〜羽田空港間は約1時間40分浜松〜セントレア間は2時間 でアクセスしています。有る意味県東地域(富士川以東)や遠州西部からは静岡空港も遠く以外に羽田・セントレアが近いと言う事になります。(時間差にして27分〜67分)
 これだけ近い所に大空港があれば、1時間程度のアクセス時間差であれば利用客が流れてしまう事は容易に予想できます。これらの空港は静岡空港より多くの地域へ多くの本数の飛行機が飛ぶ事は確実です。それならば利用者は多少アクセスに時間が掛かってもより多い本数が運行されている空港に流れてしまう事は用意に予想できます。その危険性は特に県東地域に多いと言えます。その場合静岡空港は静岡市周辺地域と遠州東部地域だけでしか利用されなくなってしまう可能性は多く有ります。
 その様な状況から考えると、現状の計画のままだと県の需要予測が当たるほど利用客が有るか大いに疑問で有ると言えます。
 又企業立地が多く貨物需要が想定できるとしても、海上空港ではないので24時間運用も厳しく、特に24時間運用で大需要地名古屋を背後に持つセントレアに貨物需要が持っていかれる可能性も非常に大きいと言えます。この様な空港をどの様に生かせば良いのでしょうか?如何にその点について考えたいと思います。

 「2」その様な状況での起死回生策は?

1)先ずは新幹線新駅の開業が必要

 その様な状況の中で果たして静岡空港に起死回生策は有るのでしょうか?やはり劇的なアクセス改善の新幹線新駅設置しかないと言えます。新駅が設置されれば県東地域・遠州西部地域からのアクセスも最大で40分程度までに劇的に減ります。これで新幹線こだまの時間と飛行機の時間が合えば、新千歳・福岡への航空機利用であれば静岡空港が便利になります。
 同時に静岡空港からは JALグループが路線開設に協力 するとの事ですので、J-AIRなどのリージョナルジェットが新千歳・福岡等の都市以外にも運行されることになれば、少なくともネットワーク的にもそれなりの利便性が確保され、静岡県全域から利用される事と静岡県の持つ基礎的需要の大きさから考え、需要予測程度+α位の利用は確保できると考えます。
 その様な事から考えると、先ずは「万難を排しての新幹線新駅開業」によるアクセスの劇的改善と、新幹線と航空機をリンクさせたダイヤ・路線設定が必要で有ると考えます。

2)自衛隊基地を静岡空港に移転させれば?

 実を言うと空港が無い静岡県には、2つの飛行機が離発着する場所が有ります。航空自衛隊の 浜松基地静浜基地 です。浜松基地には各種教育機関とAWACSを持つ警戒航空隊等の部隊が、静浜基地には初等教育関係の部隊が置かれています。
 本来なら静岡空港も 百里基地の民間共用化 等の方策を取ればいいのですが、浜松基地は2,500mの滑走路を持っており、B767と同型のAWACSを運用しているので滑走路を作らなくても共用可能ですか、静岡県全域から見れば西に偏りすぎていますし、静浜基地は静岡空港の大井川を挟んで対岸の大井川町に有るので立地的には問題ありませんが、滑走路延長が1,500mしか無く延長も難しい状況です。その為どちらの基地とも共用化は残念ながら難しい状況です。
 しかし逆に静岡空港へ航空自衛隊を移転させると言う方策も有りなのではないでしょうか?具体的には近くに有る静浜基地の静岡空港への移転です。浜松基地の場合航空自衛隊教育部隊の中核であり警戒航空隊等の大型機も運用しているので騒音等の問題も有りますが、静浜基地の第11教育航空団は 初等教育用のプロペラ機T-3 を運用しているだけなので、比較的騒音等も少ない状況です。又静岡県は静岡空港を防災拠点として利用を考えている様ですが、防災利用ならば災害時の活動の中核の自衛隊が既に空港に常駐している方が、管制・運用等の点でいざと言う時の連携も上手く行くでしょう。又比較的市街地に近い所に有る静浜基地跡地の有効利用も出来ます。
 この様なメリットから考えれば、今まで「自衛隊機地が民間空港に引っ越してくる」と言う例はありませんでしたが、今回の場合訓練部隊と言う事もあるので災害対策と言う観点からも静浜基地の静岡空港への移転と自衛隊の災害対応可能部隊の静岡空港配置を行っても良いのではないかと考えます。そうすれば静岡空港に「民間航空客利用」と言う意味だけでなく他の役割も付与でき費用に換算できないメリットを与える事が出来ると共に、現静浜基地跡地の有効利用等の二次的な効果を引き出す事もできます。

 
 正直言ってこの様な厳しい状況で「羽田とセントレアの大空港の中間」で自己の存在をアピールするのは極めて難しいと思います。ましてや民間旅客需要だけでは近くに有る大空港に旅客を取られるだけになってしまいます。これでは反対派の言う様に「静岡空港は要らない」と言うことになると思います。
 良く世間では「空港・新幹線・高速道路」を3点セットと言い、特に地方では建設の為に国会議員まで動員して運動を行っています。確かに3点セットは高速交通機関のインフラとして重要な物で各県とも欲しがるのは良く理解できます。しかし日本中何処の県にも3点セットが有れば良いという物では有りません。静岡県の場合「東海道ベルト地帯のど真ん中」と言う稀有に恵まれた立地条件で、東京・名古屋・大阪の三大都市圏に2時間でアクセスできる状況に有ります。
 この様な地域に新幹線・高速道路が必要な事は言うまでもありません。正しく日本の背骨なのですからその地域には高速大量輸送機関の新幹線や物流の動脈の高速道路は当然必要になります。しかしこの様な地域に遠距離移動手段として効力を発揮する航空機が使う空港が必要なのでしょうか?私は大いに疑問に思います。その疑問を解消しないで建設してしまったが為に静岡空港はその存在意義について大きな議論を引き起こす事になったのだと思います。
 (この様な問題は全国民の間で「新幹線・高速道路・空港の3点セットの公共投資は何処まで必要か?」と言う事について議論を行い、コンセンサスを確立する必要が有るといえます。)
 
 しかし現実問題として静岡空港は7割程度まで出来てしまっています。此処まで出来てしまってから「要る・要らない」と言う議論は既に無駄な話です。此処まで費用を投じた空港にぺんぺん草をはやす事は「税金をドブに投じる」事になります。その様な事が容認できないのは明らかです。それならば有効に活用する方策を考えるべきでしょう。
 具体的には「旅客需要」だけで採算の取れる利用客を望むと言う事は、前にも述べてきたようにほぼ不可能な事は間違いありません。この様な状況では「如何にして有効に活用するか」をあらゆる壁を取り払い全ての側面で考えるべきで有ると思います。少なくとも「需要予想」はもう一度見直すべきで有ると考えます。その上で自衛隊との共用を含め色々な側面で活用策を考えるべきです。
 同時に万難を排して「新幹線新駅建設」を行うべきであると考えます。只此れも地下駅案ですから莫大な建設費が掛かる事は間違いありません。空港だけが目的なら「赤字を追加する」事になってしまいます。しかし周辺の島田・吉田・金谷等の地域の利便性も総合的に考えれば建設は促進されても構わないと考えます。新幹線新駅・空港・東名ICの三点が揃っていればこの地域の開発が加速度的に促進するでしょう。そういう点から考えて何とかJR東海を説得して新駅建設は進めるべきでしょう。
 
 此処までは開港するまでに考えておかなければならない事項で有ると考えます。実際には既に遅きに失した事柄で有ると言えます。しかしこれからでもせっかく多額の税金をかけて作った空港なのですから有効に使える方策を考えなければなりません。
 同時に反対派も意見を主張する事は必要です。今の県の誤った需要予測に基づく楽観主義を排させる事をしなければ、正しく静岡空港は税金の無駄使いになります。しかし既に総事業費の3/4が投下されて形が出来かけている「現実」も受け入れるべきです。全てが「反対・反対」だけで済む話ではありません。「現実」を受け入れつつ行政の間違いは指摘し修正させる「建設的反対運動」に転換する必要が有るといえます。
 静岡自体は前述のように極めて経済的ポテンシャルのある地域です。そういう意味では空港があっても当然可笑しくない。しかし大都市・大空港が近いが故に「佐賀空港の失敗」を繰り返すのではないかと考えます。有る意味東京・大阪線が無い分佐賀空港以上の失敗の可能性も大きいと言えます。しかしそれを「座して見ている」訳には行きません。推進派・反対派・自治体を含め県民一丸となり活用策を考えていかないと、それこそ「又巨大な無駄を作った」と言うことになってしまうと思います。静岡空港は何としてもそれだけは避けなければなりません。




※ブラウザの「戻る」ボタンでお戻りください





このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください