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−車両設備更新の重要性を考える 〜老兵は消え去るが好ましい〜−



TAKA  2005年12月03日



    



 「写真(上から)」485系300番台白鳥(八戸)・485系かもしか(青森)・485系300番台白鳥(函館)

 ※この文は「 TAKAの交通論の部屋 TAKAの独り言雑記帳(ブログ) 」の記事を編集したものです。

 皆さん今晩はTAKAです。今日のニュースで「やっぱり起きたか」と言うトラブルが発生しました。
「白鳥71号青函トンネルで立ち往生」
 NHKの11時のテレビでも放送していましたが、JR東日本の485系が青函トンネルの吉岡海底駅で約時間も立ち往生し、救援の機関車で木古内駅まで引っ張り出されたとの事です。

 ●トラブルの原因は485系の老朽化?

 津軽海峡線の白鳥はJR東日本の485系3000番台とJR北海道の789系で運行されています。JR北海道の789系は東北新幹線八戸延伸に伴う白鳥運行開始時に導入された新車ですが、JR東日本の485系3000番台は「はつかり」で使用時に更新された物の元はと言えば旧国鉄時代に導入された車両で、残念ながら老朽化は隠し切れない車両です。
 485系は少なくとも大規模更新をしていると言えども、もう20年以上経っている車両であり、既にJR各社でかなりの車両が退役しつつある状況です。
 鉄道車両だけでなく全ての機械物がそうですが、経年の年数に比例し故障が多くなっていきます。それは走行環境・使い方・メンテナンスの度合い(修繕・更新等)で程度は違う物の傾向として言えます。
 ましてや津軽海峡線青函トンネルは塩害・高湿度・長い勾配区間での運転等極めて厳しい運行環境下での運転を強いられます。その様な区間では車両に故障が発生する可能性は普通の路線より多いと言えます。ましてや今回の原因になったと思われる開閉器等の電装系の部品は塩害・高湿度の路線では故障しやすくなるのは有る意味当然で有ると言えます。
 その様な路線に今や老兵と化している485系3000番台を走らせておくのは非常に酷で有ると言えます。今回のトラブルはその様な視点から考えると「起きるべくして起きた」と言う事が出来ます。

 ●JR東日本分担の白鳥に何故485系が使われているのか?

 では何故JR東日本分担の白鳥には485系が使用されているのでしょか?それはJR東日本とJR北海道との白鳥と津軽海峡線に対する温度差が有ると推察します。
 津軽海峡線はJR北海道にとっては、巨大な資産である青函トンネルを生かすためのメインルートであり、同時に本州から道南へ客を運び込む動脈です。その為道南地域の観光・輸送にとって津軽海峡線は非常に重要な役割を持っています。だから東北新幹線八戸延伸と言う機会を生かし、新型特急を投入し活性化に踏み切ったのです。
 しかしJR東日本にとっては青森の先に有る路線に過ぎず、東北新幹線を軸にしたJR東日本の東北地域輸送体系の中では末端にしか過ぎません。東京〜函館間で約6時間では確かに飛行機に適わず鉄道輸送が活躍する場所では有りません。ですからJR東日本にとっては重要路線ではなく投資をするほどの路線でないという判断で、新型車両を投入せずに485系3000番台更新車で運行してきたのです。
 その証拠にはつかり運行時に485系更新用に2000年から3編成投入されたJR東日本が投入したE751系は青函用のATCを装備せず、東北新幹線八戸延伸時のダイヤ改正でもATC装備→白鳥投入ではなく青森・弘前を結ぶつがるに投入されています。少なくとも白鳥全体の高速化で津軽海峡線の輸送客増加を狙うのなら130km/h運転可能なE751系のATC装備改良→白鳥投入と言う選択肢があった筈です。それをしないと言う事はそれだけJR東日本が白鳥を軽視していると言う事で有ると言えます。

 ●485系と言う「老兵」は消え去るのが好ましい

 しかし今回「青函トンネル内での缶詰」と言うトラブルを起こした485系は「速やかに消え去るのが好ましい」と言えます。旧国鉄型車両が今でも現役で走るには津軽海峡線は環境が厳しすぎます。
 只それだけでは有りません。私もこの9月の北海道旅行時に485系3000番台の白鳥を八戸→函館間で利用しましたが、指定席でリクライニングシート故障と言うトラブルに遭遇しています。
 「 北海道訪問記1
 鉄道車両(電車)の償却年数は13年ですから485系3000番台は既に償却済みで「新型より利益を出せる車両」であるのは事実です。もう更新時の増価分も償却が終わり残存価値しか残っていない車両で有ると推察します。
 「 鉄道車両の償却年数表
 経営的には「償却が終わってから頑張るのが利益に繋がる」と言う事は有りますが、それにも限度が有ります。ましてや会社の顔であり特別料金を取る特別な車両なのですから、有る程度定期的に更新して行く事が重要であると言えます。それが特急料金と言う特別料金を払ってまで利用して頂いているお客様へのサービスです。
 実際白鳥に関しては02年12月〜03年9月まで対前年比(はつかり+海峡→白鳥)104%・輸送人員00年度158万人→03年度163万人・04年度162万人と増加しています。又ダイヤ改正で普通料金で乗れる快速から特急料金でが必要な特急のみになってのこの数字ですから、上記数字以上の増収効果が有るはずです。
 これは789系スーパー白鳥効果で有る事は間違いありません。又これは根元効果としてJR東日本にも利益をもたらしている物です。それなのにJR東日本だけ投資をしないと言う事はチョット姿勢が異なると思います。この様な共同運行で有る以上両社が共に歩調を合わして投資をする事が重要です。

 確かに白鳥の場合平成21年度に東北新幹線新青森延伸が平成27年度には北海道新幹線新函館延伸が迫っています。ですから「先の見えた特急列車」と言う事が出来ます。しかしJR東日本も函館への企画切符等を売り出す等の事をしているのですから、最低限の投資で需要増進の後押しをすべきです。事実JR北海道は789系の増備を決めている位好調ですから、それを後押しするような方策が必要であると考えます。
 具体的には技術的裏付は有りませんが、現在白鳥で運用している485系3000番台更新車をつがるに廻してつがるで運用している130km/h運転可能なE751系3編成をATC装備改良→白鳥投入と言う方策が一番現実的で有ると言えます。
 新車投入では未だ償却の終わっていない10年後の転用先を考えなければなりませんが、逆に後10年485系3000番台を運用し続けると言うのも非常に困難であると考えます。それならば逆に今の段階で効率的な対応策を考えるべきです。平成21年までなら4585系3000番台更新車は何とかしよう可能でしょう。その点を踏まえ今回のトラブルを契機に総合的な方策を考える事が重要であると考えます。
 





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