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鹿島鉄道沿線の高校と通学者の状況



TAKA  2007年 2月27日





 私も和寒様と2人で鹿島鉄道を訪問したので、赤い砂兎様の御指摘事項を調べてみました。

 学区の区割りについて 「 各校の位置図

「各高校の在学者数」

  ・小川高校  →237名
  ・石岡第一高校→893名
  ・石岡第二高校→605名
  ・石岡商業高校→554名 (県南地区)

  ・鉾田第一高校→838名
  ・鉾田第二高校→833名
  ・玉造工業高校→540名
  ・鉾田農業高校→204名 (県東地区)

   合計在学者数→4,704名    ※在校者数は各高校HPの「平成18年度学校経営計画」より引用・算出

 こう見ると両端の石岡・鉾田の学校の生徒が圧倒的に多く、鉄道での通学手段が鹿島鉄道しかない「小川(小川高校下)・玉造工業(榎本)・石岡商業(東田中)」の生徒は沿線の高校の生徒数の約3割程度の1331人しか居ないですから、石岡・鉾田への高校生の流れが有ったにしても(特に石岡駅直近の石岡第一高校は鹿島鉄道沿線から高校生を集めていた可能性は高い)、それでも「鹿島鉄道を利用した通学生」はそんなにいないのではないか?と感じさせます。

 鹿島鉄道の平成17年度の通学定期客は299,880人で平成18年4月22,440人・5月28,560人・6月29,040人と言う数字(参照: 鹿島鉄道利用者の状況 )から考えると、一日当たりの利用客は500名前後(月利用客÷27日(平日+土曜日)÷2(往復分控除))と言う数字になります。これは沿線高校在校者数の約一割という数字です。これは「利用率の高い数字」とはいえません。

 しかも赤い砂兎様御指摘の様に、学区を跨いだ利用は考えにくいですから、学区境を跨いだ小川高校下〜桃浦間通学利用は殆ど期待できない状況でしょう。加えて常陸小川以東の運行本数を考えると通学といえども利便性は低く、この通学利用者の多くは鹿島鉄道駅近くの小川・石岡商業と石岡駅直近の石岡第一の通学生徒が多くを占めている可能性が高いと言えます。

 小川高校下駅の設置意義に関しては、「小川高校通学者の便宜を図る」という意味が強いのでしょうが、確かにそれであるならば赤い砂兎様御指摘のように石岡方面→小川高校通学者の利便性向上という目的が強いのかもしれません。しかし小川高校が既存駅の常陸小川から徒歩でも移動可能な状況下で「在校生数237名」の学校では通学者用の新駅を作っても利用者は多寡が知れていますね。近くの比較的利用者の多い「 小川南病院 」の利用者も期待できたとしても「新駅を設置する」ということに対してコストパフォーマンスが合うとは思えません。費用が公的セクターから出ていたにしても駅設置に関して疑問なのは和寒様と同意見です。

 これらの数字を見る限り、改めて感じるのは「最後の頼みの綱である通学利用者すら減少している」と言う悲しい結末です。「学区の境で流動が切れる」と言う点は有るにしても、石岡第一・石岡商業・小川・玉造工業の各校は駅から数百mの距離にあり通学利用には便利な立地に有ります。(鉾田第一・第二も駅から直線で1km程度)それなのに通学利用客がこれだけ少ないと言う事は、「学区制が学生の長距離移動を妨げている」と言う側面も有るのでしょうが、それ以上に「通学利用にも見放されるほど鹿島鉄道の利便性が低い」というのが実情であると思います。

 こうなると「かしてつ応援団」の奮闘があったとしても、その主体の高校生の流動が少なく、その為に鹿島鉄道は救えなかったという「冷徹な現実」が見えてくるような気がします……。多分在校生減少数より鹿島鉄道通学利用者数の減少の方が大きかった筈なので、その分鹿島鉄道存続運動をしていた高校生の逸走が鹿島鉄道に「とどめの一撃」をしたのかもしれません。





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