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富裕層への課税強化は海外逃避につながるのでは?
Tom 2007年 7月20日
富裕層に対し所得税を重く賦課する、これは一見合理性があるように見えますが、富裕層は海外への移住がしやすいという点を見落としていると思います。日本は移民に厳しいことで有名ですが、諸外国も無制限に受け入れているわけではありません。しかし、これが富裕層であれば話が違います。
例えば、中国や香港の富裕層に人気のカナダですが、純資産を80万カナダドル(約8000万円)所有している人であれば投資移民としてカナダ永住権を取得することができます。ここまで緩くはないにせよ、富裕層の移住を促進する為に国優遇制度を設けているは多いです。例えば、米国でもメジャーリーガーには簡単にビザが下り、永住圏も比較的簡単に取れるようです。
そして税についてですが、例に上げたカナダは海外では所得税が高いとされる国なのですが、BC州の例でいいますと最高税率はC$105000以上で44%、これに対し日本では所得税は1,800万円超で40%ですが、これとは別に住民税がかかります。一般に比較される年収500万円〜1000万円クラスでは海外の方が税率が高いことが多いのですが、日本は累進率が高いため年収億円単位の高額所得者では逆転します。これ以上直接税を重くすることは、日本にこだわらない層を中心に海外流出を招く懸念があります。おまけにカナダを含め、海外では相続税・贈与税がかからない国があります。これは資産を多く持っている超富裕層には魅力になると思います。富裕層が海外に永住権を持ち、たまに日本に帰ってくるだけとなり、日本に富裕層の税がおちないことは更に状況を悪化させることになるのではないでしょうか。
もし、国内に中国などの低賃金の影響を流入させないとするならば、世界の流れ(自由化)には逆行しますが、低賃金国からの輸入品・輸入サービスについては例え日本メーカーの製品であろうと日本の平均賃金と輸出国の平均賃金の差に相当する関税を全てかけることが、WTOさえ無視すれば最善策と思います。(但し物価は大幅に上がります。)
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