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IC特急券導入で見えてきたメリットと問題点
Tom 2007年12月 8日
どちらかというとモバイル特急券賛成派のTomです。
新幹線特急券のIC化については、モバイルスイカという携帯電話利用のインフラを構築している東日本と、まだカードベースに留まる東海とでやり方に差が出ていますが、制度自体は共通しているようです。というより、東日本が制度構築に当たり、東海のエクスプレス予約の仕組みをそっくり取り入れた感じがします。
メリットとしては
1)新幹線停車駅相互であれば間違いなく安い
これは東日本・東海共、通常の乗車券+特急券と比較すれば安いです。但し、従来のJR東海のエクスプレス予約利用であれば変わらないものと思います。
2)随時、指定列車の振替が可能。(但し最初の切符購入から3か月以内)
これも東海エクスプレス予約がベースです。出張先での用務時間が変わるのなんて当たり前の出張族には有りがたいですし、事業者側にもチケット予約者が「とりあえず指定席を押さえておき、早く終われば前の列車の自由席」などという使われ方がIC乗車券利用者分だけでもなくなる分、指定席の実利用率が上がりメリットだと思います。特に全車指定席のはやて・こまちでは利用者が少しでも直前に指定がとりやすくなるという効果が期待できます。
3)乗車券・特急券の受取が不要
実はこれが最大のメリットだと思います。新幹線乗換口脇のみどりの窓口や新幹線指定席券売機は、ターミナル駅では混雑していることが多いため、指定券受取りに時間を要すことが多いのですが、今回の仕組みですと東海はカードをかざしてプリントアウトした指定席案内書を受け取る方式、東日本は携帯電話の画面で直接確認する方式と、何れも直前/事前のチケット受取が不要になっていることが評価できます。
一方、通常の乗車券特急券と比較したデメリットは、エル・アルコンさんが指摘されている、
a)市内駅制度が適用されないこと 及び
但し、これについてはベースとなっているJR東海のエクスプレス予約自体「きっぷお受取駅までのアクセス費用は、券面内容にかかわらず、別途必要となります。」と謳っており、エクスプレス予約利用者に限れば従来と差がないことになります。
b)乗車するまで、予約内容をプリントアウトしておかないと乗車列車が何か、一目で確認できない。
(エクスプレス。東日本は携帯見れば良い)
c)スイカ・トイカ等ICカード非適用のローカル駅への乗継の際の扱いが不明。
大都市圏であればスイカ・トイカ・イコカが適用されるので乗換改札を通れば済む話なのですが、これがICカード未導入の線区への乗継ですと話が違ってきます。
仮に、新幹線への乗換の際は乗継改札で「新幹線駅までの乗車券投入+ICカード/Ferica携帯をかざす」とするならば良いと思いますが、新幹線→在来線の扱いが面倒だと思います。
あらかじめ、新幹線券購入時に一緒に購入できるようにしておき、乗換改札を在来線側に出るときに在来線乗車券をプリントアウトするか、東日本の場合は同じく事前に在来線の購入処理をしておき、在来線駅で改札を出る際にはモバイルスイカアプリを立ち上げ、購入してある在来線券を見せて通過する、という手立てが必要でしょう。
今回の制度設定は、両者共エクスプレス予約をベースとして設計しておりますが、エクスプレス予約自体が新幹線駅からの在来線区間の運賃体系に手をつけない、とりあえずの施策だと思います。市内中心駅から離れていない限りはデメリットは少ないとはいえ、エル・アルコンさんの提言は、実は今の鉄道の乗継運賃そのもののあり方について考えさせるものと思います。モバイルスイカ、ICカードの時代に合った運賃計算というものもあってもいいのでは? この点についてはまた改めて投稿したいと思います。
また、モバイル乗車券・特急券についても、特急券についてはまだ直前の一枚分しかダウンロードできないなど不都合がありますが、こちらも携帯電話の進化に応じ改善されて行くものと期待しております。
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