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FEDEXの事故から〜〜国際空港のリタンダンシーについての一考【続】



Tom(north-wind)  2009年 5月 8日





■機材について

 国内航空会社2社については、欧米線では就航地の関係があり747/777-300を使用しているのでしょう。また、機材を変更しようにも日本行きの機材に関しては、米系のように他国にもハブを持っているわけではないので、他国内にまわせる機材がない以上やむを得ないものと思います。一方で、日本発北米/欧州線については、ANAでいえば本来欧米線用だがアジアに飛ばしている777-200ERなんていう機材があるわけで、これを活用して事故当日の成田発を出せなかったのか疑問はあります。

 777-300ERと異なりFがないとか、C/PYの席数が違うという問題はありますが、そこは出発当日にバッジで座席の再振り分けをしているわけですから、緊急に特定便について再振り分けをすることもできると思います(インボラした旅客を元のクラスに戻す、F→Cで、インボラ切ってもはみ出るC客をPYとか)。さすがに本来アジア専用のCLUB ANA Asia機材で欧米に飛ばしたら座席数のアンバランスが問題になるでしょうが。

 この点、787-8は欧米向けダブルデイリー化を視野に入れていたと言われるだけに、787-8が欧米向けコンフィグで今あったならば、と思います。JAL/ANA共、機材の絞り込みをやったのが完全に裏目に出た形となってしまいました。まあ、この点は成田Bランの改良が早いか、787-8の就役が早いかという問題でしょう。





■代替受入れの問題

 羽田で受入れが可能であれば羽田、むろんそうだと思いますが、パンクに近い状態の羽田ですからさすがに成田の滑走路一本分全てとはいかない、これも同意です。本来は羽田でも不足する分は羽田への便もあり本来国際空港である関空が理想だと思いますが、関空も容量問題があるとすればやむをえません。あとはとも様ご提示の新千歳・沖縄の国際線ターミナル拡充に期待でしょう。

 



■税関・出入国管理

 とも様は成田で80%とおっしゃられていますが、実際には小型機が中心であり人数ベースでは70%程度ではなかったでしょうか。それはともかくとして、万一の危機発生にどういう対応をするかという視点で捉えれば、成田からの応援の他にも横浜などからの応援などの手があると思います。

 万一の危機発生時に意外とうまく立ち回れていないのは民間も一緒ですが、滑走路一本閉鎖というのはそう度々はなくとも、ある確率ではおきる話です。その場合、どのようなダイバートがされるのかを考えたうえで対応パターンは考えておくべきと思います。

 また、とも様ご提案のカードリーダーを用意し機内で事前検査というのは良いアイディアだと思います。この程度なら既存のカードリーダーをちょっとパスポート読み取りに合わせた形とするだけで解決しそうです。A4大型PC程度のマシンをサーバーとして置いといて、無線LANターミナル、これも小型のものがあるのでこれを持参しカードリーダー一体型のハンディターミナルで確認とすればさほどコストもかからないと思われます。





■内際共用

 新千歳やセントレアであれば、空港の造りからしてさほど難しくないのではとも思われます。奥の方のボーディングブリッジをいざという時に仕切れるようにしておけば良いのではないかと。また、ターンテーブルも同様なつくりにしておくと。

 以前、釧路でチャーター便の出国管理を見ましたが、地方空港のチャーターレベルで十分と思われます。ましてや今回のダイバートのように、出発してから事故があるケースでは、混乱に乗じての密輸を企図した乗客というのは考えにくいです。

 一方で、パイロットの手当てを付けたうえで、新千歳からの飛行機を差し替えて小型機で成田へ運ぶというのは良いアイディアだと思います。今回の例でいえば、ダイバートが決まった時点で777-300ERを操縦可能なパイロットを千歳に送り込み、767と差し替えて北米用777-300で札幌-地方のローカル便を担当させ、767を成田行きにすればいいわけです。小松や広島など、777-300が離発着可能な空港で通常767-300を運用している空港もあるわけですから。



 他にも問題提起頂いている内容もありますし、解決策については是非他の方のご意見も伺い、議論したいところです





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