このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください |
埼玉高速鉄道に関する補足意見
和寒 2005年 1月13日
■まえがき 埼玉高速鉄道の経営状況を改善することを論じるにあたっては、収入を増やす方向と、支出を減らす方向、その双方からのアプローチが可能です。ここで、「ガイアの夜明け」でもとりあげられているとおり、需要予測がかなり高めの数字だった、という問題は確かにあります。これについて論じるのは興をそそるところではありますが、公開されている情報が少なく、空論になりかねないおそれがあります。さらにいえば、いまここで予測が的中しなかったことを云々しても、目前の課題には追いつかない憾みがあります。確かに予測は大外れですが、会社を経営しているという視点でいえば、それに苦情をいうよりも、火の車となっている現状打破が先だ、ということです。 その意味において、収入を増やすことは一朝一夕にはいかないでしょう。今後沿線開発が進み、SR(→南北線)に魅力を感じる転入者が増えるにつれ、利用者数(=収入)は増加していくでしょう。とはいえ、既に紹介したとおり、沿線の開発状況は低層住宅中心で、しかも新たな転入者が期待できる物件は少ないため、利用者数が漸増していくことは間違いなくとも、劇的な増加はまずないと見なければなりません。 その意味において、支出削減に着目したTAKA様の立論は妥当といえます。ここで、全体的な論旨については賛同できるのですが、部分的には(やや細かな指摘にはなりますが)修正・補足が必要と感じます。これらの点について、記してみましょう。 ■補足意見(1)−−SRの公共性 TAKA様からは公共性に関する言及がありました。そこで、SRには如何ほどの公共性があるのか、ざっくりと試算してみましょう。 国際興業バスの時刻表で鳩ヶ谷公団住宅に着目しますと、西川口駅東口(西川01)、赤羽駅東口(赤21)が主要な系統で、この2系統を合計すると平日 180本/日ほどの運行本数があることがわかります。 国際興業バス時刻表(鳩ヶ谷公団住宅) 仮に、鳩ヶ谷市内から出発し国際興業バスからJRに乗り継いで“東京都心に向かう”利用者数がバス一車あたり30人いるものとします(いうまでもなくかなり多目の設定)。その利用者数は、一日あたりにすると 5,400人になり、南鳩ヶ谷駅からの乗車人数よりは多いものの、鳩ヶ谷駅からの乗車人数に届かず、両駅合計値の約半分でしかありません。 埼玉高速鉄道各駅乗降客数(再掲) この「事実」を考えると、SRは実は相当広い幅の利用者層に支持され、かつ利用されているといえます。これだけ運賃が高く、しかも直通する南北線のロケーションが悪く、かつ南北線内でえらくスピードが遅くとも、です。この状況を極めて乱暴に要約すると、 ・高い公共性を発揮しているにもかかわらず厳しい経営状況のSR
※ブラウザの「戻る」ボタンでお戻りください
このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください |