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飛脚のつばさ





和寒  2006年11月14日





■日本経済新聞平成18(2006)年10月31日付記事より


佐川の貨物航空「離陸」

 佐川急便グループの貨物航空子会社ギャラクシーエアラインズ(東京・大田)が三十一日未明、就航した。……
 ギャラクシーはまず、エアバスA300一機で羽田−新北九州、羽田−那覇間をそれぞれ週六往復する。……今年末納入される二機目を使った新千歳空港や関西国際空港への就航にも意欲を見せた。
 ……





■コメント

 佐川急便といえば、鉄道の世界ではスーパーレールカーゴの導入でよく知られている。これは一見、モーダルシフトを進めた施策とも思われるが、佐川急便にとっては速達性にすぐれた輸送手段を一つ手に入れた、というだけにすぎない。宅配便の翌日配達をするにあたって、東京−大阪間の所要時間 6時間強という高速貨物電車が選択肢にのぼった、ということである。佐川急便は環境配慮を重視したわけでは必ずしもなく、あくまでも利便性が最優先の判断基準になっていたと思われる。

 佐川急便が子会社を通じて航空貨物輸送に参入したという報に接すると、その観がなおさら強くなる。物流企業は特定の輸送手段に依存することを避け、複数の代替手段を確保しようとする傾向が強い。航空貨物は速達性に最もすぐれる輸送手段であり、そもそもの利便性が高いから、(上位)代替手段としてはもってこいの素材であろう。

 宅配便を基幹事業とする企業は多数あるが、物流企業≪Logistics≫ とは別カテゴリーという雰囲気がどことなくあった。航空貨物を掌中のものとした佐川急便は、宅配便企業にとどまらず、物流企業へと発展する大志があふれているのであろう。物流企業とはその英語名のとおり戦略を持つ。もともと鉄道貨物は日本通運など大手物流企業への従属性が強いといわれているが、さらに一社有力な企業が台頭しつつあるわけだ。

 筆者は自称「鉄道ナショナリスト」であるから、どうしても鉄道を中心に交通の世界を見てしまうが、スーパーレールカーゴの成功に浮かれてばかりはいられないと認識せざるをえない。スーパーレールカーゴは実は両刃の剣、強い「かすがい」となるかもしれないが、「敵に塩」となる可能性もないわけではない。物流企業と鉄道貨物、今後の力関係の推移は注目に値する。





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