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相鉄JR相互直通案へのコメント

 

矢切  2004年 9月18日

 

 

●神奈川新聞平成16(2004)年 9月 8日付記事より

相鉄とJR相互直通へ/西谷〜羽沢間の接続案浮上
 (前略)
 ……直通化構想では、JR東海道貨物線の鶴見〜東戸塚間で貨物ターミナルとなっている羽沢貨物駅を旅客駅化。同時に相鉄西谷駅から線路を地下化して東方へ延伸させ、旅客化した地上の「羽沢駅」につなげる。総事業費は七百億円前後とみられる。
 JR側は直通化に伴い、横須賀線上り線と大崎駅をつなぐ短絡線を整備する予定。
 (後略)

 

 

●鉄道利用者のメリット

 西谷駅以西の住民は、対東京方面の所要時間が現状比10〜20分程度短縮され、直通方面に限れば乗り換えの煩わしさからも開放されます。川崎前後で超絶的な混雑となっている東海道線の混雑も多少とはいえ緩和されると期待できます。

 なお横須賀線・湘南新宿ラインについては線路容量の奪い合いとなりますから、両線の混雑緩和に資するというと語弊がありそうです。

 

 

●神奈川東部方面線

 対新宿で見ても本計画の方が速達性で勝りますので相鉄や沿線住民にとっては本計画の方が良いでしょう。さらに品川東京方面への直通可能性も出てきます。

 神奈川県は新横浜のアクセス向上に資する東部方面線の方が良かったと思っているのではないでしょうか。

 

 

●収益について

 一日10万人以上で新規旅客が発生するのでもない限り、鉄道単独で黒字とすることは30〜40年かけても無理。不動産価値の上昇が主な収入源となり、沿線人口増による運賃収入増がそれに少し加わる程度かと思います。大雑把に言って、10万戸の不動産の価値が 100万円上がるとすれば1000億円が発生します。

【JRから見て】
 JRにとっては横浜を経由しない旨味の少ない系統の創設は自ら進んで行うほどのものではないと思います。この計画ではJRは金を出さないことになっているそうですから、無料で蛇窪の平面交差が解消できるチャンスという程度でしょうか。平面交差解消により生まれる線路容量を相鉄直通に充てられそうです。多少の旅客増による増収。

【相鉄から見て】
 鉄道事業単体で見れば赤字。所有する不動産価値がどれくらい上がるか次第。沿線人口が増えれば将来的な増収要因にも。積極的にやるからには増収の見込みがあるのでは。

【神奈川県から見て】
 不動産価値増による税収増が少し。あとは住民サービスで多少の赤字覚悟。住民が受けるメリットは後述。

 

 

●神奈川県に期待すること

 通勤時の混雑緩和という観点だけからすれば、混雑の激しいJRではなく、東部方面線を建設して輸送力にまだ余裕がある東急目黒線へ利用者を流し込む方が合理的です。建設費の問題はありますが、国や相鉄・東急ともよく相談してほしいと希望します。

 

 

 

 

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