このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

 

 

小杉新駅を歓迎します

 

矢切  2005年 4月24日

 

 

 横須賀線に武蔵小杉駅を設置するのが「なぜ今なのか」、和寒氏が述べられた「需給調整時代から自由競争時代への変化」というヒントで疑問が解けました。

 もう15年以上前のこと、横須賀線が武蔵小杉の近くを通っていることを知って以来、私はなぜ南武線との交点に横須賀線駅がないのか不思議に思い続けてきました。西大井駅の開設を知ったときには、そんな場所じゃなくて武蔵小杉に作る方が良いだろうに、と思ったものです。当時、まだ東急目黒線〜地下鉄南北線の直通ルートはありませんでした。

 都営三田線が武蔵小杉まで直通するようになって横須賀線武蔵小杉駅が無いことによる不便は多少解消されていましたが、それでもなお武蔵小杉駅の設置は喜ばしいことと思います。新駅設置による主なメリットは次のような点でしょう。

  (1)武蔵小杉再開発への好影響。
  (2)武蔵小杉周辺および南武線沿線(小杉より北側)から、品川・新橋・汐留・大崎・新宿への直通による所要時間短縮。
  (3)南武線沿線から都心へ向かう場合の運賃が安くなる(東急の運賃を払わないことによる利用者の負担軽減)。
  (4)南武線沿線から川崎を経由して東京へ行く利用者のルート変更による京浜東北線および東海道線の川崎⇒品川間における混雑緩和。
  (5)一部区間でJR運賃計算経路変更による値下げ。
  (6)東急目黒線の混雑緩和。
  (7)東急からJRに切り替える利用者が発生することによるJRの増収。

 とくに注目したいのは(4)。武蔵小杉に直接関係ない利用者にまでメリットがあるうえ、様々な手を打ってもなお混雑の厳しい区間の利用者を自社線別ルートに乗り換えさせることができるのでJRにとっても魅力です。(5)は実際に行われるかどうか少し不安です。万が一、南武線の武蔵小杉駅とは運賃計算上は別駅扱いなどということになると話が変わります(今回そのようなケースは想定しないこととします……杞憂ですよね?)。

 

逆に問題になりそうなのは以下の点。

  (A)横須賀線の所要時間増大。
  (B)横須賀線の混雑悪化。
  (C)目黒線利用減少による東急の減収。
  (D)(5)によるJRの減収。

 ここで一番気になるのは(B)。京浜東北線や東海道線ほどではないにせよ横須賀線も混雑路線なのでちょっと心配です。詳しい混雑率の数字を知りたいのですが朝ラッシュ時の湘南新宿ライン運行開始以後、西大井⇒品川の混雑率がどうなったか資料を持っておらず現地もまだ確認していません。状況が分かる方がいらっしゃいましたら、教えてくださると助かります。

 (A)は東海道線の混雑悪化要因になりますが、(4)の影響が勝り、問題なくなると思います。(C)は東急には気の毒ですが、横浜市営地下鉄4号線開業と併せて田園都市線の混雑緩和にまで影響すればそれはまた良いことと思います。(D)と(7)はどちらが勝るか分かりません。

 このように横須賀線・武蔵小杉駅開業は利用者にもJRにもメリットの大きい施策であると思います。

 

 

 

 

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