このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください |
経路選択も問題
矢切 2007年12月24日
◆問題は初乗り加算だけでない
経路による運賃の取りぶんも問題です。ルートにより運賃を変えることは戦略上重要である場合もありますが、ルートにより運賃額や支払相手が異なることが好ましくない問題になるケースもあります。
・例1:西新井から大手町まで
押上を経由したか否かで運賃が異なります(一部の支払い方法を除く)。しかし半蔵門線の直通は北千住駅および日比谷線・千代田線の混雑緩和が大きな狙いであったことを考えると、押上経由の運賃が既存ルートより高いことは好ましくありません。
パスネットでは最も安い経路で支払うことが認められていますが、普通乗車券や定期券を購入する場合は実際に乗るルートで支払うことが制度上は求められており、不公平です。途中下車しないことを前提に実乗車ルートでない定期券の利用を公式に認めれば済む事かと思います。
東武に入るべき運賃収入がメトロに入ってしまうことも問題です。これについては会社間で精算を行っているとする新聞報道があったそうですが、詳細については公開されていません。
・例2:西武池袋線沿線から有楽町まで
小竹向原を経由するか否かで運賃が異なります。混雑緩和のために地下鉄を建設したのに、利用者の多くは運賃が安く列車本数も多い西武池袋経由を選択しています。地下鉄線は利用者が増えないため列車もなかなか増発されず、本数の少なさが地下鉄ルート回避に拍車をかけるという悪循環になっています。巨額の税金や会社のお金を投入して作った新ルートが、(おそらく)運賃問題が主な理由となり十分に利用されていないのは由々しき事態です。両ルートを同額にするのはもちろん、途中下車しない限りどちらのルートでも自由に乗れるようにすべきでしょう(選択乗車)。
同様の問題は和光市と池袋の間でも発生していますが、西武の場合は練馬から小竹向原までの間がメトロでなく西武線になっているため、状況はさらに悪くなっています。小竹向原を経由しないルートで定期券を所持している人が小竹向原を経由した場合、東武側は和光市〜池袋の1社分の運賃(230円)を払うだけで済みますが、西武側は練馬〜池袋で2社分の運賃を取られ(300円)、距離の割に非常に高額になっています。
◆利用者・事業者ともに納得できる制度にするには
北千住から秋葉原まではつくばエクスプレスでも日比谷線でも移動できますが、八潮方面から茅場町方面へ通勤する際に、空いているつくばエクスプレスを長い距離利用するほうが運賃が高いのは納得のできる話です。このような例まで共通運賃化をすすめる事が正しいとは言いにくいでしょう。現実的な妥協として次のようにしてはいかがでしょうか。
(1) 初乗り加算の割高感をなくすため、全会社・全区間に対し乗り継ぎ割引を一律1回100円で適用する。
これにより減収するぶん、各事業者は自社線運賃の値上げを認める。
(今まで乗継利用者だけが高額運賃を払ってきたが、全利用者で分担するように改める。会社側は収入増減なし)
(2A)メトロ〜東武・西武・東急で複数ルートが利用可能な場合、途中下車を認めない代わりに、どちらの定期券を持っていても
乗車可能とする。これによる減収となる分、各事業者は自社線の運賃値上げを認める。
(2B)上記の代わりに、選択乗車可能な定期券を利用者・事業者とも納得の行く価格で設定する。
(例えば1月千円のプラスで選択乗車可能な定期券にアップグレード可能にする等)
ITの活用により複雑な精算や料金体系も可能なインフラが整ってきているので、各事業者には頑張っていただきたいし、国土交通省にも調整を仕切るような役割を期待したいです。
※ブラウザの「戻る」ボタンでお戻りください
このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください |