このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

バスを超える。 ・・・連節バス (京成バス、幕張地区)

 バスにより大量輸送を行う場合は,増発によるピストン輸送が多く見られます
が, 従来の車両では1車あたりの輸送人員は変わらず,車両と乗務員にかかる費
用が 増大します。またベース時の無駄も増えてしまいます。
  そこで連節バスの投入により効率化を図っている例として幕張を訪れました。
連節バスは京成バスが幕張本郷駅から海浜幕張駅・幕張新都心を結ぶ路線で運行
しています。平日のピークには10台投入するようですが,訪れた土曜日も見た感
じ 5〜6台くらい運用されていたようにみえました。
  幕張本郷駅の乗り場はもっとも駅寄りに位置しており,大きな屋根がかけられ
て います。また乗り場には柵があり平日は改札を設け乗車前精算を行い,車内運
賃 収受を行わず効率をあげているようです。
  この路線(幕張本郷駅[以下本郷]〜海浜幕張駅[以下海浜])は区間制運賃なの
で すが,運賃収受方法は往復で異なっており,本郷から海浜へは運賃後払い,海
浜 から本郷へは運賃前払いになっています。さらに朝ラッシュ時の本郷から海浜
へ は,本郷の乗り場での前払いが行われています。
  往復で運賃収受方法が異なると分かりにくいと思われがちですが,これも幕張
本 郷をピークとした利用動態や,乗降時分の短縮など輸送の効率化を目指した結
果 なのでしょう。
  訪れたのは前述のように土曜日の午前中で,本郷から海浜に向けて6分ヘッド
で 連節バスと従来車両の交互運行でしたが,本郷発車時にはシートが埋まり,立
客十数 名という状況でした。途中でパラパラと降車していくのですが,大半が海
浜での 下車で、降車扱いにはかなり時間がかかりました。これならば往復とも運
賃前払い にすればよさそうなものですが,区間制運賃なので「漏れ」防止のため
にも仕方がない と思われます。帰りの海浜から本郷行きは十数名の利用で,時間
帯により輸送方向に偏 りのある路線だと思いました。
 次に連節バスの車内を見ると、入口の段差は2ステップで座席は1列前向き,
横向きロングシートで構成されており,輸送力 重視になっていました。樹脂成形
のシートバックなどかなり軽快な感じがします。
 施設面では、 駅前の乗り場や路線途中の道路もいたって普通(拡幅や専用路な
どなし)でした。
 このように幕張新都心地区での連節バスの運行状況を見てみると,拠点間直行
の運行 形態で均一運賃などの条件が揃えば,地方都市などにおいても連節バス運
行によ る効率化を図ることができるところもあるのではないかと思います。
  連節バス運行のメリットを大きくするには運賃制度の改善が課題だと思われま
し た。輸送量を上げても従来の運賃収受では乗降扱いに時間がかかるし,また利
用 車の多い路線でも途中乗降が多いとやはり運賃収受がネックになります。
  ただ,連節バスは従来の道路施設が利用でき,軌道系を整備するようなイニシ
ャ ルコストが不要なことから,公共交通のモード上ではバスから鉄道の間(特に
新 交通システム等)を広くカバーでき,導入のメリットは多いと考えられます。
  今回の連節バスの運行事例を通して,やはりわが国においては公共交通の拡充,
利用促進に向けて,ハードよりもソフト面の改善が必要であることを強く感じ
ました。


一見普通のバスですが・・・
前から後ろまで「帯」など,下手な
デザインをすると「イモ虫」に
なりそうです。

後ろから見ると長さが強調されます。

車内のようす①
後ろから前までかなりの距離感です。
土曜午前中6分ヘッドでもすぐに座席が
埋まり立ち客がでます。

車内のようす②
前向きの座席はほとんどこのタイプです。
手すりも一体成形の樹脂製ですが,
座った感じは硬めで良かったです。

車内のようす③
先頭車両ですが,1列座席で収容量を
上げています。
床にはエンジンルームのふたが。

車内のようす④
後部車両はロングシート中心に構成され,
扉から後ろは2+2で座席が並びます。
ロングシートはラッシュ時には
跳ね上げるようです。

車内のようす⑤
連接部にもターンテーブル上に座席が
並んでいます。

自家用車と並ぶと大きさが分かります。
道路を占有する面積で比べるとかなり
高効率です。


幕張本郷駅のりば
一番駅寄りの乗り場は屋根で覆われ,
ラッシュ時はここに改札を設け,
運賃前払いにすることで多くの
利用者をさばいています。

海浜幕張駅のりば
ここから幕張本郷方面へは,運賃精算が
前払いになっています。
 海浜幕張駅は基幹路線とフィーダー路線の
ハブといった感じで,ここから新都心内へ
の循環路線がミニバスなどにより運行され
ており,理想的な形でした。
が,運賃面での連携はないようでした。
 


連節バス
2ステップでも車椅子マークを
誇らしげに掲げています。
幕張本郷〜海浜幕張で
活躍する車両

この路線で使用されている車両は
連節バスをはじめラッシュ輸送に
特化した車両が投入されています。

また同じ京成バスでも幕張地区の
み写真の塗色になっており,京成
バスオリジナルのカラーリングと
は異なっています。


2扉車ですが,長尺の車両です。

乗降時間短縮のためか3扉車もいます。

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