このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください |
森の軌跡宮崎県南の森林鉄道跡を訪ねて<森林鉄道・森林軌道廃線跡写真探訪記> |
■7.綾北線(訪問日1996年1月19日、2月14日) 綾南線と同じ東諸県郡綾町の貯木場から、綾北川に沿って西諸県郡須木村の田代八重付近まで延びていた軌道である。
綾町の貯木場近くには廃物と化した集材機のようなもの(1)があった。 (1) 集材機であろう。 綾北線の森林鉄道軌道敷跡は舗装道路から、県道360号へ通じる道路の一段高い山裾の道(2)となる。 (2) 綾北線の森林鉄道軌道敷跡は、道路より一段高い道に。 綾町の杢道(もくどう)の集落付近から県道360号(3)となる。 (3) 綾北線の森林鉄道軌道敷跡は、やがて、県道360号に。 県道360号線には、トンネル(4)、橋脚(5)、道脇に素掘りのトンネル(6)、発電所に橋台(7)などが残っているが、橋脚以外は、綾北線の森林鉄道軌道のものかは微妙だ。 (4) 綾北線の森林鉄道軌道のトンネルか。 (5) 県道脇に残る綾北線の森林鉄道軌道の橋脚。 (6) 素掘りのトンネル。綾北線の森林鉄道軌道のものかは不明。 (7) 綾北線の森林鉄道軌道のものと思われる橋台。 綾北線の森林鉄道軌道敷跡の県道360号線は人家さえ全くない山深い道となる。 圧倒されそうなほど大きな綾北ダム(8)を過ぎると、大規模な田代八重ダム工事現場(9)に出くわす。 (8) 吸い込まれそうな綾北ダム。綾北ダム周辺の綾北線の森林鉄道軌道敷跡のルートは湖水の中なのかどうか、よくわからなかった。 (9) 田代八重ダム工事現場。山奥とは思えないほどの賑やかさ。綾北線の森林鉄道軌道敷跡は川の左手で、正面奥に見える大きな鉄骨のある橋が新しい国道265号。 今までの山の静けさが嘘のような賑やかさで、まるで、鉱山があるかのようだ。 しかし、綾北線の森林鉄道軌道敷跡の県道は、ダム工事のため工事関係車しか進入できなくなる。 新しく設けられた迂回道を登ると、ダム建設のため高所に付けかえられた真新しい国道265号へと道はつながる。 旧国道は、ダムの底になるようだ。 付けかえられた国道265号より、綾北線の森林鉄道軌道の終点に近い、集落や学校があった田代八重(10)を眺めることができるが、ダム建設のためか、立ち退いたような空き地が見られるだけで人家はなく、道路の橋も剥ぎ取られ橋脚だけが無残に残っていた。 (10) 新しく付け替えられた国道265号より田代八重を終点方向から望む。 綾北線の森林鉄道軌道は、田代八重の集落を通り、蝉の谷というさらに深い山の谷間へと入って行くが、高い位置に付けかえられた国道の橋から蝉の谷を見下ろすと木々が隙間なく生い茂りルートは全くわからない。 綾北線の森林鉄道軌道跡はやがてダムの底へと沈み、二度とこの世に姿を現すことはないのだろう。 合掌。 追伸 2000年春に再び田代八重を訪れると、ダムはすでに完成しており、旧国道の跡などが見られた田代八重は、すっかりダム湖の中であった。 |
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