このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

宮崎県の森林鉄道廃線跡・仁田尾線

森の軌跡

宮崎県南の森林鉄道跡を訪ねて

<森林鉄道・森林軌道廃線跡写真探訪記>

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■1.仁田尾線


(訪問日:1996年1月24日、28日)

宮崎市の西、高岡町の南西部、国道10号沿いにある面早流(もさる)を起点に、大淀川を渡り、仁田尾川沿いに延びていた軌道である。


宮崎県の森林鉄道廃線跡・仁田尾線
地図の見方
軌道跡(緑色)
一般道路(灰色)
JR線(黒色)
高速道路(紺色)
川(水色)
不明なもの

地図中の番号は、写真の撮影地点で、
本文中の番号と一致しております。

地図作成:本サイト管理人 not to scale


高岡町面早流にあった貯木場は、国道が横切ったり住居となり、面影はない。

仁田尾線の森林鉄道は、大淀川を橋ではなく、トロッコを1両づつ索道で吊り下げて渡った(1)。


宮崎県の森林鉄道廃線跡・仁田尾線

(1)索道で大淀川を渡り対岸へ。


熊本営林局編集の「年輪」(※)の149ぺ —ジにそのユーモラスな姿の写真が収められている。

※熊本営林局内の事業の様子を収めた写真集。昭和62年3月25日発行。熊本営林局や関連施設にて所蔵。森林鉄道の写真も多く掲載。

対岸との高低差、旧国道のルートが要因と思われる。

付近の方に伺うと岸のレール(2)は幾重にも別れ、いずれかに車輪がひっかかると、トロッコがうまく乗るようになっていたという。


宮崎県の森林鉄道廃線跡・仁田尾線

(2) 伺ったお話しをもとに想像で描いたもの。実際はもっとレールの数が多かったのかもしれない。


付近の大淀川には、森林鉄道のものと思われるレール(3)が流れついていた。


宮崎県の森林鉄道廃線跡・仁田尾線

(3) 川岸には、レールが。


大淀川を渡ると、森林鉄道軌道の痕跡が全く見あたらない林道(4)となる。


宮崎県の森林鉄道廃線跡・仁田尾線

(4) 痕跡が全く見あたらない森林鉄道軌道跡の林道。終点方向より望む。


その後、仁田尾線の森林鉄道は、しばらく進んだ林道の脇からインクラインを経て、山の中腹部の作業用と思われる軌道へと通じていた。

インクライン跡(5)には、枕木が数本顔を見せていた。


宮崎県の森林鉄道廃線跡・仁田尾線

(5) 林道脇のインクラインの起点。
写真中央の藪のところをレールが登って行った。


山の中腹(6)の作業用軌道からは、石の築堤(7)、橋台(8)、犬釘のついた枕木(9)がある。


宮崎県の森林鉄道廃線跡・仁田尾線

(6) インクラインを登りきった上部。終点方向から望む。

宮崎県の森林鉄道廃線跡・仁田尾線

(7) 山奥にひっそりと残る石積みの築堤。

宮崎県の森林鉄道廃線跡・仁田尾線

(8) 石積みの築堤と橋台。

宮崎県の森林鉄道廃線跡・仁田尾線

(9) 散乱する犬釘のついた枕木。


徐々に水により森林鉄道軌道敷の崩壊が進み、辿るのが難しく、散乱する朽ちた枕木だけを頼りに進む。

ケモノ道と化した森林鉄道軌道跡の山道が行き止まりとなる終点と思われる所(10)は、軌道があったことなど信じられないくらい木々に囲まれひっそりとしていた。軌道が敷かれる以前の森に戻ったように見えた。


宮崎県の森林鉄道廃線跡・仁田尾線

(10) 森林鉄道軌道があったとは思えぬ程、草木に覆われる。


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