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宮崎県の森林鉄道廃線跡・内山線

森の軌跡

宮崎県南の森林鉄道跡を訪ねて

<森林鉄道・森林軌道廃線跡写真探訪記>

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■3.内山線


(訪問日1996年1月28日、31日)

宮崎県東諸県郡高岡町の西部、国道268号沿いの田之平から、浦之名(うらのみょう)川沿いに西諸県郡須木村の内山まで延びていた軌道である。


地図の見方
軌道跡(緑色)
一般道路(灰色)
JR線(黒色)
高速道路(紺色)
川(水色)
不明なもの

地図中の番号は、写真の撮影地点で、本文中の番号と一致しております。

地図作成:本サイト管理人 not to scale


3線ほどのヤードがあったという、浦之名川を渡る橋の脇にあった起点の貯木場には、国道を潜り抜けたトンネル(1)が残っている。


(1) 国道を潜った内山線のトンネル跡。下部が土に覆われたらしいがそれでも小さいような気がする。木々を満載したトロッコが本当に通ったのか、と思わせるほどだ。


内山線の森林鉄道軌道敷跡は、草が茂る道(2)となり、やがて、田畑を進む築堤(3)となると、一般道路となり高岡町瀬越へ出る。


(2) 国道を潜った後、草の茂る道に。終点方向より望む。

(3) 田畑の中に内山線の森林鉄道の築堤が残る。


高岡町瀬越で通りすがりの初老の方に伺うと、運良く、内山線の森林鉄道軌道でお仕事をされた方で、「ちょうどここは、内山線の森林鉄道軌道の離合所があったところ」と教えて下さった。

この方は、宮崎県の県有林の搬出に携わり、営林署とは別の県有林専用トロッコを使い、営林署のトロッコの支障とならぬよう運行には気を使ったそうだ。

内山線の森林鉄道軌道敷跡は、その後、深い藪となったため、山の中腹の一般道を迂回すると、内山線の森林鉄道軌道敷跡は、はるか下の木々の中に隠れてしまう。

内山線の森林鉄道軌道敷跡は、やがて大きなダムに当たる(4)。


(4) ダムを過ぎると水が干上がっており、対岸にうっすらと見える道が内山線の森林鉄道軌道敷跡らしい。


内山線の森林鉄道軌道敷跡は、ダムを過ぎた東諸県郡綾町の広沢付近からは再び舗装道路となる。

やがて、内山線の森林鉄道軌道敷跡は、森林鉄道軌道のものと思われる橋(5)がある草の道(6)となる。


(5) 綾町広沢に残る橋。内山線の森林鉄道軌道のものなのだろうか。

(6) 内山線の森林鉄道軌道敷跡は草の茂った道に。


その後は、幅の狭い一般道に吸収される。

須木村岩前付近の木の積み出し所があったという所(7)に痕跡はなかった。


(7) 木の積み出し所跡。緩やかな山の斜面に続く空き地に、それらしい雰囲気が伺えるが、何も残っていない。


旧岩前貯木場があった須木村岩前には、事務所(8)と倉庫が残る。


(8) 岩前貯木場事務所跡。


あたりは、人の気配がまったくない山深いところだが、見渡すと家が2件もあり、驚かされる。

インクラインが2箇所もあり、そのインクライン先にも軌道が続いていたという内山線の桑俣支線との分岐点(9)を過ぎ、浦之名川沿いの木々に囲まれた一般道路を(10)山深く進むと、軌道のものと思われる廃トンネル(11)が道路の片隅にあった。


(9) 右手に別れる内山線の桑俣支線跡を望む。

(10) 木々に囲まれた内山線の森林鉄道軌道敷跡の舗装道路。痕跡はない。

(11) 素掘りのトンネル跡。


このあたりの道路を進んでいると、ハンタ—の軽トラックと多くすれ違う。

山に入る場合は、注意が必用だ。

時間の都合で、内山線の森林鉄道軌道敷跡の探索は、終点の須木村内山の手前でやむなく終了した。


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