このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください


宮崎森林鉄道資料館<Room1>

1.森林鉄道とは 2.宮崎県の森林鉄道 3.インクラインとは 

宮崎森林鉄道資料館(TOP)

■1.森林鉄道とは

林産物の搬出を専ら行う鉄道。

管轄は各営林署(民間のものもいくつかあったようです)。

軌間は、762mmと小さく(JR在来線は1067mm)、トロッコに木材を積んで輸送した。

機関車が牽引するものから、人、馬、そして、犬が引くものまであった。

戦前、戦後、道路整備の遅れていた地域において、林産物はもとより、山村集落の生活物資の輸送にも活躍した。

青森、長野、高知など北海道から鹿児島県までの林産県で多く見られた。

一般の乗客の扱いはしないが、林業関係者やその家族、そして、登山者なども乗せて走った(無料のかわりに、命の保証はしないという条件だった)。

宮崎県の森林鉄道は九州一の規模を誇っていたが、林道の整備が進むにつれ、除々に姿を消し、昭和40年代後半、県内の全線が消滅した。

現在は、鹿児烏県の屋久島と京都府の芦生(京都大学管轄)に残るのみである。


■2.宮崎県の森林鉄道

宮崎県の森林鉄道は、総路線距離数なんと、およそ400㎞。(現在の宮崎県内の鉄道路線の合計数よりも多い!! )。

もちろん、九州一の規模を誇っていた。

沿線の方々は森林鉄道というよりも、「軌道(きどう)」と言っていた。

インクラインはもとより、トロッコを一両一両、ワイヤ-で吊り上げ、川を渡らせたりと、おもしろい仕掛けもあった。

しかし、林道の整備が進むにつれ、森林鉄道は、除々に姿を消していく。そして、昭和40年代後半、県内の全線が消滅した。 

宮崎県の森林鉄道・籾木線(西都市)

籾木線での木材の積み込み風景
(提供:田野町黒木様)

▼宮崎県森林鉄道分布図

下記地図、緑と青緑の線が宮崎県内にかつて存在した森林鉄道の路線です。

私が、旧地図や資料などをもとに確認のとれたものを掲載しております。

路線名は、正確なものがわからなければ、読みやすいようにつけているものもあります。

それでも、わからないものは、「?」としてあります。

路線が、よくわからないものは、だいたい見当をつけて書いてあるものもあります。

また、旧地図や資料にもない未掲載の路線もいくつかあるものと思われます。

もし、下記以外の路線をご存知でしたら、こちらの管理人宛て メールフォーム (ゲストブック)にてお知らせ下さい。

よろしくお願いいたします。


地図出典: 「森の軌跡〜宮崎県南の森林鉄道跡を訪ねて〜」 (本サイト管理人運営)より。緑色の路線は「森の軌跡〜宮崎県南の森林鉄道跡を訪ねて〜」にて、紹介している路線です。番号は「森の軌跡〜宮崎県南の森林鉄道跡を訪ねて〜」での掲載順の番号です。


■3.インクラインとは

インクラインとは、急傾斜地に長区間の軌道や林道を設ける代わりに考えられた施設。

山の傾斜面にレールを敷き、丸太を積んだトロッコを制動機で加減しながらワイヤーでつり下ろし、同時に空のトロッコを引き上げる装置。

ケーブルカーの一種。関係者の方は略して「インクラ」とも言っていた。

宮崎県内では、小林、綾、高岡などの営林署管内で見られた。


参考文献:熊本営林局「年輪」編集委員会編集『年輪 —写真で語る一世紀— 』(昭和62年3月25日)

宮崎県の森林鉄道・籾木線(西都市)インクライン

籾木線のインクライン(提供:田野町黒木様)



宮崎森林鉄道資料館(TOP)

このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください