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2007年5月3日、大阪府貝塚市を走る全長5.5Kのローカル線。 「水間鉄道」に乗ってまいりました。 郊外をのんびり走るローカル線ですが、「大阪」だからでしょうか?あまりローカル線として紹介されません。 水間鉄道の設立は1924年。終点の「水間駅」にある水間観音への参拝鉄道で 鉄道の開業は翌年の1925年でした。
バス事業もしており、貝塚市の大きな交通路線であったのですが、
2005年には会社更生法の適用を申請し経営破綻に追い込まれました。
しかし翌年、貝塚市出身で関西を拠点に展開する
うどん、そば屋の外食チェーン店「グルメ杵屋」の社長がこの会社を買い取り、
グルメ杵屋の完全子会社となり、新生会社として再出発したのであります。
路線は次の通りです。
貝塚(かいづか)
貝塚市役所前(かいづかしやくしょまえ)
近義の里(こぎのさと)
石才(いしざい)
清児(せちご)
名越(なごせ)
森(もり)
三ツ松(みつまつ)
三ヶ山口(みかやまぐち)
水間(みずま)
有人駅は南海本線の乗り換え駅である貝塚駅と、終点水間駅です。
それでは、ネット上での水間鉄道の旅の始まりです。
貝塚駅の外観です。 この反対側に行けばおそらく南海電鉄貝塚駅の方が 目立っているのかもしれませんが、 きちんとこのように駅舎があるのです。 それとどうやら水間鉄道は 「すいてつ」と呼ばれているようです。 | |||||||||||||
貝塚駅前の風景 いわゆる住宅街です。 | |||||||||||||
貝塚駅入り口の案内板。 貝塚駅は南海電鉄の駅でもあります。 この案内通り左を見ますと・・・
御覧のような自動改札があります。 自動改札ってのがやはり郊外路線っぽさを出している気がします。
貝塚駅のホーム。 貝塚駅は中心駅でありますから勿論複線なのです。 このホームと平行に南海電車のホームがあります。
貝塚駅の駅名標。 平仮名の下に漢字で「貝塚」と書かれてありますが、 この書き方はこの駅だけで、あとは平仮名しかありません。
ホームに入ってすぐ左にある待合室。 この時は利用者がいませんでしたが、利用する人いるんでしょうか。
水間鉄道の7000系の電車。 東急から譲り受けた電車です
車内はロングシートのいわゆる通勤電車型。 水間鉄道は一日の内、ワンマン運転と2人乗車がほぼ半々で行われており、 その為運賃箱があるのですが、今は使われていないそうです。 |
住宅街を抜けて貝塚市役所前駅に到着です。 実はこの駅で降りようとしたら、運転手が誰も下りないと思ったらしく、 私が「降ります」と言ったら、「え!?降りるの!?」と えらく驚かれました。 | |||||||
貝塚市役所前駅の外観。 単線のホームのみの小さな駅です
貝塚市役所前の駅名標。 漢字表記がありません。
貝塚市役所前駅周辺の案内。 若干見にくいですがこの駅の最寄のコスモスシアターという所は 貝塚の文化・芸術の発信のようで、 水間鉄道の各駅にチラシが貼ってありました。
貝塚市役所前駅前の遮断機。 何か結構こうしてみたら都市部っぽいな〜。 如何なもんでしょ? |
次の駅との駅間が短いのでここで一駅歩きたいと思います。
貝塚市役所前駅〜近義の里駅間から見た貝塚市役所前駅。
畑に囲まれた静かな駅です。
歩いて近義の里駅に到着です。 この駅も貝塚市役所前駅同様に、 住宅街の中にある単線の小さな駅です。 | |||||||||||||||||||
近義の里駅の入り口の看板。 どの駅にもありますが小さい。
近義の里駅の駅名標。 「近義の里」と書いて「こぎのさと」と読みます。
近義の里駅外観。 駅周辺の景色もあまり変わらないが、 駅舎もあまり変わらない。
近義の里駅にあるベンチ。 水間鉄道のベンチは こういう長いベンチが多いのが特徴です。 京阪の駅のベンチほどではないですが・・・。
近義の里駅からの運賃等の御案内。 妙な親切です。
駅周辺の地図なんですが、 ほとんどが番地しか書いておらず 何が何だか分かりませんでした。
駅前は御覧のような住宅街
駅出口からから見た図。 近所の方が集っていそうな雰囲気がありますが、 この時は誰もいませんでした。
駅ホームから。 貝塚の地名の由来でしょうか?
水間行きの電車が来たので、一枚撮影。 本数が割とあるので、 のどか・・・って感じはあまりしません。 |
石才駅に到着しました。 こんなに自転車がとまっているという事は、 それなりの利用者がいらっしゃるのでしょうか?
駅入り口付近。画像左の建物の中は後ほど・・・
石才駅の駅名標。あまり新しい感じはしません。
駅外観。単線がホームと住宅に挟まれた小さな駅です。
石才駅の入り口から少し入ったところです。 この駅で小学生に時刻を聞かれました。
4つ上の画像の建物を駅の中から撮影しました。 この中が・・・
ちょっと分かりにくいかもしれませんが、 廃墟のようになっていました。一瞬身震いしました。 因みに映っている手と、奥の窓に映っているのは 撮影している私ですので・・・。
駅構内にて。 ボイラーか何かかな〜って思ったのですが、 結局分かりませんでした。
これも同様に分かりませんでした。 不気味でした。
石才駅周辺図。 普通の住宅街ですが、 水間鉄道沿線は池が多いのです。
石才駅の平日の時刻表。本数は結構ありますね。
上記同様、休日の石才駅の時刻表。
石才駅ホームから。 住宅街なんですが、 のどかで人の気配があまりしませんでした。
貝塚駅方面の電車が入ってきました。 こうしてみたら沿線の景色や 駅の雰囲気に合ってるような気がします。 |
清児駅に到着しました。 この駅の前には大きなマンションが建っていて、 ローカル線の雰囲気をブチ壊してくれます。 しかし今回旅する中で、 間の駅としては利用者が一番多い駅でした。 やはりその効果か・・・。
上の画像の左側にある駅の裏口。 なぜ平仮名なのか・・・。
清児駅の駅名標。 「清児」と書いて「せちご」と読む 難読駅名です。
清児駅ホーム。 水間鉄道は全便ではないですが、 基本はワンマン運転なので、 こういう駅では降りてから 駅出るまでが長い。
清児駅外観。 こうして駅だけ見ると 単線の素朴な駅なんですが・・・
清児駅ホームから。 普通の郊外って感じです。
清児駅近くの遮断機。 田舎独特の鉄道との距離感が感じられます。 |
名越駅に到着しました。 水間鉄道の間の駅としては唯一の複線です。 保線区(・・・だったと思う)も駅前にあったし、 無人ですがちょっと中心駅なのかもしれません。
名越駅の駅名標。
複線ですので、電車同士が御対面。
出発反応標識。 使われているんでしょうか。 ただ到着ベルが鳴ったのには驚きました。
名越駅からの運賃表と行き先案内板。 この下の椅子でおばあさんが一人 貝塚駅行き電車を待っていました。
上の画像の運賃表。「水」を直して欲しい。
駅のホーム正面にある水間鉄道の保線区(・・・だったと思う)
名越駅ホームから。この森のような所は後ほど・・・。
名越駅の入り口。 そういや貝塚駅以来初めてこの駅でトイレがありました。 工事現場にあるような簡易的なモノでしたが・・・。
名越駅の周辺案内板。池は相変わらずあるんですよ。
名越駅入り口から外を撮影しました。 静かな田舎町でした。
これが上記で紹介していた森のような所。 一応公園のようでしたが・・・。
上の画像の場所は高井城というところの跡地だそうです。 詳しくよく知らないので・・・
宜しければこれを読んでください。
そしてそこを抜ければ、こんな広場があったのですが、 実はこの場所は地上から結構高いところにあるんですよ。 こんな住宅街の中に。
駅に戻ればちょうど貝塚行きの 電車が入ってきました。 石才駅で見たのと 車両のラインの色が違う。 |
名越駅〜森駅間を車内先頭から。
紀州鉄道の車窓に若干似てる気がします。
森駅に到着しました。 ここも自転車が多くとまっていることから、 結構利用されているんでしょうか?
森駅入り口。やはり小さい。
森駅外観。何か水間鉄道の間の駅って、 ホームの雰囲気があまり変わらない。
森駅の駅名標。シンプルです
森駅ホーム。見た目ほど長くはありません。
森駅ホームから。 こういう風景が多いんですよ。水間鉄道は。
森駅ホームから。 次の三ツ松駅がもう見えてます。 だから次の駅までは歩きます。
森駅の入り口から撮影。 それなりの街が広がっているんです。
森駅を少し出たところ。 商売っ気のあまりなさそうな商店の方々が のんびりしています。 |
のんびりと走っていました。
三ツ松駅に到着しました。 住宅街の中を申し訳なさそうに建っている単線の小さな駅です。
三ツ松駅入り口。小さい駅に小さい看板。
三ツ松駅の駅名標。次の三ヶ山口が破れてます。 何で破れたんだろう
三ツ松駅外観。 貴志川線の山東駅にちょっと似てる気がします。
えらく錆びていますが、 ブザーはきちんと鳴っていました。
水間鉄道の各駅に見られる長いベンチ。 ここが一番長かった(・・・と思う)
駅近くの遮断機。家との距離が近い
駅ホームから見える近くの学習塾の看板。 何となくおそ松君を思い出してしまった
駅周辺を探索していたら、 地元の国会議員である松浪健四郎議員のポスターを発見。 髪の長いのが特徴ですけど、 もはや答弁中に水を吹っかけた 映像しか思い出せない。
駅ホームから見た、次の三ヶ山口方面。 終点まではもう歩いても行ける距離です。 |
三ヶ山口駅に到着しました。 ここは少し山に近いところにあるのですが、 近くを大阪外環状線が走っており、 やはり郊外っぽさは抜け切れません。 この画像を見る限りでは かつて改札になっていたのでしょうか。 それとこのミラーはいるのかどうだか・・・。
三ヶ山口駅の入り口の看板。小さいです。
三ヶ山口駅の駅名標。こんな落書きしちゃいけません。
三ヶ山口駅外観。 それにしても水間鉄道は駅の風景があまり変わらないな〜。
駅ホームから。 こういう感じの景色ばかりですが、農作業してる人と 電車の写真なんかが合う感じです。
貝塚方面の電車が去っていきました。駅周辺同様のんびり走ってます。
駅入り口付近。こんなに自転車がとまっているんですが、 本当にこれだけの人が使っているんでしょうか。
駅周辺の案内板。 次の終点・水間駅が書かれているのはどうなんでしょうか。
ここまで見ればもうお馴染みになった、 水間鉄道の駅のベンチ。 背もたれの割に足の方の高さがない。
上の画像のベンチに書かれた落書き。 書かれたのが大体いつごろか分かりますね。 実はこの駅に限らずですが、 水間鉄道の駅には落書きが多かった! それこそまさに残念!
ここは三ヶ山口駅から約10分程歩いた所にある「善兵衛ランド」 プラネタリウムやカルチャーセンター等の施設がある 貝塚市立の建物です。
これは迫力ありました。
善兵衛ランド前にある石碑
同じく善兵衛ランド前にある石碑。
善兵衛ランドの建物の裏にある池。 この風景に、しばしここが大阪府である事を忘れました。
同じく善兵衛ランドから見た貝塚市の景色。 やはりここが大阪府だという事を忘れる。
駅に戻ってホームから水間方面を拝む。 もう水間駅に電車が止まっているのが見えます。 |
終点水間駅に到着しました。 ご乗車ありがとうございました。 この駅のホームは中々いい感じ。 ローカル線の中の中心駅で、いかにも名所がありますよ! って感じが凄く出てる雰囲気を持っているように思います。 終着駅の車止めもいい感じでした。 画像が無くてすいません。
水間駅の駅名標。 「貝塚方面」と書かれているのがいいな〜。
勿論この駅は水間鉄道の中心駅。 いくつもホームがあります。
そしてこれが今回の目玉と言ってもいい、水間駅の駅舎。 この駅は「近畿の駅百選」に選ばれていて、以前から知っていたのですが、 今回改めて見てこのノスタルジーさに魅力を覚えました。 ローカルな駅って感じではないですが 周辺の山の霊気というか雰囲気にも とても合っている素晴らしい駅舎です。
駅の待合室もこんな感じ。 この自動券売機も古き良き私鉄の券売機っぽい感じが 出てるんです。
同じく駅の待合室にて。 この駅の最寄でもある水間観音の案内板。 後ほど御紹介します。
この駅は「登録有形文化財」なのです。 それだけ芸術的な駅舎だと思います。
先程も言いましたが、 この駅は「近畿の駅百選」に選ばれた駅です。 「近畿の駅百選」とは毎年定期的にJR、私鉄問わず 素晴らしい駅舎を選んでいるのです。 私の知っている限りでは京阪電鉄の萱島駅。 南海電鉄の浜寺公園駅などが選ばれています。
駅前の風景です。 何かあまり土産物屋って感じのところはなくて、 ひっそりとしていました。
水間駅に静態保存されていた電車。 社員の休憩所になっていました。
水間駅の車庫。勿論この駅は中心駅です。
水間観音に向かって歩き出してすぐにある看板。
水間観音入り口。 もうすでに何か空気が違う。
同じく橋を渡った入り口付近。 さらに何か霊気が漂った感じ
2つ上画像の橋から見た川。 しばしここが大阪である事を忘れる。
入ってすぐにある水間観音の観音像。
境内内にある三重の塔。画像よりは立派でした。
勿論煙は浴びましたよ〜。
これが水間観音の本殿。 私はあまりそんな事は普段ないのですが、 凄く霊気みたいなものを感じました。
霊気が漂う場所でも、 家族連れなども結構いました。 違和感がなかったな〜。
水間寺近くにある「お夏清十郎の墓」。 とても切ないお話でした。 よろしければ調べてみて下さい。 |
そうではない地域である貝塚市を走る水間鉄道をお送りしましたが、如何でしたでしょうか?
この水間鉄道は大阪という土地柄のせいかどうかは分かりませんが、
あまりローカル線として紹介される事も少ない路線なのですが、
ローカル線にある意味必要な要素である(必ずしもそうではない気もしますが・・・)
住宅街、緑、閑静というのがそなわった立派なローカル線であると思います。
現にこの路線も廃線の危機を乗り越え今も走っているのです。
日本のローカル線の現状を打開すべく、このような生活、
そして観光的要素を持った路線がいつまでも走ってくれる事を願ってやみません。
それでは最後に水間鉄道の電車の車内放送をお送りして ネット上の水間鉄道から下車したいと思います。 皆様、長旅お疲れ様でした。
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