このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

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玄界灘に面した風光明媚な港町、佐賀県唐津市に本社を置く昭和自動車。

 

県庁所在地の佐賀市、西の港町伊万里市、そして福岡市内にも営業所を置き、

佐賀北西部と福岡市内を結ぶ高速バスや、貸切バス、

また同系列下にある民放局など、福岡県内でも知名度を誇る会社です。

 

この昭和自動車、通称「昭和バス」。

つい数年前まで元貸切バスを路線車に格下げして使用することにおいては、「珍車の宝庫」として有名なバス事業者でした。

 

市内路線においても、ハイデッカー&トップドア標準装備の豪華仕様の貸切落としが次々に走る光景。

また全国的に廃車されたような年代の高速・貸切バスが、ピカピカの良く整備された状況で路線バスとして走る絶景。

乗降性の悪さというデメリットこそあるものの、奇怪かつバスファンにはあこがれのシーンが広がっていました。

 

また貸切バス改造車が一大勢力を占めていた所以か、車輌の年代やバリエーションはもはや無数。

都会的で、車輌の統一美を誇る福岡市近郊の西鉄バスと対比すると、

路線設定の複雑さや過疎路線が多かったこともあり、ミステリアスな雰囲気が漂っていました。

 

・・2005年頃には、姿を全く見なくなってしまった、昭和自動車の貸切落としの路線バスについて、

特に末期の頃の光景をお送りします。

 

昭和バスのターミナル機能を持つ場所では、どこでもシルバーメタリックのボディを見ることが出来ました。

左は博多駅交通センターの乗車階に向かう前原営業所行き。

右は唐津大手口バスセンターを出る波戸岬行きです。

 

 

東松浦半島の拠点、呼子。

約30分に1本程度、唐津市内へ向かうバスが出ていましたが、貸切落としの車のオンパレード。

(左)路線車では苦労しそうな段差も何のその!結構なスピードで難なく乗り越えます。サスペンションもシッカリしており、乗り居心地も上々でした。

(右)呼子ターミナルのターンテーブル跡で待機する、一日数本の湊経由の唐津行き。ハイデッカー車で悠々と行く玄界灘沿いの道は、快適でした。

富士重ボディだけでなく、IKコーチの車も路線車として大活躍していました。

呼子地区〜唐津市内の路線で活躍するいすゞ車。年式的には、58MCの初期くらいのようです。

この年代の高速タイプの車が、市内路線とはいえ21世紀にもバリバリで活躍していました。

 

 

唐津営業所。シルバーボディから、路線色に塗り直された車もいました。丁度、西工中型の新車や、関西方面からの中古車が入り始めた時期の撮影です。

まるで高速バスの営業所のようですが、全部路線バスです・・。

 

 

シルバーの富士重ボディ。幾何学的な曲線の組み合わせにメタリックな銀色。低い位置から見ると、まるで宇宙船のようでした(笑)

昭和のゴツさと、曲線美が共存し、言葉に表せない妖艶さを放っていました。

玄界灘の先端、波戸岬の国民宿舎折り返し場で待機する唐津行き。

一面の青い海岸と海中展望台を横目に見ながら、狭い坂道を一気に上がると、波戸岬終点。

立て直される前の古ぼけた国民宿舎の玄関前、砂利の広場がバス停でした。

昭和のモノコックボディがよく似合う、素敵な景色のバス停でした。今では綺麗に整備されているようですが・・。

 

 

窓配置にも年代により多数のバリエーション。通称「ななメトロ窓」は、少し古めの車の標準装備!

最初の1席目の窓位置が低くなっているものもありました。

バス雑誌「バスラマ」にて昭和自動車が特集された、2002年頃の撮影です。

貸切落としも相当数が姿を消し、最後の一握りが活躍を続けていました。

 

(左)「出入口」プレートだけが新しめなのが、アンバランス(笑)

(右)路線車に塗り替えられた貸切落としは、最後まで福岡市内で活躍していました。

貸切落としではありませんが、トップドアで購入された路線車も存在しました。

西工E型のトップドア、スタンダートデッカーですが、車内は高速車としても遜色ありません。

 

初めて昭和バスの唐津営業所を訪れたときの写真です。

公道に面した立地もさることながら、大柄で昭和チックな銀バスがゴロゴロしている営業所・・。

昭和も末期の生まれの筆者にとっては、タイムスリップしたような感覚でした。

 

珍車・稀少車・古参車。

これら全てを網羅するラインナップを誇っていた昭和バス。

 

沿線の過疎も進み、大型の貸切落としから、中型の中古車や新車へと、バスのダウンサイジングも進みました。

しかし、西九州道の開通により、劇的な活性化を遂げた高速バスネットワーク等、

不況の続くバス業界において、最近の同社には明るい話題も。

 

・・銀バスこそ居なくなってしまいましたが、昭和バスの巡る風光明媚な玄界灘沿いの観光地廻りは、イチオシです。

 

*注:このホームページは、個人の趣味により作成したものです。また文章は筆者個人の主観によるものです。

実在の事業者とは一切関係が無く、文章に対する見解が異なる可能性があることをご承知おき下さい。

 

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