このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

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熊本県南部、人口約3万4千人の人吉市。

城下町として栄えたほか、球磨川下りや温泉等の観光地や名勝地を有する街としても有名です。

 

 

この人吉のバス路線を一手に引き受けるのは、九州産業交通人吉産交(営業所)

 

中型、小型、マイクロバスが人吉駅前を拠点に各方面に、決して本数は多くないものの、バス路線を有しています。

盆地に囲まれた地形であることから、終点の多くは山間の集落。

狭隘路が多い風光明媚な秘境路線のオンパレードです!

 

・・人吉市からくま川鉄道沿いに東へ向かい、

宮崎県境にも近い「古屋敷」まで行くバスにて往復しました。

 

(左)人吉駅前。バス停は画面の左奥。

 乗車したのは、これと同型の日野リエッセです。

 

※バスの乗務員の方のご承諾を得、座席に着席した状態で撮影しています。

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この日の天候は降り続く大雨。

盆地かつ、複数の河川が合流する地形の関係で、洪水に見舞われることも多かったようです。

 

車掌から見た球磨川。

かなりの増水具合です。

くま川鉄道沿いに沿線をこまめに停車。

あの昭和の冤罪事件「免田事件」の舞台ともなったあさぎり市免田、錦町、多良木町を経由し、鉄道の終点、湯前町湯前駅へ。

ここまでが約1時間。

この先30分ほどが人吉盆地を離れ、山間の狭隘区間に入ります。

バスの本数もグッと減ります。

 

 

(下左)のどかな田園地帯。

 

(下右)水上町役場。ループ橋を通って直進するのが市房登山口行き。さらに進めば宮崎県椎葉村です。

古屋敷行は左折し、この系統だけの独自区間を進みます。

福岡で言えば、能古島の山道に似ている景色。

 

(左下)右手には市房ダム。球磨川の洪水調整や灌漑の目的で作られたダムだそうです。対岸は、市房登山口行が通る388号線。

 

(右下)右手にダムが広がり、山間の景色が広がります

 

左手の山肌からは、大量に吹き出る泥水と押し流された土砂。

 

バスは何事もなかったかのように通過。

 ダムを超える橋。

対向車は間違いなく橋の手前で待機ですが、そんな心配も不要なほど車の通りはありません。

 

 

 

(下)ダムに流入する小さな小川を超える橋は、道の半分が工事中。

さすがのリエッセも徐行。道幅はスレスレ!

 

ダムを超えてさらに山中へ。

道幅がまた元に戻ります。

球磨川の源流の方向へとバスは山を進みます。

 

(左)右側の岩肌から、スプラッシュ・マウンテン。

かなりの量と速さで水が道路を横切っています。

古屋敷郵便局。

こんな山中にも郵便局があることに感動。

 

 

(下左)古屋敷終点。小さな集落です。

バスは左手に曲がり待機所へ。

 

・・この古屋敷止めは平日一日6往復・土曜休日は一日4往復。

このうちそれぞれ2往復だけが、さらに奥の「柳原行き」となります。

人吉駅前の時刻表では、古屋敷行としか表示されず、気が付きませんでした・・。

乗ってきた便は、古屋敷止め。柳原はいつかにお預けです。

 

 

 

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人吉方向は画面奥です。

古屋敷集落を振り返り。

この道が折り返し場へと続く道です。

古屋敷の待機所。道路の路肩・・。

川が濁流となって流れる音しか聞こえません。

 

夜には、トトロでも出てきそうな雰囲気です。

 再び乗ってきたバスで人吉市街へ。

 

(下左)ダム沿いの来た道を戻ります。

運転士さんより「昔はもっと乗っていたんだけど・・」とのお話。

 

(下右)こちらも大量の水が・・。

 行きがけにも渡った橋。

苔むした標識によれば、14t以上は通行できない模様です。

 

 

 

(下左)球磨川の流れがさらにひどくなっていました。

右岸の田圃まであともう少し。

 

(下右)市街地を走るリエッセ。

人吉駅前に無事到着。

片道約1時間30分、料金は1210円。

乗りごたえのある「リエッセ」です。

 

(参考サイト)

・九州産交 古屋敷バス停時刻表

・九州産交 人吉地区路線図

 

 

 

 

特段計画もなく、SUNQパスも持たない状況でした。

現金支払いの運賃は、往復2500円弱。それに午後は五木村方面にも乗車したため、この日の路線バス代は約5000円。

仮に福岡を往復した場合、1日でSUNQパス全九州版の元が取れる計算です。

恐るべし、SUNQパス!!

 

 


 

 

古くからの城下町ということもあり、人吉市内のミニ観光もおすすめです。

 

(上左)人吉城跡より人吉市街。手前は球磨川です。

(上右)夜の人吉市街。球磨川の流れの音が響き、とても情緒的です。

 

(参考サイト)

・人吉観光協会

 

 

なお、人吉は鉄道よりも高速バスが便利な街。

福岡、熊本、宮崎、鹿児島。主要都市間を結ぶ高速バスが、人吉インターで客扱いをする関係で、結構な便数がやって来ます。

綺麗に改装された人吉インターバス停。朝夕にはスーツケースを持った待合客でいっぱいになることも!

 

・・弱点は人吉インターと、人吉市街地とのアクセスが悪いこと。

産交市内バスは一日10本。

荷物を持つと現実的ではありませんが、歩くと約2kmの道のり。

バス停の裏で待機するタクシーに頼るのがよさそうです。

 

 

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