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西鉄バス写真集 「廃車の美学」 去りゆく最期の顔を見つめる | |
| 華々しく新型車がデビューする先、 必ず迎える最期の時。 「廃車」。
走り続けた街との今生の別れ。
混雑した朝のラッシュ。 買い物客や高齢者の生活を支えた昼下がり。 超満員で走った休日のイベント臨時。 青春の詰まった学生たちの帰り道。 家路を急ぐもやわらかい雰囲気の夕方ラッシュ。 疲労と酔客を乗せて今日の最後まで走り続けた深夜便。
幾千の役目を果たし、誰にも知られず街を去る。 もう舞台は無い。現実を前に凛と佇む美しさ。 最後の姿を記録しました。
★撮影に当たり、営業所への見学許可、および車内への立ち入る場合はそれに対する許可を得ています。 |
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| 西鉄路線バスの寿命は、昔は15年程度、 今は20年弱が目安。 2014年現在、58MCの退役が急激なペースで進んでいます。
(写真上)宇美営業所/2823号車(1993年式) 新製から廃車まで、宇美地区を担当し続けた生え抜きの車でした。
1990年代後半に宇美営業所で撮影。 「ハンペン」こと西工53MCと、58MC初期の「銀サッシ二段窓」が肩を並べて最期の時を待っています。
・宇美営業所/3748号車(1983年式) 最後は教習車で走っていました。
・原営業所/1859or1864号車?(1984年式) かん高いエンジン音が特徴のいすゞCJM。晩年は二日市発着の路線で活躍していた車です。 |
| ・原営業所/1864号車?(1984年式) 営業所の駐車場に留置中のいすゞCJM。 抜き取られた方向幕と、力なく開いたままの扉が、 この車の運命を物語っています。
左側の3929号車(1985年式)も、 どうやら廃車の模様。 わずか1歳違いながら、モデルチェンジのため 印象は大きく異なります。 |
| ・早良営業所/3888号車・3886号車(1983年式) 和白営業所に大量配置されていた、 21番志賀島線用の58MC初期の豪華仕様車。 見かけこそ赤バスですが、車内は急行仕様でした。
末期に短期間だけ早良に転属。 そのまま廃車を迎えました。 |
| ・愛宕浜営業所 左から ・8565号車(1991年式) ・8562号車(1991年式) ・8708号車(1992年式)
いずれも城南線経由の路線などで活躍した、 日野58MCの中堅大型路線車。 純正路線バスのデビューにより、 続々と廃車が進みました。
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| ・廃車の車内。現役車両に無い寂しさ。 屋根からの運賃表や、運転席横の運賃箱。 運転席周辺の機材は既に取られています。
赤間急行専用車として活躍したE型。 赤間営業所/8818号車(1993年式) |
| 同車の側面。 宗像から天神までの中距離輸送用に、 採用されたスタンダートデッカーのトップドア。
残念ながら、全車姿を消しました。
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| ナンバーを切られ、営業所の隅に留置される廃車群。 全て月の浦営業所で、住宅地対西鉄電車駅輸送を 担っていた車輛です。
・4600号車(4600号車) ・8921号車(1994年式) ・8920号車(1994年式)
中型車の寿命は、大型車よりやや短めです。 |
| ・金武営業所/2591号車(1991年式)の車内。
廃品モケットと一緒に処分待ちか? 整理券発券機などの機械も全て撤去されています。 |
| ふそうの運転席。 運行に必要な電子機器類は撤去され、 あとは廃車回送に向け走行に必要な機材のみ・・。 |
| 高速車の廃車。
・田川営業所/4911号車(1994年式)。 新製当時から、福岡と飯塚・田川を結ぶ 「筑豊特急」で活躍し続けた生え抜きのS型。
一見、今から走りだしそうな外観ではありますが、 後方の方向幕は撤去済み。 |
| たそがれの4911号車。
ほんの少し前までは、西鉄の「顔」だったS型高速車。
県内の高速路線では、急激に数を減らしています。 |
| ・久留米営業所/8461号車(1990年式) 懐かしいS型旧グリルの車ですが、 側面固定窓+3列シートの豪華仕様です
まだナンバーは切られていませんが、 廃車待ちの定位置に止められた姿。
新製当時は、福岡−佐世保間の高速車として 活躍していましたが、同路線の4列シート化等により、 晩年は久留米−飯塚の都市間特急バス「冷水特急」で 活躍していました。 |
| 長距離用のフラッグシップにも、 廃車の時は訪れます。 2008年、フェニックス号(福岡−宮崎)の新旧交代。
・福岡高速営業所/3129号車(1996年式) フェニックス号専用カラーのSD—Ⅰ。 ・福岡高速営業所/9912号車(2008年式)
福岡高速営業所の最奥部の駐車スペースには、 廃車か、廃車待ちの車が泊まっていることが 多いようです。 |
| 上記で紹介した、福岡高速の駐車スペース。 2014年夏には、ナンバーを切られたムーンライト色が 駐車。
・3135号車(1996年式)
幕を抜かれ、ナンバーを切られた姿。 エアもだいぶ抜け気味のようで、 車高が落ちています。
同カラーも、完全引退まで秒読みです・・。 |
| 昔の営業所が、そのまま留置車・廃車置き場に。
田川市の西鉄伊田営業所跡地。 未舗装の敷地には、用途の無くなったバスが、 一時的に留置されていることがあります。
営業所自体も退役しましたが、 細々と活用されています。 |
| 福岡市早良区の脇山営業所跡地。
四箇田団地・金武営業所・脇山営業所・・。 福岡地区には、大量に車輛を置き換える時期に、 一時的に廃車を集結させる場所がありました。
各地から集められてた退役車輛が、 旅立ちの時を待っています。
・宇美営業所/4807号車(1993年式) ・宇美(早見)営業所/5000号車(1995年式) ・宇美営業所/2817号車(1993年式) ・鳥栖営業所/2632号車(1992年式) ・鳥栖営業所/2653号車(1992年式)
現在は、西鉄の太陽光発電施設が建設されたため、 脇山に廃車が集結することは無くなりました。 |
| こうしてみると、ただ営業所の隅に 集められただけのように見えます・・。 |
| 油山と背振山に囲まれた丘陵地帯。
のどかな雰囲気の中、明日・明後日かもしれない
最期の日を待っています。 |
| 毎日活躍していたはずが、
いつの間にか老体に。 |
| 永遠に走り続ける車なんて、
存在しないことは分かっています。
バスとはいえ、大きな機械。
寿命が来れば代替される存在なのは、当たり前のこと。
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| バス停を見る横目。
「まだ走れる」
仮にそう思っていても、叶わぬ夢。 |
| 廃車が辿る道。
西鉄バスの場合、 海外輸出、現地で第二の人生を歩む車もある一方、
県内の自動車解体場で、多くのバスが 「鉄」や「資源」のかたまりに還されています。
ただの車。ただの機械。ただの物。
そこに愛着を感じ、一台一台の個性を見抜き、 想いとあこがれを抱くからこそ、 この趣味は楽しく、また別れも悲しくなるものです。
凛と去りゆく愛車達に、栄光あれ。 |
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