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西鉄高速バスの珍しい車両.jpg 

 

西鉄バスの高速車.JPG

 西鉄県内・近距離高速バスの標準塗装、

通称近距離高速カラー(ピンク高速)。

 

1998年まではS型のハイデッカー車が、

2000年からはB型のスタンダートデッカー車が、

それぞれ大量に配備されています。

 

いずれも横4列×11列、トイレ無しの車内。

統一されたラインナップは合理的で、統一美をも感じさせます。

 

 

・・一方、この近距離高速カラーに身を包む車両の中には、

イレギュラーな仕様の車が存在していました。

 

貸切転用・他塗装からの変更・試作車。

西鉄高速バスの大勢力を誇る近距離高速の中で、少数派な車の一部をご紹介します。

 

 

 

西鉄観光ロイヤルハイデッカー C−Ⅱ型改造車 8401号車・8438〜8440号車 (福岡〜下関線)


ふくふく号の西鉄高速バス.jpg

 

 2001年に運行を開始した、「福岡天神〜下関線」ふくふく号

 

同路線の運行にあたり、観光用の1989年式ロイヤルハイデッカー4台が、

高速転用をされ専属運用に就きました。

 

西工C−Ⅱが高速車として運用されるのは、

繁忙期の続行便や臨時高速を除けば例がないのでは?

 

少なくとも、近距離高速カラーをまとったC—Ⅱは、この4台だけです。

 

 

(左)天神バスセンターに到着した天神行、8401号車。

この車の「勝ち席」は後方サロン部分です。

 

(下左)下関行、8439号車。

前方のアンドン部分が方向幕改造されています。

 

(下右)当時は全車福岡高速営業所所属でした。

ふくふく号の西鉄高速バス.jpg

 

西鉄高速の貸切改造、転用を受けたバス.jpg

 

天神地下街工事中の渡辺通り.jpg

西鉄高速の貸切改造、転用を受けたバス.jpg

 (左)天神を走る下関行の車内から。

地下鉄七隈線開業に向けた、天神地下街延伸工事のため、渡辺通の車線が凄いことになっていた時期です。

 

(中)横は、西鉄では珍しいサボでした。

 

★全車退役

 

 

西鉄観光スケルトン C−Ⅰ型改造車 2423・2461号車 (福岡〜佐賀線→スクール転用)


 西鉄高速の貸切改造、転用を受けたバス.jpg

同じく高速転用を受けた元貸切車。

こちらは後方サロンの無いC−Ⅰ型です。

 

 

2000年前後だったかと記憶していますが、

福岡〜佐賀を走るわかくす号の増便に合わせ、観光用のスケルトン60が2台、高速転用されました。

こちらは通常の高速車より1列多い、横4列×12列(60人乗り)の詰め込み型。

前後のシートピッチもやや狭めです。

 

 

(左)天神バスセンターに到着した2423号車。

 

(下左)天神橋口交差点の2461号車。ノンストップわかくす号。

(下右)佐賀〜福岡空港の運用に入る2461号車。

 わかくす号、西鉄高速バス.jpg

 

 西鉄バス2461号車。わかくす号.jpg

 

 西鉄バス2461号車、スクールバス.JPG

 

1990年式の2461号車については、

わかくす運用を離脱したのち、福岡市南区の桧原営業所で特別支援学校用のスクールバスとして活躍していました。

 

(左)スクールマークと、号車番号を貼られた2461号車。

 

※車内撮影に際しては許可を得て行っています。

 

 西鉄高速バスの運転席.JPG

▲運転席。スーパークルーザーの運転席。棒ギアです!

 

 西鉄バス2461号車。わかくす号.JPG

▲通路と運転席の間は丈夫な仕切り板。運賃箱はどこに置いていたのでしょう?

 

 西鉄バス2461号車。わかくす号.JPG

▲赤茶色のシートが並ぶ車内。座面は緑色モケット。アンバランスが凄い。

 

 西鉄高速バスの車内.JPG

▲後方から座席を見る。手すり兼灰皿の存在は貸切車ならでは。

 

 西鉄高速バスの前面展望.JPG

▲運転席と前列の間。前面展望は良さそうです。

 

 西鉄高速バスの車内.JPG

▲貸切時代の冷蔵庫も、付いたままになっていました。

 

 

 

西鉄S型 直結エアコン試作車 8617号車 (福岡空港〜久留米線など)


西鉄バスの試作車、福岡空港の高速バス.jpg

 

注目は屋根の上

エアコンユニットを屋根上に配置した、直結エアコンを搭載

 

床下のトランクスペースが2スパンと広く取られています。

(通常のS型は1スパンのみ)

直結の西鉄S型は、1992年式の8617号車、1台だけの存在です。

 

福北ラインで使用後、久留米発着の高速路線で使用されていました。

 

 

・・余談ですが、撮影場所は飛行機好きの方はお察しのとおり、

福岡空港34ランプエンド付近の歩道橋の上。

最近は行っておりませんが、

電線さえクリアできれば飛行機もバスも撮れる、なかなかのスポットです。

 

なお、この周囲には自販機が極端に少ないうえ、公衆トイレは皆無。

写真後方のマクドナルドに、大変お世話になっておりました。

西鉄高速バス8617号車。直結試作車.jpg

福岡空港〜久留米高速で活躍していました。

 

多客時には、収容能力自慢のトランクが活躍したことでしょう。

 

 

西鉄S型 旧グリル改造車 4425号車 (福岡〜行橋線)


 西鉄高速バス改造車、4425号車.jpg

 

 一見、何の変哲もないS型ですが、1989年式。

S型旧グリル(弁当箱)から新グリルへの改造車です。

 

福岡〜行橋線で活躍していました。

 西鉄高速バスのコスモス号、4510号車.JPG

 

 1990年式まで旧グリル導入かと思いますが・・?

 

飯塚〜小倉特急で活躍した4510号車。

これも旧グリル改造でしょうか??

 

 

西鉄E型標準床 赤間急行塗装変更車 8620・8621号車 (赤間急行)


 赤間急行、E型.jpg

 

赤間急行でお馴染みのE型市内急行カラー(通称:青バス)。

このうち少数が近距離高速カラーに塗り替えられました。

 

B型高速とそこまで違わないはずですが、

妙に重たく見えてしまいます。

前面バンパーを白く塗っていたら、もう少し印象が違ったのでしょうか・・??

 

赤間急行の他、

千代営業所に転属し、運行開始当時の九大伊都キャンパス急行でも活躍しました。

 赤間急行、塗装変更のE型.JPG

 

 西鉄の急行バス、赤間急行.JPG

 

 

 

西鉄S型 トイレ付仕様車 4647・4648・4650・4651 (元福岡〜行橋・中津線 専用車)


 西鉄高速バス、なかつ号。久留米駅.jpg

 

西鉄のS型高速のトイレ付。

ひのくにやさせぼ、とよのくにで数多くみられるタイプですが、

デビュー当時より「ピンク高速色」に限ると台数が絞られます。

 

1992年に福岡〜行橋間の高速バスが、大分県境を越え中津まで延伸された際に、

増備された車です。4列シートではありますが、所要時間の関係からかトイレ装備となっています。

 

外観上は、1番前の固定窓とトイレ以外ほとんど区別はありません。

・・もし、火の鳥カラーに塗られていれば、全く珍しくない車です。

 

なかつ号、ほどなく行橋までに区間短縮され、同路線で活躍していた車両も。北九州〜久留米線に転属。活躍の場を移しました。

 

★全車退役

 

(左)西鉄久留米駅のバスターミナルに到着する4650号車。旧社紋+小さめのVIロゴが併存しています。

 西鉄高速バス 久留米〜北九州高速.JPG

▲小倉砂津で待機中。側面までの「化粧室付きバス」が誇らしげ。

 

 京町営業所の西鉄高速バス.jpg

▲京町の待機場に止まる4648号車。旧グリル用の幕を搭載しているためか、方向幕の上下が切れています。

 

 

 

西鉄S型 3列シート/トイレ・ラジオ付仕様車 のうち、4581・4582号車 (福岡〜唐津線など)


 からつ号の西鉄担当便、4581号車.JPG

▲博多営業所で待機するからつ号。背もたれの分厚いこと!

バブルは、西鉄近距離高速路線へもやって来ていました。

 

1992年に導入された、4581号車・4582号車・8610号車。

外観は、一見何の変哲もない新グリルの高速車(当時は福北ラインカラー)。

 

しかし車内は、3列偏心シート・トイレ・ラジオスピーカーを内蔵した座席背面と、デラックス尽くしの車でした。

今思えば、福岡〜大宮のライオンズエクスプレス以上の装備。夜行続行にも使えそうな車です。

 

この車の新製投入は、福岡〜小倉線

B型高速が闊歩する今では遠い存在となってしまいましたが、当時の福北ラインの時刻表には、トイレ付車両で運行される便にはマークが付けられていました。

 

 

定員の少なさも影響したのか、その後各路線に転属。

45代の2台は、1993年に運行を開始した福岡天神〜唐津間のからつ号の専用車として活躍。

2001年に同路線から西鉄が撤退したことを受け(昭和自動車の単独運行へ)、いまり号→小倉〜宇部・小野田の試験運行路線→鳥栖プレミアムアウトレット線→小倉〜久留米高速と活躍の場をめまぐるしく移しました。

 

下では、からつ号時代の写真をご紹介します。

 

※8610号車については、写真がありません。

 

 からつ号、豪華な高速バス.JPG

▲天神出発直後。切れていますが、運賃表に注目。固定運用かつ運賃が全区間均一だったことから、プレートがはめ込まれていました。

 

 西鉄高速バスの車窓.JPG

▲都市高速はももちランプまでしか開通していませんでした。この後、よかトピア通り〜マリナタウン〜外環状経由で捨六町方面へ。3列シート車で走る福岡市内は新鮮でした。

 

 福岡外環状線、西鉄バス.JPG

▲外環状道路の白十字病院前バス停付近。都市高速はまだネットがかぶせられています。今では片側2車線かつ広い歩道の整備された道となっています。この先、福重を右折し、西九州道へと進みます。

 

 からつ号、西鉄便.JPG

▲二丈浜玉道路を唐津方面へ快走!

 唐津営業所、昭和バスの西鉄.JPG

▲昭和自動車唐津営業所で待機するからつ号。都市高速直結前の「からつ号」を侮ることなかれ。1時間少々の所要時間にも関わらず、西鉄は3列トイレ付。昭和に至っては独立3列のスーパーハイデッカーを投入。・・西鉄の左は、昭和の県内高速路線(唐津〜佐賀)用のセレガに、パンダエアロ。どちらも元夜行用です。。

 

 西鉄、豪華な高速バス.jpg

▲対面通行時代の西九州道。沿線も今ほど開発が進んでおらず、九州自動車道経由の県内高速とは違う、のんびりとした雰囲気の路線でした。

 

 

 

西鉄S型 元ウィンドミル専用車 8332号車 (江見特急など)


 ウィンドミル号、西鉄高速バス。長崎オランダ村.jpg

 

 1989年頃に運行を開始した、

福岡天神〜長崎オランダ村間の高速バス、「ウィンドミル号」の元専用車です。

長崎自動車との共同運航でしたが、短期間で運行終了。

専用車の8332号車は他路線転用の上、久留米地区に転属。山鹿〜久留米間の長距離快速路線等で活躍。

 

末期は佐賀営業所に転属し、佐賀〜久留米間の江見特急の専用車として余生を過ごしました。

 

前面1枚扉に、観音開きの乗降扉など独自の仕様と雰囲気を醸し出す車でした。

この仕様は、8332号車、1台限りです

長崎オランダ村の高速バス、ウィンドミル号.jpg

▲観音開きの乗降扉がオープン。

 

 西鉄バス、8332号車.jpg

▲側面には方向幕が無く、ラミネートした紙が貼られていました。

 

ウィンドミル、西鉄高速バス.jpg

▲車内の様子。懐かしの禁煙席プレートに、右下には「おしぼり入れ」プレートまで生存。・・西鉄高速の中距離高速バスは、1993年まで前方4列のみ禁煙。それより後方は喫煙席でした。禁煙席のみで見られたのが、このプレートです。

 

 珍しい方向幕、西鉄高速バス、ウィンドミル.JPG

▲あるコレクターの方が所蔵する、高速ウィンドミル号の方向幕。県内のある営業所にて販売されました・・。よく残っていたなと、ため息が出ます。

 

 

 

その他 (運用・所属・行先など・・)


 江見特急の45番、S型.jpg

▲佐賀営業所名物。高速車で運行される「45番」。佐賀〜久留米を結ぶ路線ですが、江見特急の間合い運用で朝の1往復だけS型が担当していました。

 

 九大急行、西鉄高速バス、S型.JPG

▲千代営業所所属のS型高速、8540号車。ご存じのとおり、九大伊都キャンパス急行で短期間だけ活躍しました。油断して現役時代の写真を撮れず・・。

 

 福北ライン、S型.JPG

▲北九州高速営業所の車に搭載される、千代ニュータウン行の幕。製造時期が新しい幕は、このように黄緑色のカラフルなデザインとなっているようです。

 

 マリンメッセ、波動用の高速バス.JPG

▲左に同じく北高のマリンメッセ臨時幕。他には見ない独特のフォントです。

 

 


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一大勢力の「ピンク高速」の中での少数派。

乗る側からすると「当たるとラッキー」な存在でしたが、

運用面では使いまわしがやりにくい車だったのでしょうか。

経年化もあり、ここに載せたほぼすべての車が退役済みです。

(作成日) 2014.02.09

 

 

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