このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください



《番外編》
東日本旅客鉄道

 2011年3月11日に発生した東日本大震災で、沿岸を通る気仙沼線、大船渡線、山田線が襲来した津波によって甚大な被害を受けた。復旧には長期間かかることや、津波によって壊滅した都市の再建が優先され、その都市計画に沿って鉄道が復旧されることから、まだ復旧工事には着手していない。
 その復興・再建にかかる工事のために、一般道を通っての代行輸送は渋滞に巻き込まれている。そのため、BRT(バス高速輸送システム)を導入して、「当分の間」線路を撤去して舗装した上でバス専用道を設けることになった。専用道代行バスを運行させることで、定時運行を確保するのである。まだ運用は一部区間だが、順次専用道区間を拡大していく予定だ。
 JR東日本のバス事業は、1988年にJRバス東北、JRバス関東に分離しているが、BRTはあくまで「代行」であることから、東日本直営によって行われる。運行はミヤコーバス、岩手県交通に委託されるが、車両・設備は東日本所有で、運転士の制服も東日本と同じものである。
 代行バスの駅は専用道と一般道にBRT専用ポールが設置されるが、鉄道時代の有人駅には、窓口と待合室を持った駅が設置されることになった。BRT駅として運用を開始した駅の姿はかつての自動車駅を彷彿させるものである。

気仙沼線

志津川駅Shizugawa しづがわ
■所在地:宮城県本吉郡南三陸町志津川字御前下
■発券状況:入場券を除く、乗車券、定期券、回数券、指定券。
 被災した鉄道線の志津川駅から北へ1キロ米谷方面に向かう国道398号沿いにある。BRT運行当初は旧駅と同じ場所に設置したが、周辺の市街地は津波によって壊滅していることから、住宅や営業を開始した「南三陸さんさん商店街」のそばに移転している。このため、バスは行きと帰りに2回休止中の気仙沼線を跨いで渡ることになり、破壊された旧駅を見ることになる。
 駅業務は東北総合サービス(TSS)に委託しており、ほぼ日勤帯の営業時間で、年中無休。BRT線内乗車券も発行するが、鉄道駅ではないため、入場券は発行しない。

大船渡線

陸前高田駅Rikuzen-Takata りくぜんたかた
■所在地:岩手県陸前高田市鳴石
■発券状況:入場券を除く、乗車券、定期券、回数券、指定券。
 被災した鉄道線の陸前高田駅から北へ2キロ竹駒方面に向かう国道340号沿いの陸前高田市役所仮設庁舎そばにある。駅舎は窓口だけで待合所は右隣の観光案内所にあり、トイレは市役所庁舎内のものを使う。駅向かいは山を削った採土場であり、壊滅した市街地の盛り土工事のためにダンプカーがひっきりなしに往復しており、騒々しい。
 駅業務はジャスターに委託しており、マルスが設置してあるため、みどりの窓口の看板がある。ほぼ日勤帯の営業時間だが、日曜・火曜・木曜のみの営業。BRT線内乗車券も発行するが、鉄道駅ではないため、入場券は発行しない。



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