このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください |
このページを設けるにあたって
まえがき
〜バス駅ってなんだ?〜
国鉄時代、鉄道線の延長線にある国鉄バス路線を「自動車線」として共に一本の「国鉄線」として扱ってきた。その路線上には発券窓口のある施設、鉄道に倣って「駅」を設置し、乗車券を発券し小手荷物を取り扱うなど、乗客の利便を図ってきた。
民営化以降、JRバスの鉄道会社分離と事業の合理化で鉄道線との通し乗車券の発券中止、乗車券購入を必要としない車内授受が増えて、今やバス駅が単独で営業しているのは定期・回数券発売を中心に僅かである。
また、民営バスにおいても道南バス(洞爺湖温泉駅)、山交バス(蔵王温泉駅)、会津乗合自動車(東山温泉駅、磐梯高原駅)、東武鉄道(日光湯元温泉駅、伊香保温泉駅)、神奈川中央交通(金目駅、豊田本郷駅)、東海自動車(土肥温泉駅)などは、国鉄あるいは自社鉄道線への連絡運輸があったため「駅」と呼ばれる施設を設置してきた。1960年代まで時刻表に「○連」(連絡運輸実施)や「○非」(非連絡運輸)の表記があり、バス路線においても現在の私鉄並みに連絡運輸をしていた。国鉄民営化後の1990年頃までに大幅に取り扱いを中止し、現在は殆どの民営バスで連絡運輸を廃止している(広島空港連絡の芸陽バスのみ現存)。
その他の民営バスでは営業所(車両配置のない窓口だけでも)、出張所、案内所、待合所、売札所、バスセンター、バスターミナルと呼称は様々であるが、「駅」に相当する施設の設置があり、現在においても硬券乗車券を置いていたり、発車ベルを鳴らすバス駅が見られて大変興味深い。
「バス駅のページ」では、旅情誘われ哀愁漂う、全国に点在するバス駅を紹介していきます。
バス駅への思い
インターネットを始め、本などを含めたメディアでは鉄道の駅に関する本やサイトが数多くあります。私自身、駅の写真を撮ることもありますし、それらを見ることも良くあります。しかし、バス駅に関する情報は数少ないのが現状です。バス駅のそれは鉄道駅と変わらない役割を持つ所もあるし、鉄道駅の存在を超えるバス駅もあります。小屋一軒どころがプラットホーム一つの鉄道駅が数多く紹介されているのに対し、バス駅に関する情報はJTB時刻表の「市の代表駅」扱いでも殆ど情報がありません。
そんなバス駅にスポットを当てて、路線バスで旅をする上で役立てて欲しい、または路線バスの旅の魅力と感じてほしいとの思いで作成しました。
異論
〜バスは「駅」を名乗ってはいけないのか〜
「『駅』とは鉄道駅のことを言うのであって、列車が来ないのに『駅』を名乗るのはおかしい」として、バス駅の改称を行政評価局に苦情申告する方が居るそうです。
元々は「駅」とは、江戸時代は「宿駅」のことを指し、後に明治初期の北海道では開拓期に「駅逓」を設置し、交通が不便な地に駅舎と人馬を備えて、宿泊と運送の便をはかっていました。そして鉄道開業で鉄道駅が登場することになりますが、開業当初は「停車場」と呼ばれており、「駅」を名乗るのは後のことです。
鉄道が発達し、さらには「鉄道敷設法」によって全国を鉄道で結ぼうという気運が高まるものの、実際には鉄道建設が困難なことが増えて、鉄道開業を先行、または代行する目的で「自動車線」が開業されます。自動車線にも鉄道線同様の業務を扱うことを求められて「駅」が設置されます。これが「バス駅」の起源となるわけです。目的は同じだったわけですから、「駅」と名乗ることには不都合はないのです。
そして、民営バスでも鉄道、とりわけ国鉄が陸上輸送の重要な位置を占めて居た頃、私鉄線に限らず、国鉄との連絡運輸を担うことが重要視されて、連絡乗車券を発行することなどから「駅」と名乗るようになります。
縮小するバス駅
前述の通り、乗車券購入を必要としない車内授受が増えたことにより、バス駅の役割は縮小しつつあっても、一部の事業者では定期・回数券発行窓口として駅またはターミナルを設置してきました。ここ最近において、バス会社の経営全体を見直した時に、固定資産である駅またはターミナルの存在が負担になり、廃止するケースが見られています。市街地にあることから、負債の解消手段として駅を撤去、用地を売却することにより、経営の安定を図ろうとしています。
経営の面では正論ですが、バス利用者への便宜や利用向上のためには必ずしもプラスになるとは思えません。深川ターミナルを廃止した空知中央バスは屋根付のバス停を設置するものの、厳しい冬季の待合に対応したとはいえず、結局は深川市当局が破綻した旧北海道拓殖銀行深川支店の建物を流用してバス待合所としました。公共交通利用向上を兼ねて事業者と行政の協力は欠かせません。「公設民営」方式で駅またはターミナルの復興を望むところです。
掲載基準
特に明確なルールはないのですが、国鉄・JRの場合は営業中止後の駅舎や元自動車駅で改築後の待合室だけになったものについても掲載。商店などに委託している簡易委託駅についても出来るだけ掲載。鉄道駅に隣接、または鉄道駅と同一にある(自)駅についても掲載。
民営バスの場合、乗車券発売のある駅についてのみ掲載。過去に連絡運輸をしていたかについては問わないが、都市圏の駅前バスターミナルのようなものについては割愛します。
おことわり
データ欄(所在地、発券状況)を設けましたが、これは乗車券等をコレクションになさる方ための資料として公表しますが、郵送依頼による乗車券の購入は迷惑行為になりますので、おやめ下さい。あくまで、来訪して購入するのが趣味の本道と考えます。
★掲載凡例★
(1)運行会社(JRバスの場合は路線名)
[写真]
(2)駅名(3)(現業機関名) (4)Romaji (5)ひらがな
■他社乗り入れ会社:(6)(共同運行会社)
(1)その駅における運行会社、共同運行でも運行会社の窓口がある場合。
(2)時刻表や乗車券、停留所名で使用されている駅名。
(3)その駅がバス会社によって使われている現業機関名(ない場合もある)。
(4)ローマ字表記(2)の駅名に沿うが、語源が英語の場合は英文表記。(*)
(5)平仮名表記(2)の駅名に沿うが、語源が英語の場合は片仮名表記。(**)
(6)その駅における共同運行会社、共同運行でも乗り入れだけの場合(ない場合もある)。
(*)バスターミナル→Bus Tarminal、バスセンター→Bus Center
(**)「バスセンター」などの和製英語でも「ばすせんたあ」のようにしないということ。
※2010年2月19日改訂、共同運行会社の表記位置変更。
お問い合わせ(メール)
[qqk39nwa9@gaea.ocn.ne.jp]の@を小文字にした上で、手入力で送信して下さい。
このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください |