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第32話:幻のラーメンの追え!

〜ブラっと林道+ラーメン編〜



2006年9月


千葉の山中、農村地帯の一角に、本物のアリランラーメンを出す幻のお店があると言う・・・。
さっそく、現地に飛んでみた。

このお店に関する位置的な情報は乏しく、おおよその見当を付けての探索となる。
幸い、一軒目の聞き込みによって、その場所が明らかになった。

農村地帯の一角に、突如現れるお店。
ついに発見!(ついに・・・ってほどでも無いけど・・・)


がしかし!
営業開始時間は午前11時。
現在時刻10時30分。かなり早めに着いてしまった・・・。

縁側で雑巾掛けをするおばあちゃん。この人が店主の方か・・・?

「すみませ〜〜〜ん、ちょっと早く来過ぎてしまったんで、中で待たせてもらってもいいですか〜〜?」
おもむろにおばあちゃんが答える・・・。

「ええよ〜。今お湯沸かしてるけぇ、沸いたら作るでなぁ〜」

あら・・。
かなりフレンドリーなおばあちゃんだ・・・。
と言う訳で、遠慮なく店内で待たせてもらう事にした。

アリランラーメンとは、にんにくやニラ等の滋養食材を使って作った、滋養摂取ラーメン。
疲れた体に渇を入れるには最適なラーメンだ。


店内は普通の農家の土間といった感じ。
10卓ほどしかなく、奥に座敷もあるにはあるが、なんか知らんがおじいちゃんがずっと鎮座しており、
そんなおじいちゃんとの相席でよければ使用可ではある。
実際、ワタシが帰る頃には、1組のカップルがそこでラーメンをすすっていた。

柱に刻まれた背比べの跡・・・。
店内のアチコチに昭和の香りがプンプンする。
どこか懐かしい、そんな房総の片田舎にあるお店だ。

ところで、なにゆえにこんな農村地帯でラーメン屋をやっているのか・・・。
その真相をおばあちゃんに尋ねてみた。

おばあちゃんが答える。

「いや〜、元々はさぁ、息子が突然会社辞めてラーメン屋やるっていい始めよったんや。
それで、ラーメン打つ機械も買うたけぇ、ここで打ってくれって。
で、最初の頃はここでラーメンだけ打ってたんだけんども、
そのうち近所の人らがここでもラーメン出してくれ〜言うて、
近所の人ら相手に始めたんがきっかけさぁ」

更に続ける。

「最初は夜遅くまでラーメン打って、ほいで朝も早くから打つやろ?
えらいこわくてこわくて(こわい=「疲れて」の意)。
今ではだいぶ慣れたけんどもなぁ。それでも、3軒分のラーメン打つんはしんどいわぁ」

更に更に続ける・・・。

「ま〜さか、自分がこんな場所でラーメン屋やるなんて、夢にも思わんかったでぇ。
もうかれこれ、20年近くになるかいの〜〜〜」

お〜〜〜。
なるほど、そういう歴史のある店なのか〜。
3軒分・・・。
そう、茂原駅前に1店舗、もう1店舗の場所は忘れたけど、現在なんと3店舗もあるのだ。

さて、時刻はいよいよ11時。
ツーリング中の団体7名、カップル1組、ワタシを入れて10名で満席。

ほどなくしてアリランチャーシューがその姿を現した!

「アリランチャーシュー、お待たせしました〜〜。」


おお〜〜〜!
その場にいた全員が、なぜか感嘆の声を上げる・・・。

凄い・・・。
何と言ったらいいのか・・・。
とにかく、にんにくの香りがプンプンする。

大きめに切ったタマネギ、炒めた豚肉、そしてなんと言っても、
これまた大きめに切られたにんにくが、その存在を強くアピールする。
厚めに切られたチャーシューがたっぷり5枚。
そのチャーシューを煮込んだ醤油がベースとなるスープ。
いやもう、たまりません・・・!

いたらきます〜

自家製麺は、これまた独特のムチっとした食感で、癖になりそうな味・・・。
いや〜、朝からパンチの効いたラーメンをご馳走になりました☆
気のせいか、疲れが癒えていくような嬉しい感覚に陥る・・・。
どうも、ご馳走様でした〜☆
美味しかったです!

そう、ここのラーメンが美味しいのは、食べてくれる人に対して、
美味しいもの、心底ウマイ!と思えるものを出そうとする、
店主であるおばあちゃんの気持ちがこもっているからだ。
心が抜けたラーメンほどマズイものは無い。
そう、結局最後は人間なんだ。

それにしても、千葉の地ラーメン、侮れん・・・。


さて、次に向かったのは、去年の秋に訪れた杉戸林道。
あの大崩落からもうすぐ1年となる。
その後、どうなったのか気になっていた。

ほどなくして、杉戸林道に到着。
この前と同じように、まず最初に鹿ゲートの方ではなく、真っ向から進んで行った。
すると・・・。

なんと!
完全に修復されているではないか!

こんなだったガケは・・・。


立派に法面も修復され、木々まで植えられている。


湖までなだれ込んでいた土砂は・・・。


完全に取り払われ、しっかりとガードレールまで設置されている。


いや〜、千葉県。
この林道に対してはかなりホンキのようです。
ま、それだけ重要な路線なんでしょう。


と言う訳で、せっかくなのでこの先までバイクを進めてみる。


杉戸林道は、言わずと知れた千葉随一のロングダートを有する林道である。
支線も多く、なかなか走り応えのある林道だ。
しかも、全線ともに比較的走りやすい。
林道初心者でも安心して走れるダートである。

例の怪しい素掘りトンネル入口付近、本線上に土砂崩れが・・・。


バイクだったらなんのことは無いが、車だとおそらくここでUターンを余儀なくされるであろう。
ただ、落石自体は鋭利に尖っているので、タイヤをやられるとパンクする危険性もある。
慎重に、落石を避けながら走る事が大事だ。


先にも書いたが、この林道は支線の数もかなりある。
ま、これだけのロングダートともなれば当然か・・・。
そのうちの一つ、杉戸林道第5支線にて。


この支線、本線から外れ10分も走ると、いきなり行き止まりとなる。


地面には動物の足跡。
猪か鹿か・・・。
実際、至るところでこの足跡を確認する事が出来る。


本線に戻る。
この林道、アチコチに水溜りがあるのも特徴。
全線、鬱蒼とした木々に覆われ、日光が地面に届く時間が短いのだろう。


そんな水溜りの一つ。
アメンボウが居るのは別段、おかしいことでもなんでも無いが、
ここにはなんと、大量のオタマジャクシまでいた。


ここまでくると、水溜りと言うよりは、池だ・・・。
ビックリ・・・。

そんな杉戸林道。
最後はチェーンゲートを横目にすり抜け、県道177号線に到達して終わる。

本日の林道はこれだけだが、地ラーメン+林道という、自分の中では新しい楽しみ方が発見できた。
なんとも素晴らしい組み合わせ!

コレ、はまるかも知んないなぁ・・・。

おわり



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