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第11回 夢の超特急は伝説へ「0系新幹線」


0系新幹線

走れ!夢の超特急
今から40年以上前…1964年(昭和39年)10月1日、日本に夢の超特急「新幹線」が走りました
華やかな開業式典が開催されるまでには数々の物語が生まれてきました。

始まりは日本が高度経済成長期に入った1957年(昭和32年)です。東京・国立にある鉄道技術研究所(現在の鉄道総合技術研究所)の講演会で発表された内容が「東京−大阪間、3時間への可能性」でした。この講演会で夢の超特急は車両の軽量化と空気抵抗の低減を行えば、最高速度200キロを超える事が可能と発表されました。
この公演が認められ、1959年(昭和34年)に新幹線プロジェクトが動き出しました。着工式が行われ、東京オリンピック開催までのわずか5年間で515キロに及ぶレールを結ぶという大工事が始まりました。
しかし、工事が始まったものの肝心の車両・信号通信システムはまだ未完成でした。これまで使われてきた蒸気機関車等では、車両は重ければ重いほど安定すると考えられてきました。しかし新幹線は車両を軽く、低重心にすることで安定化を図りました。形状は航空機の設計技術を生かした流線形の車体を目指しました。信号通信システムは200キロを超える列車を安全に運行するために不可欠なものでした。在来線で用いられている信号機は運転士が確認することが出来ないのでATC(自動列車制御装置)の開発が必要でした。設計と改良は2年にも及びました。
着工式からちょうど3年を迎えた1962年(昭和37年)に試験線と試験車両が完成しました。完成した車両を見たときは誰もがその美しさに息をのみました。同年6月26日、技術者の夢を乗せた「超特急」が試運転線を走り出しました。時速70キロから始まった試験走行は徐々に速度を上げ、半年後にはついに210キロに達成しました。

東海道新幹線想像図(所蔵:鉄道博物館) 速度計

 

世界最速の新幹線誕生
ついに1963年(昭和38年)最後の試験走行が実施されました。この時の目標速度は250キロ。誰もが体験したことの無い未知のスピードでした。列車がゆっくり速度を上げ240キロを過ぎたときに異常な振動が起こりました。しかし試験走行は続けられ、ついに250キロに達しました。さらに試運転線ギリギリまで加速を続けた列車の速度計は『256キロ』を指し、この瞬間に世界最速の超特急が誕生しました。

東海道新幹線出発式(所蔵:鉄道博物館) 開業当時の車内

超特急「ひかり」 行先案内板

1964年(昭和39年)10月1日午前6時00分「ひかり1号」は満員の乗客と共に東京駅を発車しました。
開業時は「ひかり」「こだま」が1時間に1本づつ運転を行っていました。開業から1年間は路盤安定化の為、東京〜新大阪間を4時間かけて走っていましたが、開業からちょうど1年後のダイヤ改正で所要時間は3時間10分になりました。
当時の「ひかり」の途中停車駅は名古屋・京都となっており、現在の停車駅とあまり変わりありませんでした。
1965年(昭和40年)には日本で最も人気のある車両に贈られるブルーリボン賞を受賞し、国内はもとより海外からも「Shinkansen」として知られるようになりました。

 

新幹線の性能比較
形式
0系
0系
100系
100系
300系
300系
500系
500系
700系
700系
N700系
N700系
デビュー
1967年(昭和39年)10月1日
1985年(昭和60年)10月1日
1992年(平成4年)3月14日
1997年(平成9年)3月22日
1999年(平成11年)3月13日
2007年(平成19 年)7月1日
最高速度
220km/h
220km/h
270km/h
300km/h
285km/h
300km/h
編成出力
11,840kW
11,040kW
12,000kW
17,600kW
12,480kW
17,080kW
定員
普通車1323名
グリーン車68名
普通車1153名
グリーン車168名
普通車1123名
グリーン車200名
普通車1124名
グリーン車200名
普通車1123名
グリーン車200名
普通車1123名
グリーン車200名
座席幅(普通車)
430mm
430mm
430mm
(B席のみ460mm)
425mm
(B席のみ455mm)
430mm
(B席のみ460mm)
440mm
(B席のみ430mm)
車内サービス
食堂車・ビュフェ・売店
食堂車・ビュフェ・カフェテリア・売店
ミュージックサービス
2階建て車両・グリーン個室・液晶モニター
サービスコーナー・ワゴンサービス
オーディオサービス
サービスコーナー・ワゴンサービス
オーディオサービス
ワゴンサービス
オーディオサービス
ワゴンサービス
オーディオサービス
無線LAN・喫煙ルーム
所要時間
(東京〜新大阪間)
2時間56分
2時間49分
2時間30分
2時間30分
2時間30分
2時間25分
制御方式
低圧タップ切換段制御
発電ブレーキ併用電磁直通ブレーキ
サイリスタ連続位相制御
発電ブレーキ併用電気指令式空気ブレーキ
VVVF制御
交流回生ブレーキ併用電気指令式空気ブレーキ
VVVF制御
交流回生ブレーキ併用電気指令式空気ブレーキ
VVVF制御
交流回生ブレーキ併用電気指令式空気ブレーキ
VVVF制御
交流回生ブレーキ併用電気指令式空気ブレーキ

 

車内案内
現在の0系新幹線は全て「2列シート&2列シート」になっており、座席は広くとても快適です
3編成全てが6両で運転していて、車内は以下のようになっています

1号車
2号車
3号車
4号車
5号車
6号車
自由

自由

自由

指定

自由

自由

博多<———————————————————>新大阪

このうち3号車には車内電話があります
また、同じく3号車には現在は使用されていないサービスコーナーがあります
車掌室は指定席に近い4号車にあります
車内販売は一部の列車を除いて営業を行っていません
お手洗い・洗面台は1号車おきにあり、国鉄時代の物が使用されています

指定席 自由席

車内電話 洗面台

 

夢の超特急は伝説へ…
2007年7月にN700系新幹線が華やかにデビューしました。
その影で、新幹線の歴史を伝えてきた0系新幹線は第一線を退きました。
多くの人・物・文化を乗せてきた0系新幹線は2008年の11月30日に引退となりました。
さようなら、夢の超特急。そして、夢と希望をありがとう!

ウエストひかり リニュアール色

博多駅にて 0系とN700系

東海道新幹線開業記念切符(復元版)

 

0系新幹線に乗ろう!
平成20年4月のダイヤ改正で0系新幹線は残り3編成になりました
引退となる11月30日までは以下のダイヤで運転されていました。

(下り)
こだま629号 新大阪6:12発→博多10:41着
こだま639号 新大阪7:59発→博多13:09着(博多南線直通)
こだま659号 岡山14:51発→博多18:21着(博多南線直通)
こだま769号 小倉18:36発→博多18:56着(博多南線直通)
(上り)

こだま620号 福山6:09発→新大阪7:47着
こだま638号 博多9:19発→岡山12:53着(博多南線直通)
こだま762号 博多18:04発→小倉18:24着
こだま674号 博多18:42発→新大阪23:21着
こだま724号 博多発19:12→広島21:20着(博多南線直通)
こだま682号 広島23:15発→福山23:58着

【参考文献】
プロジェクトX挑戦者たち2 NHKプロジェクトX製作班編
JRパーフェクト2JR西日本 鉄楽舎編
データで見るJR西日本2007 西日本旅客鉄道株式会社編

JRおでかけネット ありがとう夢の超特急
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