【解説】
5700系は、昭和61年に5000系や5200系などの旧型急行用車両を置き換えるために登場しました。転換式クロスシートや連続窓などを採用して久しぶりに名鉄らしい車両となりました。前面は車掌席側の窓を大型化し背後の座席を2.5人掛けにし、車内に速度計を付けてパノラマカーのように前面展望などを確保しています。片側2扉の転換クロスシート車ですが、1400mmの両開き扉を採用して出入口付近のスペースを広くとり、運転室のある側を除く車両の端はロングシートとしてラッシュ対策を考慮しています。また、扉付近には折りたたみの補助イスを設け、閑散時の着席率向上もはかっています。編成のモーター車とトレーラー車の比率(MT比率)は、6両編成が3M3T、4両編成が2M2Tとなっています。
5700系は当初4両編成のみでしたが、平成元年に中間車4両が新造され、2両ずつにわけて組み込まれ、6両編成が2本誕生しています。しかしながらこの6両編成は、6両運用が減少したことから平成21年9月に中間車2両を外した4両編成となり、この中間車に同時期に廃車となった5300系の運転台を取り付けの上、平成22年3月から5600系として運用を開始しました。現在、5600・5700系は、4両編成×6本の計24両が在籍しています。
5300系は、5700系と車体・車内は同じで、廃車になった5000系や5200系の下回りを利用して製造された車両です。種車のFS307台車は乗り心地があまりよくないために、空気バネ台車FS550に交換した車両もあります。5300系は旧5000系の床下機器を流用しているため、すべての車両がモーター車となります。平成21年10月に5312F・5313F、平成22年度中に5301F・5302F・5303F・5307F・5310F・5311Fが運用を離脱し、現在は4両編成×4本、2両編成×1本の計18両が在籍しています。