このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください |
はじめに このレイアウトのスペース(920×1200)の中で私が選んだ設定は亜幹線ですから、かなり我が儘です。 本線エンドレスの延長は約2400㎜。その線形は速度を一定に保ち、走行中開放を避けるため、レベルの単純エンドレスです。そこに最長5両編成(約650㎜長)を、飽きの来ないように走らせたいわけです。 これを満足させるのが今回の試みであります。 |
この画像は、二つの山による「額縁効果 」を狙っているところです。 山の斜面は急ですが、俯瞰して遠景に見えるよう感覚的に造形しました。地面も今後レイアウト手前半分と奥半分を近景、遠景と意識して、作り込む予定なのです。 | |
もう一つの効用は、「場面展開 」です。 狭いスペースで駅から出た列車が遠くを走る様子を見たい。しかし、我々の頭は、長く走らなければ遠くへは行けないことを認識しています。 そこで、駅と遠景とを山で「縁切り」して、駅を出発した列車が一瞬見えなくなり、遠くの鉄橋に現れるようにしました。これで、テレビの画面が入れ替わるように、時間と場所が替わったかのように思えてきます。 |
私は公園の設計の仕事をしていたので、木へのこだわりは自然とあるようですが、レイアウト制作では実際の樹形やスケールへの忠実さより、感覚で全体の雰囲気を出すつもりです。 この画像ですが、杉桧植林が手入れされ、一部伐採された様子です。(地面は落とされた葉が枯れている雰囲気を、水ごけを敷き詰めて出しました。) さて、キハ58付近の木を見ると、奥行きが強調されて見えるはずです。 それは、キハ58前部左と後部左の木の幹の太さが違うからです。横から見ると下の写真になります。 昔、宇宙戦艦ヤマトのデフォルメモデルというのがありました。全長が短く、前部が異様に強調されたヤツです。前から見るとテレビのヤマトの正面の姿が再現されるという代物でした。 今回はその手法で、手前の木は大きく、奥は極端に小さくし、全体をだまし絵のようにします。(造園の世界ではよく使われる手法です。) 奥の木は、広葉樹林として小さいものを多数植えることになりますが、百円ショップの人工芝のバリエーションで枝分かれした葉と茎のあるものに、フォーリッジを細々張り付け大量生産します。試作品は上の画像のキハ58手前右の緑です。スーパーデティールにはなり得ませんが、数で勝負。(笑) 奥の木ですから…。 手前の木は、杉桧植林と、銅線で自作する広葉樹を精々10本ほどの予定です。手前の木が目立てば、心理的に奥にはあまり気が向きませんから、ここだけはかっこよく凝ります。 (2003.2.14) | |
手前には、高さ・枝張り共15m位の広葉樹を、奥のDF50の左右には5〜10mの広葉 樹を配置しました。 立派な高木を手前にたった数本置くことで大分雰囲気が変わると思います。 | |
横から見ると、奥の広葉樹はもう少し密に植えた方が良さそうですが、ライケンの下草やもっと低い木を増やす方が、変化のある自然な感じが出るかもしれません。 (2003.2.15) |
小半径レールは奥に使う ■経緯 配線を現在の形に決める前に、様々にレールを組んでみましたが、その中で思ったことは、道床付きレール特有のRから直線に入るときのおもちゃ的な車両の見え方をどうにかすべき、ということでした。緩和曲線は入れられませんから、規格のなかで「観賞に耐える」という基準で実験しました。トミックスのレールの場合、私的に耐えられる見え方をするのは、R541を除いてはR354とR317でした。 しかし、レイアウトスペースには制限がありますから、R354とR317を全てのR部分に使うのは無理です。そこで思い切って、遠近の考えからも、奥半分の部分に一番きついR243を90度ずつ4本使い、手前に緩いRを使うことにしました。 プラン上、手前にある駅で行き違いと分岐をさせるため、仕方なくポイントでR280を使う部分が出ました。カーブポイント(R280とR317)と、枝線を分岐させるポイント(R280)です。しかし直線につながる所はR317を使いましたので、“通過時”の理想的見え方の要件になんとか間に合いました。但し、Rがホームにかかってしまったので、列車“停車中”の姿は連結面の妻板が運転者側に大胆に見えてしまい、今ひとつなものになってしまいました。 また、私はこのR243区間を正面から隠す意味でも「二つの山」を、実は設けた訳だったのですが、横から見ても、厳しい地形を行く情景として意外と馴染みました。 (参考:高い山が無い平地でも、小規模な地山や樹木の配置で十分観賞に値すると思います。) | |
■ポイント ・奥のR243部分は、手前のRの緩さを強調して、遠近感を出す。 ・奥の「R243⇔直線」は手前にある時のようには不自然な列車の見え方の感じは無く、「遠景を行く」という感じで意外と馴染んで見える(右画像)。 ・広い手前のスペースの確保が出来、手前が広く、奥狭いという遠近の見え方に貢献している。(後述の「駅構内配線」を参照。) (はいでコメント:同じRでも,遠ければRが小さく,近ければRが大きく見えますよね.この技法は理に叶っていると思います.) | |
はいでの素朴な疑問 方法1)手前を大きいR(たとえばR354)一定で90度曲る 方法2)R243で75度曲って最後の15度だけR541で曲る —————どちらのほうが遠近感がありそうでしょうか? 鷹さん そこで,やってみました。 奥:R541-15°⇔R243 手前:R354-45°⇔R317 です. Rが近いもので緩くしていかないと不自然なようです。 手前に曲がってくる近景での列車の挙動には期待がありますし、20m前後の車で編成が長いほどにR243には難があるのもいかんともしがたいですね〜。 (はいでコメント:鷹さん,どうもありがとうございました.R243は外側レールが丸見えですね.ご参考までに2種類の曲線の関係は右下図のようにになります.画面横方向は23mmの違いで画面上下方向は75mmの違いです.) |
レイアウトの手前スペースを幅広に使う ■経緯 上記(1)のような線路配線の経緯で手前にスペースが出来ましたが、本線の島式ホームが、レールの納まりの関係で、田舎の駅には不釣り合いな広幅になりました。これも道床付きの宿命と、最初は諦めの境地だったのですが、数日眺めるうち、これは遠近を出すのに役立つとの発想になりました。そして、さらにその発想を進展させて、駅の手前に計画した1線の留置線を、貨物ホームとして2線引き込みとし、荷役スペースを本線ホーム並に広くとってみたところ、駅全体に不自然さが無くなりました。そしてこのため、本線エンドレスを含めた配線全体を、ベース板の奥ギリギリにセットバックさせました。 道床付き線路を、実際に線路を並べて列車を走らせ、そこから湧く様々な発想によって当初の机上の計画にいろいろと変更を加えたわけですが、正直ここまでの規模の駅施設が納まるとは思いませんでした。最終決定まで数ヶ月掛けて粘った甲斐がありましたし、これが道床付きレールの強みです。 ■ポイント ・レイアウトの手前スペースを広く使って様々な施設を設けると、視線の意識を集めることが出来、細かい施設の少ない奥の線路の列車通過風景を、より遠くに認識出来る。 (はいでコメント:手前の車両群のボリューム感と,ボリュームのない反対側との対照が遠近感を生むわけですね.) |
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