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旅日記20 【番外編】寝台特急富士はやぶさを追いかけて
1〜4日目 根府川駅に訪問/寝台特急富士はやぶさとお別れ
2009年3月14日のダイヤ改正で東京駅を発着する九州への寝台特急の富士、はやぶさが廃止となるということで、最後の勇姿をカメラに納めるべく遠征することにしました。寝台特急富士は1999年の旅で東京から小倉まで乗車した思い出の列車です。
今回直前に待望のデジタルビデオカメラを購入したこともあり、一度訪れたかった根府川(ねぶかわ)駅に行って寝台特急を撮影することにしました。根府川駅は東海道線の駅で首都圏である神奈川県にあるにも関わらず無人駅ということと、駅から海(相模湾)を間近に眺めることができる絶景の駅として有名です。
なおデジタルビデオカメラで撮影した画像については画像の縦横比が16:9になりますので、デジカメで撮影した4:3のものと混在しています。
2月28日(土)6:32頃に東京駅に到着しました。東京駅の通路は各地へ向かう人が多かったです。私はそそくさと東海道線のホームへと上りました。
6:43頃小田原行きの東海道線が入線してきました。到着後確認のためすぐにドアが閉められたため、車内には入れませんでした。2分ほどするとドアが開き席に座りましたが、車内はガラガラでした。列車は定刻の6:49に東京駅を出発しました。
乗車した小田原行きでは目的地である根府川駅までは行けませんので、途中の平塚駅で降りて(7:47)、平塚駅7:56始発の熱海行きに乗り替えました。平塚駅では改札前の売店で赤飯のおにぎりを購入し、列車の先頭で手すりに寄りかかって前の景色を見ながら食べました。熱海行きの列車は4両編成ということと観光目的の乗客が多く席に座ることができませんでした。
目的地の根府川駅には8:24に到着しました。手前の早川駅〜根府川駅の間には有名な撮影ポイントがあり、既に多くの人が寝台特急の撮影に訪れているのが見えました。駅名標の後には海が見えているのですが、曇りでよくわかりませんね。
熱海方面のホーム小田原寄りではほぼ眼下に相模湾を見ることができます。この根府川駅では海から上る初日の出を見ることができるそうです。
根府川駅は無人駅なので、改札には簡易Suica読み取り機のみが設置されているだけです。私もSuica定期をタッチして精算しました。
(飲料の自動販売機が景観的にはちょっとジャマですね)
この根府川駅は「関東の駅百選認定駅」ということで、改札の脇に金色のプレートが掲げられており、その横には乗車証明書の発行機が設置されていました。乗車証明書は通常無人駅には設置されているもので、降りる際に精算するためにあるものですが、画像の右にはきっぷの自動販売機があるため必ずしも取る必要はありません。きっぷの販売を行っていない時間には乗車証明書が必要になる、ということですね。
改札を通ると熱海寄りのホームが見えます。ホームの先には白糸川橋梁があり、手前のホームからはまっすぐに入線してくる列車を撮影できるということです。右の画像では寝台特急通過後のため誰もいませんが、私が到着したときには数人三脚を立てていました。
ホームへ向かう通路からは先ほどとは反対側である、小田原寄りのホームが見えます。手前のホームには待合室もあります。東京〜熱海間の東海道線は15両も走っていることなので、無人駅にも関わらずホームはとても長いですね。
熱海寄りのホームには踏切に設置されているような、入線してくる列車の方向を示す機械が設置されていました。ホームには列車が接近すると自動放送が流れますし、ホームによりほぼ入線してくる方向が決まっているのであまり意味がない気がしますね。
さて、話を到着後に戻しますが、前述したとおり熱海寄りのホーム先端には先客がいたため、やや小田原寄りに陣取りました。貨物列車が通過した後、8:47頃に寝台特急富士はやぶさが入線してきました。前回寝台特急富士に乗車したときには列車の先頭を見ていなかったので、実物を見るのは今回初めてなんです。根府川駅は通過しますのであっという間に通り過ぎていきましたが、廃止前に力強く走る姿を見ることができてとてもよかったです。
寝台特急富士はやぶさが根府川駅を通過する様子をYouTubeにアップロードしました。ちょっとズームに失敗していますが、よろしかったらご覧になってください。
今回の主目的である寝台特急富士はやぶさの撮影が終わりましたので、帰ってもよかったのですが、この駅は伊豆急下田方面へ向かう特急が通過するようなので、撮影を続けることにしました。
まず8:56頃に小田原方面に向かう回送列車が通過しました。実はこの回送列車はここまで乗ってきた熱海行きの列車のようです。
9:00には伊東行きの普通列車が入線してきました。普通列車にも関わらず特急踊り子で使用されている車両を使うこともあるんですね。
先ほど入線してきた普通列車が停車している間、同じ車体の特急踊り子が通過していきました。
熱海寄りのホーム先端には人がいなくなっていましたので、移動して撮影することにしました。9:22頃に東京行きの普通列車が入線してきました。確かにこの場所からはまっすぐにやってくる列車が撮影できますね。
次の列車を待っている間、線路脇で何か動いた気がしたので見てみると鳥がいました。まさにこっち見んな!状態ですね(笑)。今調べてみたら、この鳥は「イソヒヨドリ」というツグミ科の鳥だそうです。
9:37頃には東京行きのリゾート踊り子が通過しました。リゾート踊り子は伊豆急行線の伊豆急2100系アルファリゾート21の車両だそうです。海側となる座席は外向きに向いて配置されているそうです。
リゾート踊り子が根府川駅を通過する様子をYouTubeにアップロードしました。よろしかったらご覧になってください。
9:44頃には伊豆急下田行きのスーパービュー踊り子が通過していきました。リゾート踊り子と同様に先頭車両に展望席が設けられており、全体的に窓が大きくてよさそうですね。
これで一通り列車の撮影を終えましたので、駅の中を撮影したり休んだりして11:00頃まで過ごしました。そしてお腹がちょっと空いてきましたのでお昼を食べに行くことにしました。
スーパービュー踊り子が根府川駅を通過する様子をYouTubeにアップロードしました。よろしかったらご覧になってください。
根府川駅前の道路を真鶴方面へ歩き、下り坂の脇道を降りていくと、そこにはみかん畑があって多くのみかんが付いていました。根府川のあたりはみかんの産地だそうです。
みかん畑の脇の道をさらに下っていくと、国道135号線に出ました。ここには何軒か飲食店があり、道路の脇には駐車場があります。その駐車場からは海を眺めることができました。ちょっと天気がさえないのであまり綺麗に見えませんね・・・。
先ほどの駐車場から小田原方面へちょっと歩くと、本日のお昼をいただく「ぱぁくえりあ やまもと」がありました。まだ開店前ということでちょっと待つことになりました。
店の外には他のお客さんが連れてきたかわいいチワワがいたので、撮影させてもらいました。とてもおとなしいワンちゃんです。
ワンちゃんがバッグとタオルの間に顔を突っ込んだ!頭の後も毛並みが良くて撫でたかったのですが、小心者の私は触ることができませんでした・・・。
しばらく待っていると開店しましたので中に入ると、一人にも関わらず窓側の席に案内してもらいました。席からは相模湾がよく見えていい景色ですね。
海鮮料理があまり得意ではない私ですが、アジの刺身が好きなので「活きアジ丼」を注文しました。しばらく待つと料理が出てきました。丼以外にイカの塩辛、茶碗蒸し、お新香、カニの脚が入ったお味噌汁、そしてデザートが付いていてなかなかのボリュームですね。アジの上にはショウガとワサビが添えられており、どちらを付けて食べてもおいしかったです。でもやっぱりショウガの方が好きかな?
活きアジ丼を食べていると、同時に注文した「小田原おでん」が出てきました。小田原はかまぼこなどの水産加工品が有名ということで、おでんも有名だそうで、カラシもありますがお味噌をつけて食べます(Wikiによると梅みそらしいです)。熱々でおいしかったです。活きアジ丼も食べて大満腹、大満足です。
【施設情報】
店名 | ぱぁくえりあ やまもと |
住所 | 神奈川県小田原市根府川161 |
営業時間 | 11:00〜21:30(L.O.) |
定休日 | 無休 |
昼ご飯を食べたので駅に戻るのですが、すぐ近くにあった「伊豆のうさぎ」というお菓子屋さんがあったので、お土産を購入することにしました。
【施設情報】
店名 | 伊豆のうさぎ 小田原店 |
住所 | 神奈川県小田原市根府川161 |
営業時間 | 9:30〜18:00 |
定休日 | 不明 |
店内はとても明るくたくさんの種類のお菓子が陳列されていました。その中で目に留まったのは店名にもあるうさぎのお菓子、薯蕷万十(じょうようまんじゅう)と温泉万十(おんせんまんじゅう)でした。どちらもうさぎの目と耳が描かれていて、まんじゅう自体がうさぎになっており、とてもかわいいですね。家ではあまり甘いものは食べないので、それぞれ5個ずつのセットにしてもらいました。箱にもうさぎの絵が描いてあって、うさぎ好きの人にはたまらない商品ですね。家に帰ってから食べてみたところ、甘さ控えめでとてもおいしかったので、あっという間に食べきってしまいました。また食べたいなぁ。
この後息を切らせながら急坂を上って根府川駅に戻り、帰宅しました。これで2月28日の撮影遠征は終了です。
日は変わって一週間後の3月7日(土)です。この日も遠征して撮影することにしました。2月28日と同様に平塚駅始発の東海道線で根府川駅の次の真鶴(まなづる)駅まで行きましたが、既に何組もの人たちが撮影するためホームのあちらこちらにいました。仕方なく戻って根府川駅の手前である早川駅で見てみると、ほとんど人がいませんでしたので、早川駅で撮影することにしました。
8:53頃に東京行きの寝台特急富士はやぶさが早川駅に入線してきました。やはり通過駅のため、なかなかのスピードで通過していきます。
早川駅を通過した寝台特急富士はやぶさは減速することなく、そのまま早川橋梁へと走っていきました。3月14日の廃止まであと一週間となりました。
(このあと休日出勤で職場へ直行・・・)
さらに日は変わって3月12日(木)です。この日は天気も良く仕事も午前中であれば休んでも問題なかったため、午前休をもらって遠征することにしました。静岡県の原駅では上り列車が正面から撮影できるという情報を見つけましたので、行ってみることにしました。
遠征先が静岡県ということで東京駅6:33発の東海道新幹線こだま531号で三島駅へ。三島駅からは7:32発の東海道本線で原駅へと向かいました。東海道本線の車内からは富士山が綺麗に見えました。
目的地の原駅には7:45に到着しました。まだ3月ですが日なたでは暖かな日差しが心地よかったです。原駅のホームからは上部だけながら富士山も見えました。しかし撮影を予定していた1番線ホームの端には平日にも関わらず2名がスタンバイしており、撮影を断念せざるをえませんでした。さて、このあとどうするか・・・。
1番線での撮影ができませんので、列車が通過する2番線で撮影することとしました。2番線の先端近くへ行くと、富士山がもっと綺麗に見えました。飛行機以外でこんなに綺麗な富士山を間近に見たのは生まれて初めてです。
8:10頃「まもなく2番線を寝台特急列車が通過します」という自動放送の後、寝台特急富士はやぶさが原駅に入ってきました。ほぼ正面から日光を浴びてヘッドマークが綺麗に光っています。
列車が私の前を通過すると最後尾に人が乗っているのが見えました。最後尾で後の景色を見ることができるんですね。
原駅を通過した寝台特急富士はやぶさはそのまま東京方面へ走り去って行きました。このあと週末まで天気予報はあまりよくありませんので、いい天気の中撮影できて本当によかったです。しかし、この日の撮影はこれで終わりではありません。
寝台特急富士はやぶさが原駅を通過する様子をYouTubeにアップロードしました。よろしかったらご覧になってください。
原駅で撮影した後、職場へ直行する予定でしたが、寝台特急富士はやぶさが東京駅に到着するのが10時前ということなので先回りして待つことにしました。原駅8:16発東海道本線で終点の沼津で熱海行きに乗り換え、次の三島で降りて始発のこだまで東京駅へ戻りました。東京駅には9:47頃に到着したので急いで10番線ホームへと向かいました。
10番線では既に多くの人が寝台特急富士はやぶさの到着を待っていました。ホームの中ほどで私も待っていると9:58頃に列車が入線してきました。
(ちょっとピントが合ってませんね)
寝台特急富士はやぶさが東京駅に到着する様子をYouTubeにアップロードしました。よろしかったらご覧になってください。
到着後はホーム全体で撮影会となりました。まずは寝台特急富士の方向幕です。
こちらは寝台特急はやぶさの方向幕です。小倉で大分からやってきた富士と、熊本からきたはやぶさが連結され、東京まで富士はやぶさとして運行されているのです。
なんと、方向幕が何者かにいじられ?たか、2005年に廃止となった寝台特急彗星の方向幕となっていました。しかも彗星はWikiによると1984年に発着駅が宮崎から都城や南宮崎に変更されているため、この宮崎行きというのは20年以上も使われていないそうです。なんとも貴重な・・・。
さらに他の車両では同じ寝台特急はやぶさでも西鹿児島行きとなっている方向幕もありました。西鹿児島駅は現在では鹿児島中央駅と名称も変更され、九州新幹線の発着駅となっています。
そして他にも寝台特急つるぎの方向幕です。寝台特急つるぎは大阪と新潟とを結んだ寝台特急で、Wikiによると1994年(臨時列車時代を含めると1996年)に廃止された列車だそうです。
締めくくりはこちら、寝台特急いなばの方向幕までありました。寝台特急いなばはWikiによると1975年から78年まで運行されていたものだそうです。
B寝台ソロの入口です。2段や3段といった客車も旅情をかき立てるものですが、プライベート感やセキュリティーを考慮すると、個室も重要なんですよね。
方向幕の撮影をしていると、先頭に連結されていた牽引車を回送のため最後尾に付け替える(機回しする)ため、離れていきました。この後9番線のホームを通過して品川方面のホームへと入り、再び客車と連結されました。
機回しのため牽引車が離れた客車にははやぶさのマークがありました。東京から九州へ向かうときにははやぶさのマークが最後尾になり、東京へ向かうときには富士のマークが最後尾になります。
こちらシングルデラックスの様子です。使用後のためちょっと乱れていますね。私が乗ったのはシングルデラックスだったのでこのタイプの客車でした。
ホームにははやぶさの乗車位置案内がありました。この寝台特急のマークも数えるほどしか残存しなくなり、ちょっと寂しいですね。
ホームの柱には記念グッズと記念弁当の販売ポスターがありました。グッズも欲しかったのですが、この日に販売はいなかったので諦めました。
売店を覗くと記念弁当の案内が出ていて、お弁当の中身も紹介されていました。おいしそうなので、今から考えると購入して職場で食べてもよかったかな。
10:36頃回送のため寝台特急富士はやぶさは出発しました。廃止まであと2日です。
今度は最終日となった3月14日の様子です。最終運行日は3月13日ですが、日付を跨いで14日に終着駅に到着となります。この日は前日からの荒天や運行上のトラブルがあり東京到着が1時間ほど遅れる見通しということで、東京駅6:56発のこだま633号で三島駅に向かい、東海道本線で沼津乗り替えで12日に訪れた原駅の一つ手前である片浜駅へと向かいました。片浜駅では9:30頃に通過したのですが、なんと録画ボタンをきちんと押していなかったため録画できておらず、停止のつもりで押したところから開始となり、録画できたのは右の画像となってしまいした・・・。せっかく遠征までして最後のチャンスだったにも関わらず大失敗・・・。
(右の画像ではこちらに向かってくる列車の左に寝台特急の最後尾がうっすらと見えています)
このままでは後悔だけが残ってしまうため、先回りして撮影することにしたのですが、おそらく東京駅では多くの人が集まり到着時の様子の撮影もうまくできない可能性が高いため、手前の駅で撮影することにしました。三島駅から東海道新幹線ひかりに乗って品川駅で京浜東北線に乗り替えて川崎方面へと移動しました。しかしどの駅にも人が多く川崎駅で諦めることにしました。
川崎駅の東海道線ホームで待機していましたが、人が多くどうやっても人が前に映りこんでしまいます。するとまもなく通過というタイミングでしたが隣の京浜東北線の下り列車が発車していったため、思い切って京浜東北線のホームへと移動しました。すると1分ほどで寝台特急富士はやぶさが川崎駅へとやってきました。
(それにしてもすごい人の多さだ)
寝台特急富士はやぶさは一時間以上遅れているせいか、通過したときとてもスピードを出しているように感じました。前に障害物の少ない状態で撮影できて良かったです。
そして寝台特急富士はやぶさは川崎駅を通過していきました。この後東京駅で最後の撮影は行わずに帰宅したので、これでしばらく追いかけてきた寝台特急富士はやぶさとはお別れです。残念ながら東京を発着するブルートレインはなくなってしまいましたが、北斗星をはじめとする何本かの寝台特急はまだ残っていますので、機会があればまた乗って旅をしたいです。[終わり]
寝台特急富士はやぶさが川崎駅を通過する様子をYouTubeにアップロードしました。よろしかったらご覧になってください。
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